第一任務の招集
タブレットをテーブルに戻すと、ようやく今度は俺が自己紹介をする番になった。
「俺の名前は田中大介。今後しばらくの間、君たちの隊長を務めることになる。二人と一緒に働けることを光栄に思う」
「ん」
二人の少女は、自信に満ちた様子でうなずいた。
「俺たち三人なら、どんな状況に放り込まれても対処できる、最高のチームになれると信じている」
「んん」
二人はもう一度、自信たっぷりにうなずいた。
「さて、自己紹介も済んだところで……」
俺はサングラスを外し、どれだけ本気なのかを二人に示した。
「ここでいったい何があった?」
荒れ果てた詰め所を指し示す。
すると、二人は突然黙り込んだ。
ミコはアキを見つめ、金髪の少女もまた、ミコを見つめ返している。
「……ゴホン。返事を待っているんだが」
俺は腕を組んだ。
ついにミコが観念したように口を開いた。
「クモを見つけたんすよ、ボス。潰そうとしてたんです。散らかしちゃって、ごめんなさい」
「Ja、申し訳ありません、隊長。少し火力を出しすぎてしまいました」
二人とも、まるでお菓子を盗んだところを見つかった子供のように、うなだれて床を見つめていた。
一方の俺は、自分の耳に入ってきた言葉が信じられなかった。
「クモを見つけたからって、詰め所を丸ごと燃やしかけたのか?」
二人はうなずいた。
俺は言葉を失った。
あまりにも馬鹿げた状況すぎて、どう反応すればいいのかすらわからない。
「まあ……特別に大きなクモだったとか、毒を持っていたとか、そういうことか? もしそうなら、過剰な火力を使ったのも理解できなくはないが」
俺は淡々と尋ねた。
そもそも、どうして俺は彼女たちの言い分を理解しようとしているんだ?
二人のやったことは馬鹿げている。俺がすべきなのは、行動を正当化する手助けではなく、上に報告することだろう。
二人は再び顔を見合わせ、うなずいた。
それからミコが床に落ちていた瓦礫の欠片を拾い上げるために身をかがめた。
「これくらいの大きさだったんすよ、ボス」
そう言って、俺に手のひらを見せた。
「それに、毒もなかったっす」
俺は彼女の手元を見下ろした。
指先に乗っているコンクリートの欠片は、目を凝らさなければ見えないほど小さかった。
信じられない。
俺はため息をつき、背筋を伸ばした。
「ミコ、清掃業者を呼んで、ここを片付けてもらってくれ。その間に、俺たちは備品の在庫を確認しよう。少なくとも、君たちがまだ壊していないものはな。それから……」
言いかけたところで、ポケットの中の携帯電話が突然鳴り出した。
俺はポケットに手を入れ、電話に出た。
「はい?」
「そうです」
「ああ」
「ああ」
「了解」
「わかりました。すぐに向かいます」
通話が終わり、俺は携帯電話をポケットに戻した。
二人の少女は、何も言わずに期待を込めた目で俺を見つめている。
俺は大きく息を吸い込んだ。
「本部からだ。コード2の公共迷惑事案が発生した。人気のベーカリー、サクラ・スイーツが突然暴走して、意思を持って動き回る巨大なお菓子を街中に吐き出しているらしい。現場は大混乱だ。人々が命からがら逃げ回っている」
俺が情報を伝え終えると、二人は次に何をすべきか理解したように、揃ってうなずいた。
全員が一斉に必要なものを取りに走る。
警察バッジ。道具。武器。
そしてミコは、予備の魔晶石も忘れずに確保した。
一分後、俺たちは詰め所を飛び出し、パトカーに乗り込んでいた。
運転席にはアキが座り、俺は彼女に車の鍵を放り投げた。
ミコはバイクに乗って、俺たちの隣を走ることになっている。
これが、俺たち三人にとって初めての任務だ。
「全員、準備はいいか?」
「はい!」
二人の少女が声を揃えて答えた。
「よし、アキ」
俺はサングラスの位置を直した。
「飛ばせ」




