3話
「マスター。任務、完了いたしました。」
メリアが平然とそう告げる中、ミルリックの心は驚愕に染まっていた。
(こいつ……今何種類の物体を生成した?しかも生成スピードも異次元に速かったよな。…………人工知能ってのも笑えなくなってきたぞ…………)
ミルリックとしては人工知能どこらか、ルルベに勝てるかどうかすら怪しんでいたのだ。
それがすんなり勝つどころか本当に人工知能の可能性が出てきたのだ。
驚くのも無理はないというものだった。
「マスター。このあとは何をすればよろしいでしょうか?」
「うん?ああ、えっとなぁ……」
(正味俺だけじゃこいつが本当に人工知能なのかどうかもわからんしなぁ。敵ってわけじゃなさそうだし、ラミムに会わせてみたほうがいいか。あいつそこらへん詳しいし。)
素早くこのあとの行動を決めたあと、メリアに「とりあえずついてこい。」とだけ伝え移動を開始する。
いくつかの裏路地や、わかりにくい道を通り目的地に着く頃には、時刻は既に夜になっていた。
「着いたぞ〜。」
ミルリックが建物の前で立ち止まる。
多少のヒビは入っているが、スラム街の中では比較的建物の形を保っていた。
とはいってももしここがスラム街でなければ近所の子供からお化け屋敷と揶揄される程度にはボロボロなのだか。
「ただいま〜〜。」
「お邪魔いたします。」
ミルリックが玄関を開け、自らの帰還を知らせ、メリアもそれに倣う。
その声を聞いたのか建物の奥から青髪の美女が現れた。
長い青髪は腰まで伸びており、少しボサついていた。
パジャマの上に白衣という良く言えば奇抜な、率直にいうなら絶望的な服装だったが、瞳に宿る知性も相まってなんとか理知的な雰囲気を醸し出していた。
「おかえり、ミルリック。………?そこの美人なお姉さんはどなたかな?」
現れた青髪の美女はミルリックに対し穏やかに声をかける。その後ミルリックのすぐ後ろに立つメリアを見たあと、何者かを尋ねる。
客人が珍しいのか、将又彼女自身の性格からかまじまじとメリアを見て、いや観察していた。
「はじめまして。ワタシは人型汎用人口知能3号機メリアと申します。」
「人口知能……?ハハッ、中々に面白い冗談を言うんだね。そういうブラックジョークは大好きさ。私の名前はラミム。この街で研究者兼発明家をやっている。よろしくたのむよ。」
「ジョークじゃなさそうなんだよ。ラミム。」
「………………ふむ。」
ミルリックがそう告げると、ラミムは認識を改めたのか、少しの沈黙とともに思考を纏める。
「まあ、玄関で話すのもね、一先ず中に入っておくれよ。」
次回色々設定の説明が入る予定です。




