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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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月影の島1日目①

 特にやることも決まっていないので、まずはあの子に話しかけてみましょうか。草むらに隠れている男の子が驚かないように近づきます。…あ、こちらに気付きましたね。


「?!」

「こんにちは。どうかしましたか?」


 やはり初対面だからか警戒されてます。この子は地元の子でしょうか?


「…お前ら、何しにこの島に来たんだよ」

「えっと…お祭りに参加しに、でしょうか?」

「…祭り……できないよ」

「できない?詳しくお聞きしてもいいですか?」

「外の人には関係ないでしょ」


 そう言うと勢いよく草影の奥に走り去ってしまいました。詳細は不明ですが、祭りは今できない状況にあるみたいです。これを何とかするのが私たちプレイヤーの役目でしょうか?ひとまずは町に行ってみましょうか。祭りに関して何か情報が得られるかもしれませんし。


・・・

・・


 町中を歩いてみると、プレイヤーしか歩いていないように感じます。町の人たちの気配がありません。本来なら祝祭が行われているはずなのに、一体何が起こっているのでしょうか?


「困ったなー…このままだとお客さんが来なくなっちゃうよ」


 おや、町の方が何やら難しい顔をしています。声をかけてみましょうか。


「こんにちは。何かお困りごとですか?」

「おや、こんにちは。いやね、最近俺の店の周りにゴミかがまき散らされていてさ。見つけるたびに片付けるんだけど、気が付くとゴミが置かれていて切りがなくてね。本当、どうしようかと…」

「あの、私でよければお手伝いさせてください」

「そんな、見ず知らずの人に申し訳ないよ」

「困ったときはお互い様です」

「…それじゃあ、お願いしようか」


 イベントで初めてのクエストです、頑張りますよ!と思ったのですが、クエスト表記が出ませんね。これはクエスト扱いにはならないのでしょうか?


「俺はトロワ。道具屋の店主さ」

「ステラといいます。こっちはルノーとフォスです」

「よろしくな」

「それで、このゴミ?を誰が置いたかは分かりますか?」

「シャドウキャットだな。名前の通り影を操る魔獣だよ。あいつがこの前、店の前でゴミを置いているのを見かけたんだ。間違いない」


 早速有力な情報ゲットです。シャドウキャットは夜行性の魔獣だそうで、日中は森の中の自分の住処にいるのではないかとのこと。それでは一度森の中を探索しに行きましょうか。いざとなればこちらにはラクルがいますしね。


「昼間にシャドウキャットを探すのかい?見つけるのは至難の業だと思うよ」

「ちょっと探し物が得意な子がいるので、その子にお願いしてみます。ダメだったら次の方法を考えますよ」

「だったら魔物避け玉を持っていきな。いざという時に役に立つよ」

「ありがとうございます。…これはどう使うんですか?」

「魔物の顔にぶつけてその間に逃げるんだよ。要は撤退用のアイテムだな。森を歩くときは常に常備しといた方がいいぞ」


 そう言ってトロワさんは魔物避け玉を10個くださいました。流石に貰いすぎな気もしますが、これでも少ない方だそう。何だったらもっと持っていくかと聞かれたのでお断りしておきます。


「それでは森に行ってみる…前に、ちょっと寄り道です」

「ホー?」


 飴を売っているお店を見つけたので中に入ります。色とりどり、大小様々な飴が置いてありますね。さてどれにしましょうか。


「いらっしゃい」

「あ、お邪魔してます。あの、この瓶詰めの飴を1つください」

「ありがとうね。300Gよ。あとこれおまけね」


 代金を支払うと飴玉を3つ貰ってしまいました。店主のおばあさんにお礼を言い店を出ます。ルノーとフォスは食べられないみたいで恨みがましそうにこちらを見ています。つ、次は2匹が食べられそうなのを買いますから!


「と、とりあえず森に行きましょうか」

「…ホー」

「…シュ」


・・・

・・


「よし、ここなら大丈夫そうですね。召喚ーーラクル」

『ステラー』

「わっぷ」


 勢いよく顔面に張り付かれてしまいました。く、苦しいです。


「さてラクル。ちょっと探し物を探すのを手伝ってもらっていいですか?」

『イイヨー!』

「ありがとうございます。この森にいるシャドウキャットを探してほしいんです」


 ラクルは空中を2、3回飛び回るとコッチ!っと進み始めました。やっぱり頼りになりますね。空飛ぶ妖精さんの後をひたすら追いかけます。

 しばらくするとスピードが落ち始めました。そして小さな指で指し示すのは大きな木のうろ。あそこがシャドウキャットの住処なのでしょうか?近付いてみても中は暗くてよく分かりません。


『ヨンデクル?』

「大丈夫ですか?攻撃されたりしませんか?」

『ダイジョウブ!』


 自信満々に言うので、ラクルを信じて送り出します。し、心配ですね。私も小さければ中に入っていけるのですが…。

 じっと待っているとラクルが元気よく飛び出してきました。そしてその後から黒い毛並みの猫らしき子が顔を出します。この子がシャドウキャットでしょうか。可愛いですね。見た目は大型犬くらいの大きさの猫です。


次の更新は5月15日です。ちょっと体調が悪いので投稿を1回お休みします。

今回はごんぎつねを思い浮かべながら書きました。

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― 新着の感想 ―
一気読みしてしまいました ゆっくりでも構いません 気負いすぎずに世界を紡ぎ続けてください
飴玉はシャドウキャットと会話?をスムーズに行う為のアイテムじゃない?
飴玉をお土産かな?
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