↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/126

〜過去編ニ回目断罪~

 




「マグリット公爵令嬢。今この時をもって俺はお前との婚約を破棄する!!」

 マグリットの婚約者であるマクシミリアン皇太子殿下が声高に告げる。



「理由をお伺いしても?」

 この断罪もニ度目。

 一度目の様に取り乱したりはしない。


「理由だと!?

 お前がここに居るジェシカ=ウェルズリー男爵令嬢を嫉妬から虐めている事はわかってるんだぞ!!」


 一度目と殆ど同じ事を言っている。


(これはまた処刑されるのかしら?)


 このバカ皇太子殿下と結婚なんて!!とも思うが、それでもただ親に決められただけの政略結婚。それなのに意味も無く婚約者に殺されるのは正直意味がわからない。


「虐める?

 ジェシカさん・・・と仰ったかしら?

 私、その方と初めてお会いしたのですが・・・」


 これは嘘であり本当でもある。


 一度目の時に出会ってはいるので、マグリットの中では初めてでは無い。

 一度目の時に虐めで断罪され、数年後には処刑される事を知っていたので、今回のニ度目では全くと言っていい程マクシミリアンと関わりを持たず、かつジェシカには出会うことさえ避けて来たのだ。


 それなのに虐めたと言われるのは心外である。


(何故嫉妬なんて言葉が出るのか不思議なくらい関わり合いも無かった筈ですのに、本当、この皇太子殿下の頭の中はどうなってるのでしょうか?)



「初めて!?

 そんな訳ある訳ないだろう!!

 俺がいつもジェシーといるのに会った事位あるだろ!!」


 怒鳴るしか出来ないのかと溜息が出そうになるのを、マグリットは飲み込む。



 しかもこんな卒業パーティーで人も大勢居るにも関わらず、ジェシカの事をジェシーと愛称呼びまでする始末。


 愛称呼びは家族や余程親しい友人、そして恋人や婚約者が呼ぶ事を許される物である。

 婚約者が居る身分で異性を愛称呼びするなんて有り得ない事を何故気付かないのか。


 実際愛称で呼んでしまったのをこの場にいる全ての人が聞いている。

 それに対し相手は皇太子殿下である為悪口は言えない。言えないが、マクシミリアンとジェシカを見る周りの目は中々に冷たい。

 しかしそれには全く気付かないニ人はマグリットを責め立てる事しか考えていないのがよくわかる。マグリットを責め立てながらもニヤニヤと嗤っている。


「会った事は御座いませんわ。

 私とウェルズリー男爵令嬢が一緒に居るのを誰も見た事が無いかと思いますが。」

 そうは伝えるが、きっと無駄なんだろうとマグリットは思う。


 一度目の時も証拠を提示された訳では無い。

 それでも拘束され牢屋に入れられ、挙げ句の果てには何の主張もさせてもらえないまま牢屋に放置後、数年後に処刑である。


「俺はある!!」


 まさかの此処で皇太子殿下自ら嘘の証言までするのかと呆れ返る。


「そうですか。」

 マグリットはそれだけ言うとドレスを翻し、ニ人に背を向けて外へ出て行こうと歩き出す。


「!!!!

 何処へ行く!?」

「どうせ皇太子殿下の中では私が何を言っても有罪なんでしょう?

 そして牢屋に入れられるのですよね?

 なら引き摺られて行く位なら、自ら歩いて行きますわ。」


 振り返りもせずそれだけ言うと、扉から出てそのまま一度目に入っていた牢屋へと向かう。



 ホールに居たマクシミリアンを含めた全ての人が呆然とした様子でマグリットを見送るしかなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。