老人の相棒
ログインしました。ではでは、ルノーとフォスのご褒美を探しに行きましょう。
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「さて、どんなのが食べたいですか?」
「ホホー」
「シュー」
「もし良さそうなのがなければレストランに行きましょうか」
街中を歩いていきます。あちらこちらで良い匂いがしていますが、2匹が食べたいものはなさそうです。たまに食べますか、と尋ねても首を振っています。ん~もう少し探してみましょうか…。
「ーー困ったな…」
「ん?」
道の端でオーバーオールを着たおじいさんが何やらお困りのようです。周囲の人たちもその様子に気付いているようですが、誰も声をかけようとしません。
「ルノー、フォス。ちょっと寄り道してもいいですか?」
「ホッ!」
「シュ」
「ありがとうございます。ーー突然すみません。私にお手伝いできることはできますか?」
おじいさんは私を見ると、少しほっとしたような顔をしました。そして早口でしゃべりはじめます。
「実は儂の相棒がいなくなってしまったんじゃ!朝から姿が見えなくて探しているだが、足が悪くて歩き回ることができなくてのう…。会ったばかりのお主に頼むのも申し訳ないが、相棒を探し出してくれんかの?」
相棒を探すーいなくなってしまった相棒を探し出し、老人の元に連れていく
報酬ーヤギミルクのチーズ
「分かりました。相棒さんの特徴はありますか?」
「儂の相棒はウィンドフォックスのウィーロ。小型で緑の毛が風に揺れると淡く光るのが特徴じゃ。臆病で、強い音や光に驚いて逃げる習性がある。あと青い首輪をしておった」
「なるほど。ウィーロが行きそうな場所とかってありますか?お気に入りの場所とか」
「森が好きで、よく一緒に出掛けておった。ウィーロは花畑に寝転がるのが大好きじゃった。…足が悪くなってからはあまり行けてないがの」
「どの森によく行っていましたか?」
「南の森じゃ」
なるほど…。重点的に探す場所は街中と南の森ですね。おじいさんーーエルドさんに全力で探しますと伝えると、南の森に向かいながら街中を探していきます。もし見つけたら冒険者ギルドに連れて行くと約束しました。
「ルノーとフォスも協力お願いしますね。一刻も早くウィーロを探し出してエルドさんを安心させてあげましょう」
「ホッ!」
「シュシュ」
まずはどこから探しましょうか?1人と2匹で探さなくてはならないので、なるべく無駄な時間を作りたくありません。とりあえずウィーロは臆病とのことでしたから、人混みの多い賑やかな場所は除外しましょうか。あと行ったことのない場所にも行かないでしょう。自分がよく知っていて、尚且つ安心できる場所にいくはずです。
「…南の森しかありませんね」
まずはそこから探しましょうか。森の中であれば手掛かりも見つけやすそうですし。花畑も見に行った方が良さそうですね。
「ルノー、フォス。森に行きますよ」
「ホホ!」
「…シュー」
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南の森に到着です。まずは歩きながらウィーロの痕跡と、エルドさんがよく行っていたという花畑を探しましょう。
「ーー早速足跡らしきもの発見です」
小型のモンスターらしき足跡が複数ありました。傍には緑の毛も落ちています。…足跡は見つかりましたが、これではどちらに行ったのかが分かりませんね。
「そうだ。召喚ーーラクル」
妖精の結びを使い、ラクルを召喚します。
『ステラ!』
「こんにちは、ラクル。突然ですがウィンドフォックスのウィーロを探しているんです。どこに行ったのか分かりますか?」
『ワカルヨ!コッチ!』
ラクルは妖精眼というスキルを持っています。どんな能力なのか把握していませんが、それを使えばウィーロの行方も分かるのではないかと考えたわけです。
ラクルはどんどん森の奥に飛んでいきます。私も必死にその後を追いかけていると、ふいに開けた場所に着きました。目の前に広がるのは、色とりどりの花が咲いている大きな花畑。そしてその中央に淡い緑色の毛並みを持つ狐の姿が。
「ラクル、ウィーロの元に行ってエルドさんが探していると伝えてくれませんか?私が話しかけると怯えてしまうでしょうから」
『ワカッタ!』
ラクルが狐の元に飛んでいくのを見守ります。どうか怖がらずに話を聞いてくれればいいのですが…。しばらくすると、ラクルが帰ってきました。それと同時に足元の花が揺れ、その中から緑の狐が顔を出します。
「キューン…」
「ウィーロ、ですね?」
「キャン…」
「エルドさんがとても心配していましたよ。一緒に帰りませんか?」
「キューン…」
これは…どういった反応なのでしょうか?私のテイムモンスターではないので、意思を正確に理解することができません…。
「ホッ」
「…?ルノー」
ルノーから感覚共有がきました。拙い言葉ですがなんとか状況を把握していきます。ーーどうやらウィーロはエルドさんのために花を持って帰りたかったみたいですね。それで1匹で南の森まで来たらしいです。
「そうだったんですね。どの花を渡すのか決めたんですか?」
「キャン!」
元気に鳴くと花畑の中に潜っていきます。次に頭を出したのは、綺麗な青い花が咲いている場所。ウィーロは風魔法を器用に使って花を摘んでいます。10輪くらい摘んだでしょうか?それを魔法で持ち上げると私の元まで来ました。
「エルドさんのところに帰りますか?」
「キャン!」
「それでは行きましょうか。ラクル、ありがとうございました」
『ワ~ステラ!』
「ふふっ、今度は美味しい食べ物を用意しておきますからね」
ラクルが笑顔で還っていくのを見送り、ウィーロと街に向かいます。まだ少し私に緊張しているようですが、喜んでくれるといいですね、と声をかけると尻尾を振っていました。ですが次からはエルドさんに声をかけてから出かけましょうね。
次の更新は5月5日です。GW中も更新は続ける予定です。
アランさんに反転薬を見せるのはいつか書きたいですね。感想、リアクション、誤字報告、本当にありがとうございます。




