第三十九話 サラの全てを奪う者
どうも、Mocha時雨です。
最近忙しい時期が一旦過ぎましたので投稿ペースが少し戻ると思います。ですが、また忙しくなる時期が少しずつ増えてくると思うので、投稿ペースがぐちゃぐちゃになるかもしれないです。申し訳ない。
では、こゆっくーりー
ゴルスパを倒した俺はサラのあるところに戻り、禁術のスキルによる、『種族転生』の準備をしていた。
ゴルスパに関しては中央に、
『グランドデスペラード』を一発入れてやったら魚を下手にほぐしたみたいになって崩れていった。
そんなことは置いておいて準備に取り掛からなくては。といっても、サラを寝かすためのシートを敷くぐらいだ。俺もさすがに女の子を地面に寝かせるほど鬼畜ではない。
『サラがゲスだから別にしてもいいんじゃないのか?』
という、俺の悪魔が出てきたが俺が悪魔に
『俺たちは男だろ。』
と語ってやれば俺の中の悪魔も納得して帰っていった。そういえば、天使は出てこなかったな。
まぁ、いいや。
「よし、サラ出来るだけ早く終わらすぞ。こんなところ俺が見られたくない。魔族といるとなったらさすがに国から追放とかされるかもしれないからな。」
なんやかんや、俺の周りには女の子が集まってくるな。もしかして、これがハーレムが起こる前兆なのか?もしそうだとしたら、神様に感謝だな。
と俺が心の中で神様に感謝していると、
「ちょっと、バスタ何考え込んでるの。早くしたいって言ったのバスタだからね?」
と怒られてしまったので、急いで禁術を使うことにした。
「じゃあ行くぞ。」
俺はサラの寝ているとなりに膝をついて手を握った。
サラもこれが必要なことだと分かっているのか手を握ったことに対して文句を言わなかった。
『種族転生』 発動。
サラを中心として大きくドス黒い魔法陣が広がっていく。フィルナのところまで広がっていきそうだな。
「フィルナ、出来るだけその魔法陣に触れないでくれ。何が起こるかわからないから。」
「うん、分かった。」
フィルナはすぐさま、後ろに飛び魔法陣から抜け出した。
俺はそれを確認してから最後の一押しの魔力を注ぎ込む。禁術とあって、かなりの魔力が消費されていく。この魔力の消費量だと4.5回で限界だぞ。
そして、魔法陣から黒い光がサラを包む。
こんなに近い距離にいるのにサラの姿が光で見えない。見すぎると俺の目が失明してしまう。だから俺はすぐさま、後ろに振り返りサラを見ないようにした。
そしてサラにも変化が出てきた。
「アァァァァ、ガッ、ハァッ」
苦痛の声が森に木霊する。サラが苦痛の声が終わればその頃には魔法陣も収まっていった。
サーチ、サラの種族は?
『氷虎族です。氷の類の技を生業としている種族です。』
村にいた時本で読んだ種族だな。だが人間じゃないからやり直しだな。
事前にサラから
「人間になるまでしてね。」
と言われているので俺はそのまま続ける。
二回目は再び魔族、三回目は人魚、四回目でやっと人間になった。
正直、三回目から、人魚で良くね?って思いはじめてきたが四回目で決まってよかった。
俺はまた、禁術の『強制成長』を使って俺ぐらいの身長にした。
禁術には多少なりとも制約がある。
『種族転生』の制約は感情。
『強制成長』の制約で記憶の一部が失われる。メリットが大きい分、デメリットも大きい。
それ故の禁術なんだろうな。そして、『種族転生』を四回も使用したんだから、サラの感情は四つほどなくなっている。
サーチさんに伺ったところ、もっとも新しい感情、つまり、最近、サラが感じた感情が四つ消えたということだ。嬉しさ、自分勝手、不安、期待、とかそのあたりだと思う。
記憶に関しては、俺にはわからない。サーチさんでもわかるかどうか。
『もう、調べ終わっております。』
さすが仕事人。サーチがあれば何もいらないな。
『サラの記憶を覗いた結果、彼女は小学生から、大学生活の途中までの記憶が失われております。』
んー、ん?
ってことは、卒園後、いきなり大学生のときの記憶しかないってことか。
中途半端でめんどくさいな。だったらいっそのこと記憶全部消してしまった方がいいんじゃないか?
サーチ、俺の記憶をいじって彼女に移すことができるか?内容は好きにいじってくれて構わないからそれでいける?
『問題ありません。自由に調整させていただきます。それと同時に一般常識も彼女に付与します。』
さすが仕事人、なんでもできる。いやぁ、優秀な秘書がいたら仕事がはかどるねぇー。
俺は記憶を全てを消して、サーチに俺の記憶を移してもらっているサラを抱きかかえ、一旦自分の寮室に戻り、俺のベッドに寝かした。
サーチさん曰く、記憶の植え付けが完璧に終わるまでは起きてこないらしい。
体への負担も相当じゃないはずだからな。
それはそうと、俺の魔力がほとんど空なんだけど。
久しぶりに魔力を使ったらしんどいってことがよくわかる。
準備体操せずにスポーツをした後みたいな感じかな?
それで、次の日起きたら高確率で足とかつるやつな。
よく伝えられないけどそんな感じ。
俺はベッドにサラを寝かしてから、フィルナの元へ戻った。
「そろそろ、合流しに行こう。かなり、サラに時間を割いたから少し急ぎ目に行かないと不審がられる。」
『種族転生』の発動時間が少々かかるため連発してして使えなかった。それ以前にサラの体のことを考えれば少し時間を開けないと体が壊れてしまう可能性がある。いや、壊れただろうな。
「バスタの魔力がほとんどないと思うから私がフライをかけるよ。」
「あぁ、サンキュー。」
「さんきゅー?」
「ありがとうって意味だよ。」
たまに出てしまうんだよね、っていうかなんで魔法の名前に英語入ってるのに、サンキュー通じないの?
そこのところ、おかしくない?それはまた今度考えよ。
今は合流が優先だ。
「行くぞフィルナ。」
「うん。」
俺たちは森の中から風魔法でゴルスパがいたところより少し遠くに飛んでいった。
かなりの速度で飛んでいるからすぐ着くはずだ。それにゾムさんたちもそろそろつくだろう。
目標地点について少し待っていると、ゾムさんたちが合流してきた。
馬めっちゃバテてるし、やっぱ不便だろ。
「バスタ君、大型の魔物はどうしたんだい?まさか君達だけで討伐したのか?」
ゾムさんと俺が会話しているところに父さんや他の冒険者たちも集まってきた。その後ろからも隊列を組んで進んでいる冒険者たちも到着しつつある。
「まさか、俺たちだけじゃ無理ですよ。すこし、ダメージを与えたところで逃げられました。土を潜って逃げたのでどこにいるかわからないですね。」
嘘で固めた説明だが、不審な点はないだろう。
「ダウトです、バスタ君。」
「えっ?」
俺とフィルナは声がした方に振り返る。しかし、ダウトって言葉はあるのか。そこには白い髪の毛をした女の人がいた。
「失礼いたしました。ギルドに所属してる、チーム『ジョーカーズ』のベリア・ネルトも申します。そして、何がダウトかと言いますと、バスタ君が言った、
『まさか、俺たちだけじゃ無理ですよ。すこし、ダメージを与えたところで逃げられました。土を潜って逃げたのでどこにいるかわからないですね。』
という言葉ですね。」
なんでバレたんだろ?サーチ、嘘を見抜くスキルか称号があるか調べてくれ。
『はい、見つかりました。彼女の『真偽の目』と言う称号による言葉の嘘か真実の判断が可能になる能力が付与されています。『真偽の目』は真偽院と言うところで小さい頃からトレーニングを積んでいくことで習得が可能です。
『真偽の目』をかいくぐるには、真実を織り交ぜつつ話を進めるとバレずにすみます。』
はぇー真偽院か、初めて聞くな。そんなところがあったんだな。
その能力は俺たちにとって天敵と言える能力だ。俺はクソッと思い、彼女に殺気の塊を当てる。
「ヒッ、、、。」
ガタガタとベリアが震えだす。少々物足りないがやり返しだ。
「おい、バスタ反抗期なのか?」
父さんが後ろから俺の肩を持って聞きにくる。時期的にそうなんだろうけど、精神年齢がすこし高いから、反抗期の時期は既に終わってる。サーチが言った通り、真実を織り交ぜつつ話をしてみるか。
「さっきの話の真実を伝えるなら、二人でやったのではなく俺一人で、フィルナにはあたりの警戒に当たってもらいました。」
ここまでは、マジの話だ。だから、ゾムさんと父さんが、ベリアの方を向くが頷いて真実だと、証明している。次からは織り交ぜていく。
「戦闘になってから、少しすると敵の体がなぜか崩れていき、そして消えていきました。これで報告は終わりです。」
そして、周りの人がベリアの方を見るがうんと頷いて真実を証明した。敵の体が崩れていったのも事実だ。俺がゴルスパの中心部にグランドデスペラードを打ったからだ。また、消えていったというのも事実だ。
魔物は倒せば自然消滅が起こるからだ。
ようは言葉の伝え方だな。人に何かを伝えるときは重要な点を伝えるか伝えないかで理解度が全然違う。
今回は重要なところを伝えなかったから逃走するためのナニカだと思ってくれたと思う。
「じゃあ、報告はこれで終わりでいいですね?では一足先に帰ります。」
俺は逃げるかのように、フィルナの手を掴んでその場を去ろうとする。真偽の目がある以上ここにいるのは危険だと俺の本能が告げているからだ。
「報酬はどうするんだい?バスタ君、フィルナちゃん。」
ゾムさんに呼び止められる。そういえば最近、金欠だったのを忘れていた。
「学校の方に送ってくれればそれでいいですよ。そこで受け取るんで。」
俺がそう返すと、「わかった。今日はお疲れさん。」
と返してきた。
「父さん、じゃあ学校に戻るよ。」
「お父さん、またね〜。」
俺とフィルナは父さんに手を振って王都に帰り始める。父さんも、手を振ってくれたからもうここにいる必要はないだろう。
バースから魔力を分けてもらい、テレポーテーションをして帰った。俺は学校に着くと、まず校長室に向かった。サラのことだ。彼女をここの学校にいれてもら
えれば俺も彼女の保護者として、落ち着ける。
彼女を人間にするために記憶と感情を消してしまったことを考えて見れば、少し心が締め付けられる。
人間じゃないことをしているからかな?
校長室前に着いので、部屋をノックする。
「バスタ君かな?入ってきてくれたまえ。」
おっと、俺だとわかったらしい。寮の中を自由に見れるから、サラを自分の部屋に運んだところを見ていたのだろうか?
「失礼します。今回は俺が連れてきた彼女をここの生徒にしてもらいたくて、相談に来ました。」
「まぁ、そうだと思ったよ。君の頼みだから入れてあげたいのだけど、問題は彼女の力だよ。ここの学校では、求められるのは己の力だよ。」
まぁ、これは予想していた。この学校の入試で教師と試合形式を求めるぐらいだからな。
サラの『鬼術』のスキルは継続しているから実際に見てもらったほうがいいだろう。
「彼女が目覚めるまで、待ってもらっていいですか?彼女の実力は俺が保証できるんですが、いかんせん、彼女が目覚めないことには何もできないので。」
「いいでしょう、それに伴い部屋を広くしておきますね。では、彼女が起きるまで楽しく待たせていただくとするよ。」
融通が利くからいつも助かる。まぁ、合格するのは言うまでもないがな。
『もちろんです。彼女が持つスキルの使い方を全て、彼女に伝授しています。』
サーチさんがここまで言うんだ。余程自信があるんだろう。
俺は多少回復した魔力を使って、テレポーテーションし部屋に戻って死んだかのように眠った。
サラの記憶を全て消すという暴挙に及び出したバスタ君。彼は一体人間なのか?次回の予告になりそうですね。(嘘です、すいません)
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