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俺はいったい何に巻き込まれたんだ? ここは本当に魔法警察署なのか、それとも解体現場なのか?

俺は咳払いをして、ジャケットの襟を整えた。


「よし。そろそろチームのみんなに会いに行くか。さて、どうなることやら」


緊張を抑えながら、分署のドアをそっと押し開ける。


これから会うことになる仲間たちのことを考えると、心臓が少し速くなっていた。


みんな、俺のことを気に入ってくれるだろうか?


隊長として認めてくれるだろうか?


俺は、葛城カオリさんのように優雅で洗練された人間ではない。


彼女は、その飾らない魅力と美しさだけで、誰もが思わず憧れてしまうような存在だ。しかも、その美しい顔の奥にある知性を知る前から、すでに人々を魅了してしまう。


結局のところ、俺はただ、いい印象を与えられればそれでよかった。


最初の出会いが、すべてを左右するかもしれないのだから。


ドアを大きく開け放った、その瞬間だった。


「ファイアブラスト!」


驚きのあまり、思わず後ずさりしかけた。


全身が凍りついたように動けなくなる。


路地裏で遭遇したあの泥棒が放ったものよりも、さらに巨大で高温の火球が、突然部屋を横切り、反対側の壁に激突した。


「アキ! 仕留めたっすか?」


「ナイン、ミコ。まだです。コーヒーメーカーの下に隠れています」


「何っ!? あいつ、まだ生きてんのかよ! よし、銃の準備はできてる。あたしに任せな。くたばりやがれ!」


火球が飛び出してきた部屋の反対側から、鮮やかなピンク色の魔導機関銃の弾幕が突然、次々と炸裂し始めた。


「死ね! 死ね! 死ねぇぇぇ!」


もう、めちゃくちゃだった。


目の前で繰り広げられているのは、正真正銘の狂気そのものだ。


いったい何が起きているんだ?


俺はどこかで道を間違えて、別の分署に来てしまったのだろうか?


それとも、ここは解体現場か何かなのか?


「ひゃあああっ!」


叫び声を上げる人影が、徐々に部屋の中央へとよたよた歩いてきた。


両脚を大きく開き、腰の高さで構えた機関銃を絶え間なく撃ち続けている。


青い警察用のショートパンツに、背中に『Bazooka Babe』と書かれたダボダボのシャツ。髪は肩までの長さの茶髪だった。


身長は中学生の平均くらいしかなさそうなのに、自分の体のほぼ二倍もある武器を軽々と扱っている。


「死ね! 死ね! 死ねぇぇぇ!」


彼女は部屋の隅にいる正体不明の標的に向かって、相変わらず猛烈な勢いで銃を撃ち続けていた。


俺がすぐ後ろに立っていることにすら気づいていない。


そのとき、武器の動作音が急に弱まり、ついには電力切れで停止した。


「ちぇっ、もう終わりかよ?」


彼女は銃をひっくり返し、底部の収納部分を開けた。


すると、滑らかで丸い球体が手のひらに転がり落ちる。


俺にはすぐにそれが何なのか分かった。


魔晶石だ。


魔法エネルギーを蓄えておくための装置で、いわばバッテリーパックのようなものだ。ただし、彼女の手にあるそれは、もう光を放っていなかった。


「ちぇー、ガス欠かよ」


茶髪の少女は、手の中の球体を見つめたまま呟いた。


「ミコ! どうしましたか? もう倒しましたか? それとも、私が代わりに行きましょうか?」


まだ姿の見えない、もう一人の人物の声が聞こえてきた。


「心配すんな、アキ。そこの作業台にある予備の魔晶石をもう一個投げてくれよ。隊長が来る前に、あいつをさっさと死体袋にぶち込んでやるから……って、あっ!」


少女は、ようやくこちらを振り返った瞬間、言葉を途切れさせた。


ドアのそばに立っている俺を見つけたのだ。


目を大きく見開き、口がゆっくりと開いていく。


驚愕のあまり、完全に固まっていた。


気まずい沈黙が流れる。


彼女はまるで目の前の光景が信じられないとでもいうように、俺を凝視し続けていた。


何か言い訳を探しているのか、視線が右へ左へと忙しなく動いている。


「ミコ? 状況を報告してください。脅威は排除できましたか? それとも援助が必要ですか?」


「えっと……」


少女はまだ言葉を出せずにいた。


もういい。


さすがに馬鹿げている。


遊びは終わりだ。


自己紹介をして、この状況を仕切らなければならない。


今すぐに。


「君たちが渋谷分署の残りの隊員だな?」


俺はバッジを取り出して彼女に見せながら、建物の中へ入ろうとした。


「俺は隊長の田中大介だ。今日からここに配属されて……」


バタン!


……顔面にドアを叩きつけられた。


どうやら、そういうことらしい。


今、俺は自分の分署から締め出されたのか?


「フェアダムト! ミコ、いったい何をしたんですか!?」


ドア越しに、もう一人の人物のくぐもった声が聞こえてきた。


「外に何か危険なものでもいるんですか? 何を見たんですか?」


「た、た、隊長。隊長が外にいる」


「ヴァス!?」


二人目の女の子が驚きの声を上げた。


「新しい隊長を締め出したのですか? それは最適な歓迎手順とは言えませんね、ミコ。恥ずかしいことです。まったく、恥ずかしい」


「い、いや、知らねーよ。パニクっちまったんだよ。とにかく、早く着替えて片付けるの手伝ってくれ」


「早く着替える? ですが、私はもう着替えていますよ。今の服装に何か問題でもあるのですか?」


「冗談だろ、お前。そんなバカでかい胸してるのに、タンクトップなんて格好は不適切だろ。何か見つけて、その二つを隠せよ。隊長の気が散るかもしれねーだろ。ジャケットを着ろって」


「アッハ、ナンセンス。私の服装は最低限ですが、機能的です。ですが、規則に反するのであれば、ジャケットを着ます」


正直なところ、目の前で起きている状況に、俺はどう反応すればいいのかさっぱり分からなかった。


M-SERTの隊員ハンドブックに、こんな混沌とした出会いに対処するための手順なんて載っていただろうか?


そもそも、これが本当に俺のチームなのか?


ここが本当に俺の分署なのか?


いったい、この人たちは何者なんだ?


そして、建物の中で何を撃ちまくっていたんだ?


どうやら、二人は今この瞬間に俺が来るとは思っていなかったらしい。


仕度をする時間を与えてやることにした。


俺は外で待つことにし、二人が分署の中を慌ただしく走り回る音を聞いていた。


片付けを急ぎながら、相変わらず何か言い争っている。


しかも、声を潜めようとする気はまったくないらしい。


中で何が起きているのか、ほとんど全部聞こえてくるほどだった。


待ち時間を潰すため、腕時計のない自分の手首をじっと見つめる。


うーん……やっぱり腕時計を買うべきかもしれない。


身につければ、今の服装ももっとまとまりが出るだろう。


それに、近いうちにあの赤毛の誰かさんとまた顔を合わせることがあれば、男らしさのポイントを少し稼げるかもしれない。


よし。


腕時計は絶対に買おう。


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