取り敢えず大変な事に気付きました
フレデリックに公爵家の後ろ盾になると言われ考える。
実質マクシミリアンではなくフレデリックがこの帝国を取り仕切っているのは間違いないのだ。その人物からの庇護があれば公爵家が取り潰しとはならないかもしれない。
その可能性が少しでもあるのであればマグリットが拒否する選択肢はない。
『わかりましたわ。
カンバーラント公爵家を盾に取られれば、私にはどうしようも出来ません。
フレデリック・テンペスト=スタッフォード殿下に私、マグリット・イングラム=カンバーラントは心からの忠誠を。』
お互い目の前に居ればフレデリック殿下にマグリットが跪いていたであろう。
『感謝する。
しかし臣下としてではなく、帝国が滅びない道を探る協力者としてやっていきたいと思っている。』
『わかりました。
私に何が出来るかはわかりませんが、ご尽力する事を誓いましょう。』
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協力者とはなったが、お互い婚約者でも無いわけで頻繁に顔を合わせて話し合う事は出来ない。
そして誰にも二人が結託関係である事も知られない様にと、お互いが考えている。
マグリットとフレデリックが仲良さそうにしているのを見られた時点で、それさえも婚約破棄から処刑の流れに持って行くと思われるからだ。
なので極力今までの様に適度な距離を保ち、知らぬ存ぜぬで過ごす事となる。
その為お互いの連絡手段は今まで通り念話である。
つまりはブレスレットはずっと付けっぱなしになる訳だが。
先程はお昼休みの時間を使っていた為、これからの事を話し合うには時間が足りなかった。
かと言って、しっかりと話し合う時間が取れる程フレデリック殿下は暇ではない。
しかしながらマグリットは何回もやり直してはいるが、この帝国が滅びない様にするには圧倒的に情報が足りない。
滅びるタイミングではかならずマグリットは居ないのだ。
誰かに聞こうにも誰も覚えてもいない。つまりは情報源はフレデリックしかない。
結局の所、一度はしっかりとフレデリックに時間を取ってもらわないといけないのだが・・・
皇太子殿下がしなければいけない公務に加え、フレデリック自身の公務もあるだろう。
その上帝国貴族を教育する教師までするのだ。
むしろ話し合い以前に、寝る時間さえ取れるのかと疑問に思う程だ。
魔道具作りに関しては仕事としてやっている訳ではないので急ぐ事もないだろうが、それでもフレデリックが作る魔道具で生活が便利になる事もあって、待ち遠しく思っている人が少なくないのも事実である。
(協力するとは言ったけれど・・・
死なない様にするにはあんなバカ皇太子殿下の婚約者であり続けなければいけない上に、婚約破棄をさせてはいけないって事・・・・・・!?)
婚約破棄してはいけないと言う事は、あれと結婚するって言う事であって・・・
『殿下!殿下!!
大変です!!!!』
いつもならフレデリックは目上の人物の為、マグリットから不躾に連絡は出来なかった。
しかし事態は急を要する。
『何だ!?どうした!?』
マグリットの慌てようからフレデリックも間髪入れずに返事をくれる。
『婚約破棄しては行けないと言う事は、あんなバカ皇太子殿下と結婚しないといけない、という事ですか?』
フレデリックから呆れた雰囲気が醸し出される。
むしろ雰囲気も何も目の前にいる教師としてのフレデリックから呆れた顔を向けられる。
そう、今まさにフレデリックが教鞭を振るう魔法学の授業中であった為である。
しかし流石は皇族。
そんな顔をも一瞬で元通りの完璧皇子の仮面を被る。
誰にも表情に対して違和感さえも感じさせない。その様子にマグリットは思わず心の中(流石です。)と拍手を贈る。
『そんな事今更気付いたのか?』
マグリットに念話を送りながらも、その口はちゃんと生徒達に魔法学の授業を教えている。
『皇太子殿下とは初めの初めっから婚約破棄するものだと思っておりましたので。』
『どうあってもマクシミリアンと結婚は無い訳だな。』
そう言いながらも、フレデリックはマグリットが皇太子殿下と結婚する気が無い事は気付いていた。
まぁ、わかっていた事だが。
でもフレデリックはそれを聞きたくは無かった。
出来ればこのまま2人が結婚するのが1番平和に終わるのがわかっているからだ。
結婚したくないという言葉を聞きたくないのもあり、連絡を長々としなかったと言うのもある。
正直、これからどうして行くかは考えが纏っていない。
そんな事をツラツラ考えながらもやはり授業は進んでいく。
そんな事が出来るフレデリックは本物の完璧皇子で天才なんだろう。
普通は全く違う事を頭の中で考えながら、口では魔法学を教えるなんて出来やしない。
右手で難しい数式を左手でこれも又難しい魔法解読をする様な物である。
『結婚なぁ・・・結婚。
なぁマグリット、貴族は政略結婚するもんだ。』
説得したい意思は感じる。が、無理なのもきっとわかっているのだろう。
声に覇気を感じないし、そもそもそんな分かりきった事を言った所で何も変わらない。
『で、あろうとも。
マクシミリアン皇太子殿下と結婚するくらいなら、何処ぞの後家に入る方がマシで御座います。』
『俺だけでは恐らく答えは出ないんだろう。
・・・・・・少し長くなるが大丈夫か?』
その言葉に念話では無く、フレデリックの顔を見て頷く。




