5話
「話は変わるんだけどさ。メリア。君を作ったのはロルメン・ミーンであってるかい?」
「ロルメ……なんだ?」
「ロルメン・ミーン。世界最高の頭脳を持ってる男さ。auも人工知能もその人が開発したんだ。」
「へぇ〜。凄いんだな。」
口では凄いと言いつつもあまり理解していないのか、それとも興味が無いのか、ミルリックは適当げだ。
「それで、どうなのかな?」
モリアがそう聞くと、メリアが少し考える素振りを見せたあと、首を振った。
「すいません。データがありません」
「……?データが無い?自分の創造主のデータが?」
「というより、自分が誰に生み出されたれたのか、何をしていたのかもわかりません。人間風に言うなら…………記憶喪失でしょうか。」
「……ふむ。メリア、君のデータを解析したい。良いよね?」
メリアがミルリックに視線を向ける。
その意味を察したミルリックが、両の掌を上に向けた。
知らん、お前で決めろ、ということらしい。
「ワタシは構いません。」
「それは良かった。ミルリック、しばらく時間かかるだろうから、しばらく待って──」
モリアの声を遮るように、電話の着信音が鳴った。
音はモリア、ミルリックのポケットから鳴っている。
「はぁ。タイミングが悪いな。」
モリアが電話に出る。
『お久っしぶりでございます!当店、〈道具屋〉でごさいます!近くにミルリック様はいらっしゃいますか?』
陽気な声だった。敬語を使ってはいるが、相手への敬意を示すためというよりは、距離感を保つために使っているような印象を受ける。
「居るよ。スピーカーにしておく。」
モリアが電話をテーブルの上に置く。
『ありがとうございます。実は今回ですね〜。御二方にぜひ!ご依頼したいことがございまして!』
「言ってみて。」
『〈義侠衆〉の殲滅でごさいます!どうぞ、あの前時代の遺物共を一人残らずぶっ殺しちゃってください!』




