8話
メリア、ミルリック、モリアの三人は〈道具屋〉に伝えられた〈義侠衆〉の拠点に来ていた。
三人の目の前にあるのは、至って普通の、強いて言うなら少し小さめの建物である。
落ちぶれたとは言え、元々は大きな組織だった〈義侠衆〉の拠点というには、違和感があった。
というのも、建物の中には地下に繋がる道があり、その地下こそが正しく〈義侠衆〉の拠点と言える場所らしい。
故に、建物自体にはそこまで意味は無い。
「とはいえ、中には入れば流石に何人か警備がいるだろうね。」
「だろうな。入った瞬間戦闘になりそうだが………。
メリア。」
「ハイ。お任せくださいマスター。」
メリアの迷いない言葉に小さく頷くミルリック。
メリアの性能が気になるモリアも期待に満ちた頷きをする。
ある程度の意識の共有が済んだところで、全員の視線が建物の扉に向けられる。
「さて、と。」
モリアが純粋な好奇心を抱いて。
メリアはあくまで無機質なまま。
ミルリックは少し楽しげな顔で。
各々が各々の高まり、或いは静けさと共に。
「───行くか。」
ミルリックの合図と共に、巨大な剣が扉を貫き、その勢いを弱めること無く建物を一直線に突き進む。
メリアがauで作りだしたものだ。
中にいた警備が巻き込まれたのだろう。数秒と経たず建物の内部は赤く染まっていた。
「おお〜。流石は人工知能。早え早え。」
ミルリックが玄関の残骸に足を踏み入れながらそういった。
足元には血と共に肉塊が広がっており、歩く度にピチャピチャと足音を鳴らし、近くにあった肉塊を蹴れば、壁にぶつかりベチャッと音を立てて潰れた。
モリアが周囲を確認しながら中に入る。
「ふむ。警備は今のであらかた死んだかな。さて、と。〈道具屋〉がいうには確か……。」
モリアが更に奥に進み、地下への入り口を探す。
やがて一つの部屋の前に止まると、その中に入り、一つの棚を見つける。
「うん。多分これだね。」
「これを退かすんだっけか?」
モリアの後に続き、部屋に入ったミルリックが確認を取った。
「それで合ってるよ、よろしくね。」
「りょうか〜い。」
ミルリックが足を大きく振りかぶり、棚を蹴飛ばす。
破片を撒き散らしながら棚が吹き飛ばされると、元々棚があった場所に地下に続く通路があった。
「〈道具屋〉の言った通りだったな。」
「こっからが本番だね。気を引き締めていこうか!」
「了解。」




