イベント開始
ログインしました。今日はオートマティック・オンライン初めての大型イベントの日。街中がお祭り仕様に装飾されており、どこかいつもと違った賑わいを見せております。
「イベント開始までもう少し時間がありますね。街を少し歩いてみますか?」
「ホー!」
「シュシュー」
「ふふっ、なら行ってみましょうか!」
イベントが開催されるのは月影の島という場所で、期間は1週間。その間にアンの街のお祭りが終わってしまう可能性もありますからね。今のうちに楽しみましょうか。
・・・・・
街はどこも人で溢れています。お祭りだからなのか、初めて見る屋台がたくさん並んでいました。先が丸い矢を使い弓で景品を取る射的に輪投げ、子どもたちが自由に絵を描くスペースもありますね。
「ステラじゃないの!」
「おや、パロマさん」
偶然パロマさんとお会いしました。人がたくさんいる中でも目立つ白鳥の被り物。分かりやすくてとてもいいと思います。
「会えて嬉しいわ。ステラったらちっとも図書館にこないんだから」
「すみません。少し忙しくて…」
「分かってるわよ。ちょっと意地悪なこと言ったわ。ごめんなさいね。そうそう、オリーブもそこにいるのよ」
指し示された方向を見ると、楽しそうに子どもたちと踊っているオリーブくんがいました。手をつないでクルクル回っているだけですが大きな笑い声が響き渡っています。
「ふふっ、楽しそうですね」
「ステラはお祭りの間何をして過ごすのかしら?」
「実は月影の島というところに行くんです」
「!月影の島…そう、7つの灯火を見に行くのね」
「7つの灯火?」
ミリアさんから灯火を集めて月の女神をお迎えすると聞きましたが、そんな具体的な数字だったでしょうか?私の反応にパロマさんが不思議そうな顔をします。
「ステラったら、何をしに月影の島に行くつもりだったの?」
「す、すみません」
「まぁいいわ、教えてあげる。月影の島は月の女神が降臨されたという伝説が伝わっているの。そのときに7つの灯火が光り輝き、女神の目印になったと言われているわ。それに肖って祭りのときには7つの灯火を奉納し、月の女神を迎えるのよ」
なるほど、イベントでも灯火を集めたりするのでしょうか?月影の島とお祭りに関する詳しい情報が得られたのは僥倖でしたね。
「分かったかしら?」
「はい。教えてくださりありがとうございました」
「いいのよ。弟子に教えるのも師匠の役目だもの。…そうそう、月の女神は星魔法と関係が深い方よ。ステラも祭りの間は夜の空をよく観察することね」
「夜の空を、ですか」
「月の満ち欠けとか星の位置とか。夜そのものを観察するのもいいかも」
なるほど。夜の空を観察する、ですね。心のノートにメモしておきましょう。
「…あ、オリーブが呼んでるからもう行くわね。それじゃあ、ステラも祭りを楽しみなさい」
「はい。ありがとうございました」
パロマさんがオリーブくんの方に向かうのを見送り、私も人混みの中を歩きだします。色々な情報を得ることができ、ますますイベントが楽しみになりましたね。…それとあの白鳥の被り物はどこで売ってるのでしょうか?それとも自分で作ったとか?ちょっと気になりますね。
「…もうすぐイベントが始まりまそうです」
「ホー」
「結局アンの街を見て回ることはできませんでしたね」
「シュシュ…」
ちょっとそれだけが心残りですが、いよいよイベントが始まるのかというワクワクも大きいです。往来の邪魔にならない場所に移動し、時間がくるのを待ちます。
『イベント月影の灯火を開始します。フィールドが変わるのでご注意ください』
あっという間もなく、見知らぬ場所に立っていました。ここが月影の島でしょうか?すぐ傍には町らしきものも見えます。あ、ルノーとフォスは…2匹ともいますね。頭を撫でておきます。
『ご参加いただきありがとうございます。イベントの間、皆様の行動に応じてポイントが付与されます。ポイントは様々な用途に使用することが可能です。どうか皆様が最高の結末を迎えられることを心よりお祈り申し上げます」
運営からのメールはどことなく意味深な内容でした。あと情報が少ないです。周囲にいる他のプレイヤーも次の行動を悩んでいるみたいですね。
「私たちはどうしましょうか?」
「ホー?」
「…シュシュ」
「ん?」
フォスがある一点を見つめています。その方向をよくよく見てみるとそこには、子ども?私の腰までありそうな草むらの中からこちらを覗きこんでいました。どことなく難しそうな顔をしているようにも感じます。
次の更新は5月11日です。今回の話は短めでした。書きたい内容は決まっているのに、文章にするのが難しい…。
あとパロマとの会話はすぐ終わるはずでした。それが白鳥の被り物が好きすぎて、ちょっと多めに書いてしまいました。




