未知の魔法生物
ラクルが見つけた古い本のタイトルはーーおそらく『未知なる魔法生物』でしょうか?ところどころ文字がかすれてますが、間違いないはずです。
「これは…微かに魔力が感じ取れますね」
『マリョクー?』
「ホホー?」
本当にチラッとだけですけどね。あ、以前フルールさんに素手で触るのは危険だと助言をいただきましたが…もうガッツリ触ってしまいました。申し訳ありません、フルールさん。ですが今回は攻撃魔法を帯びてなかったみたいなので運が良かったです。
「…さて、どうしましょう?」
「ホー!」
「シュー」
『ヨモー!』
「…そうですね。読んじゃいましょうか!」
壁の中に埋まっていたらしい謎の本。読んでみたくないはずがありませんとも。ルノーたちも読むのに賛成のようですし、いざ読書の時間です!
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「ーーはぁ、読みごたえがありましたね」
内容がとても興味深かったので一気に読んでしまいました。本の中に登場した魔法生物は、どれも聞いたことがない生き物ばかりでした。私もフェンリルやリヴァイアサンといった有名どころは把握していましたが、知識不足でしたね…。それともこのゲームオリジナルのモンスター、もとい魔法生物なのでしょうか?
「特にユルグに関する記述が少し気になりますね」
ユルグーー予言の力を持つとても賢い孤独な狐。混沌の象徴ともされているが詳しいことはまだ何も分かっておらず、すべてが謎に包まれている存在。この本では、今も虚しく世界を彷徨っているだろうと締めくくられています。
ユルグの何が気にかかったのかと言うとこの魔法生物に関するページだけ、やけに魔力が込められているのです。他のページは微かに感じる程度だった魔力が、ユルグの部分だけはっきりと感知することができます。一体どうしてなのでしょうか?
「ん~…」
『ステラ、ダイジョウブ?』
「ホ~?」
「あ、大丈夫ですよ。ご心配させてしまいましたね」
悩んでも分からないことは何しても分かりませんし、考えるのはまた後でにしましょうか。…なんか後でやることがどんどん増えていっていますね。忘れないようにしなければ。
「あとでビビさんにも聞いてみましょうか。何か知っているかもしれませんし」
「シュシュ」
「ふふっ、フォスはリラックスモードですか?」
「シュー」
「ホーホッホ!」
『ワ~!』
ルノーとラクルは元気いっぱいですね。対比がすごいです。まぁそれぞれ個性があって大変よろしいと思いますよ。
「私も本を読み切らないと…速読スキルさんの力を借りても、まだこんなに読み切れていない本が…」
これは今日中には終わらせられるでしょうか?まだ部屋の半分くらい残っています。…たとえ今日中に読み切れなかったとしても、それこそ何日かかろうとも読み切ってみせましょう。やりますよーおー!
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…はい、そこから何日も教会の図書室に籠っていた馬鹿が私です。図書室、隠し部屋の本を全て読み終わることはできましたが…外には出るべきでしたね。ルノーたちが退屈しきってしまいました。…本当、申し訳ありません。だからそんな恨めしそうな目で見ないでください。ラクルは妖精の国とやらに行ったり遊びに帰ってきたりしていたので、そんなに不満はないみたいですね。
「おいしい串焼き買ってあげますから~!」
「…ホー」
「…シューシュ」
「!許してくれるのですか?」
「ホホ!」
「…シュー」
「ありがとうございます~!ルノー、フォス!」
2匹にギューっと抱きつきます。次からはこんなことがないように気を付けますね!ラクルもクルクルと上空を飛んだあと、私たちに抱きついてきました。というより私の顔に抱きついてきました。
「ふふっ、くすぐったいですよ」
『ワ~!ステラ』
「はーい。…さて、そろそろ帰りましょうか。ビビさんに挨拶したら、冒険者ギルドに行ってクエストの報告をしないと」
あ、そうだ壁に埋まってた本に関して聞きたいこともあるんでした。すっかり忘れていましたね。隠し部屋に行き、ビビさんに祈ります。本を全て読み切ったので、ここを離れようと思います。色々とお世話になりました。ついでと言っては何ですが、この教会の壁に埋まっていた本について何かご存知ないでしょうか?
「あらあら、壁に本が埋まっていたの?」
「わっ…びっくりしました。はい、ラクルが見つけたんです」
「記録の妖精だものね。隠されたものを見つけるのはお手の物よ」
ちょっと本を見せてくれるかしら、と言われたので古びた本をビビさんに差し出します。それを受け取ると隅から隅まで観察し始めました。私たちは黙ってその光景を見守ります。ーー数分後、本は返却されました。
「この本、いつ書かれたのか分からないけれど…。かなり詳しいことが書かれているわね」
「その本について気になることが。ユルグについて書かれている部分だけ、やけに魔力が込められていて…」
「あらあら…まぁ気になるわよね。でも今教えられるのはユルグは孤独だけど寂しくはなかった、くらいかしら」
「え…?」
「ふふっ、大丈夫。いつか分かるときがくるわ。この本の謎もね」
知恵の精霊である彼女は、ただ穏やかに笑っていました。
次の更新は4月13日です。
ステラのステータス数値、よく分からなくなりました…。あと次の内容が個人アナウンス三昧なので、一度放り投げました。




