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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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感動の再会


「ウィーロ、無事だったんじゃな!怪我はないか?」

「キャン!」


 冒険者ギルドで感動の再会です。エルドさんが優しくウィーロを撫でてあげています。ウィーロも尻尾をブンブン振っていて嬉しそうです。


「見つかってよかったわい。…ん?その花はなんじゃ?」

「!キャンキャン!」

「儂にくれるのか?」

「ウィーロはエルドさんに花を渡したくて、南の森の花畑に行ったみたいですよ」

「そうだったのか…」


 エルドさんは丁寧な手つきで花たちを受け取りました。その目は微かに潤んでいるような気がします。


「この花は亡くなった儂の奥さんが大好きだった花でのう。毎年あいつの誕生日に花畑に摘みに行って家に飾っておったんじゃ。だが足が悪くなってからは森を歩くのも難しくなって…。それをウィーロ、お前は摘みにいってくれたじゃな。もうすぐ、あいつの誕生日だから」

「キューン」

「ありがとうな。…だがもう1匹でいなくなるのは止めてくれ。お前がいなくなったことに気付いたときは心臓が止まりそうだったわい」

「キャン」


 なんか、思わず私が泣きそうになりました。こういった感動系に弱いんですよね…。


「お前さんも儂の相棒を探してくれてありがとうな。これ、お礼のヤギミルクのチーズじゃ」

「わぁ、おいしそうですね!」

「そうじゃろそうじゃろ。酒のつまみにもなるしのう。まぁ好きに食べろ」


 クエスト完了ですね。エルドさんとウィーロがギルドを立ち去るのを見届けて休憩スペースに座ります。


「ルノーとフォス、早速チーズを食べてみませんか?」

「ホー!」

「シュ!」


 2匹とも先ほどからチーズに視線が釘付けでしたもんね。…そう言えばフクロウと蛇ってチーズ食べられるのでしょうか?…まぁゲームですから大丈夫でしょう。食べやすい大きさにちぎり、それぞれの口元に運びます。そして私も1口。


「ん!おいしい~!」

「ホー!」

「シュシュ!」


 確かにこれはお酒が欲しくなる美味しさですね。とても濃厚な味わいです。ルノーとフォスがもっと欲しいとねだるので、望むままにあげてしまいました。…これ、チーズでお腹いっぱいになるんじゃないですか?ラルクの分は残しておきましょうね。


「…ホホー」

「…シュー」

「ふふっ、満足そうですね。お腹が膨らんでいますよ」


 この様子だと食べ物探しは延期になりそうですね。さて、予定はキャンセルになってしまいました。せっかくですから冒険者ギルドのクエストも見ていきましょうか。


「ーーあ、ステラさん!」

「おや、ミリアさん」


 受付カウンター奥から呼ばれました。手招きされたので近寄ると、今お時間ありますか?と申し訳なさそうに問いかけられます。


「はい。大丈夫ですよ」

「よかった~。実は古代語で書かれたギルド資料が見つかったんです。ですが当ギルドには古代語を習得している者が誰もいなくて…」

「私も古代語は読めませんよ」

「…ちなみにこちらの内容を理解することはできますか?」


 そう言って差し出されたのは1冊の本。題名は『馬鹿でも分かる古代語』。早速数ページ読んでみます。

 ん~時間はかかりますが、なんとか理解することはできますね。例えば『ルラル・リス・ルロシル・リシ』は日本語では砕く、水、守護者、石と訳せます。これを文章にすると『守護者が水の魔法、または魔力で石を砕く』という意味になるようです。


「少し癖はありますが、分かりそうです」

「本当ですか!それでしたら古代語のギルド資料を解読して欲しいです!」

「誤訳があるかもしれませんが…」

「古代語は意味を正しく理解して発音すれば、文章が光ると言われています。試しにこちらの古代語を読んでみてください」


 ミリアさんが1冊の本?らしきものを手渡してきました。それを手に取り最初のページの1文を解読してみます。『カク・リルコ・ルル・リシシ』ーーこれは書く、ギルド、今日、日誌。つまり『今日からギルド日誌を書く』ですかね?


「…『カク・リルコ・ルル・リシシ』」

「光りました!ステラさん、すごいです!」


 本当に文章が光りました。古代語ってすごいですね。何はともあれ、これで安心して解読のクエストを受けることができます。


ギルド資料の解読ー古代語で書かれたギルド資料を正しく翻訳する

報酬ー30,000G


「報酬はこんなに高くていいんですか?」

「はい。古代語の解読ができる方は貴重ですからね。正当な報酬です。そしてステラさんが手にしている物とこちらがギルド資料になります」


 ミリアさんから追加で3冊渡されました。意外と量がありますね…。


「ステラさんは記録のスキルを持っていらっしゃいましたよね?なければ手書きになってしまうんですが…」

「はい、持ってます」

「よかった、それでしたらこちらの紙に翻訳した文章の記録をお願いします。資料と翻訳した紙の両方を提出してくださったら、クエストは完了となります」

「分かりました」


 翻訳の作業は以前クラージュさんとお話しした個室ですることになりました。ミリアさんに白紙の紙束を持ってもらい、2人で移動します。

 

「それではこちらの部屋をお借りしますね」

「どうぞ、存分に使ってください!急ぎのものではないので、途中休憩されながら作業なさってくださいね」

「お気遣いいただきありがとうございます。頑張ります」


次の更新は5月7日になります。


『疑問と見送り』にて誤字が見つかったので修正しました。感想ありがとうございました。

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スキル古代語 のレベル上がるかな?
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