2話
「見つけたぞ!ミルリック!」
若い男の声だった。敵意に満ちた声だったが、憎悪や怒りを感じさせる声では無かった。
信念を感じさせる声だった。
「ミルリックとはマスターのことですか?」
「うん?ああ、そうだな。」
「それではあの方はご友人でしょうか?」
「んん〜〜?」
ミルリックは声を発する男を見た。
声から感じさせるように、やはり若い男だった。
黒髪の青年でこれまたやはり、強い信念を感じさせる瞳だった。黒い手袋と青い羽織を羽織っており、背中側には家紋のような装飾が施されていた。
「いや、知らん。そもそも敵意バリバリっぽいし、まあ、友人じゃあねえだろ。誰だよ、お前?」
「僕は『義侠衆』のルルベ!お前の首、貰っていく!」
「義侠衆ゥゥゥ?スラム街で警察ごっこやってる馬鹿の集まりだろ?俺最近お前らに狙われるようなことやったか?」
「正義も仁義も関係ない。僕は僕達のためにお前を殺す。」
「あっそ。」
ルルベの手袋が青い光を発する。周囲の瓦礫や、建物が粒子に変化し、光に誘われるように集まった。
集まった粒子が形をなし、数秒ほどかけて巨大な槍に変化する。
「僕達のために、死ねええええええ!」
ルルベの強い殺意に呼応するように、槍はミルリックへ飛んでいく。
「それは、だめです。」
メリアの体に青い光の線が浮かび上がる。
「分解」
槍がミルリックの数メートル手前でバラバラに分解され、粒子に戻った。
「チッ!」
短い舌打ちと共にすばやく2本目の槍を生成するルルベ。
先程と同じように槍がミルリックへと飛んでいくも、メリアが壁を生成し、それを防ぐ。
壁でドーム状の安全地帯を作ったあと、メリアは自らのマスターに確認をとる。
「マスター。アレは殺してよろしいのでしょうか?」
「ああ、別にいいぞ。」
「かしこまりした。」
メリアは壁を、その向こうにいるルルベを見つめる。
(槍の生成には数秒の時間がありました。狙うとしたらそこですね。)
壁が凹み、槍が着弾したのを確認すると、すぐに壁を分解し、鎖を生成する。
鎖を周囲の建物に絡ませ、それを伝ってすばやくルルベに近づいた。
「邪魔を!するな!!」
ルルベの槍がメリアに向かって放たれる。
しかしメリアが巨大な剣を生成し、槍を両断。
槍が粒子となって霧散する。
新たに槍を生成される前にメリアがルルベに、接近し、生成した鎖で縛ると、地面にねじ伏せた。
メリアが槌を生成し、大きく振り被る。
「やめ──」
「さようなら。」
ルルベの静止も虚しく、槌はルルベの頭に振り下ろされた。
ブベチュという脳が潰れる音が静かに響く。
地面に血と頭の破片が飛び散り、スラム街の背景の一部となった。
「マスター。任務、完了いたしました。」
急に粒子とか出してごめんなさい。ここらへんの設定は後々説明するので、許してほしいです。




