↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/126

取り敢えずお昼ご飯です

 

 お昼休みの時間になり人の多い所は嫌だった為、手軽に買えるサンドイッチと飲み物を持ち無駄に広い敷地内をブラブラしながらどこで食べようかと見渡しながら歩く。


 気付けばなかなかに遠く離れた所まで歩いてきてしまった様で、後ろを振り向くと学園の建物が少し離れて見える。


 しかし歩いてきた甲斐があり、そこには小さいながらも過ごしやすそうな四阿が建っていた。



(あそこで食べましょ。)

 一人でのんびりといきたいところだが、実は一人ではない。


 全くと言っていい程マクシミリアンとは交流が無いとはいえ、マグリットは皇太子殿下の婚約者である。


 学園内で比較的安全とはいえ、実は見えない所に護衛が付いている。

 まぁ、マグリットはこの護衛を全くと言って良いほど信用していないが。


 学園内でのマグリットの行動全て見ているにも関わらず、やり直しの世界でイジメ等とやってもいない事をやったと責められている中、ひと言だって口を開こうとはしなかった。


 最初の頃は全く姿も見せない護衛に実はいないのではと疑った事もあるが、今はそうではないと知っている。 


 過去の世界で冒険者等になったことがある為、気配を読むのは手慣れた物である。

 そしてその護衛の実力さえも手にとる様にわかる。




(教師になって学園に来ると言う事は間違いなく、私はこれからここにずっと通わないといけないということが決定したと言うこと、よね?)

 四阿にある椅子に座り、サンドイッチを広げる。


(しかも担当教科があるって事は、流石にサボるのはダメかしら?)

 気持ちはダラダラと食べたいが、誰に見られても恥ずかしく無い様にと言われ続けていた教育のせいか、姿勢ひとつ崩す事無く食べ続ける。


(そもそも私が死ぬ原因になる、私の代わりの皇太子殿下の婚約者になるジェシカ=ウェルズリー男爵令嬢は学年が一つ下なのだから、入学は来年の話。)


 あれ?

 これ一年間は学園サボってもいいのでは?と思い直す。


(ウェルズリー男爵令嬢が来る前までに出来る事などあるのかしら?

 まさかフレデリック殿下は皇太子殿下との仲の改善等と仰るつもりでは無いでしょうね。)


 サンドイッチと飲み物はもう完食してるが急いで教室に戻る理由も無い為、四阿で景色を見てる風を装いながら考え事を続ける。



(こうして此処に居ても時間の無駄にしか感じないわね。

 いっその事フレデリック殿下の言葉を聞かなかった事にしてしまうのはマズイかしら?

 他の誰かが昨日の私達ニ人の会話を聞いている訳でも無いし。)


 それでも・・・・・・


 ゆっくりと瞼を閉じると、一筋の涙が流れる。


 泣きたい訳では無いのに。情緒不安定でマグリット自身にも止められない。


(この国が滅亡するなんて、証拠も何も無い。

 信じられません!と突っ撥ねる事もきっと出来る。)




 自分の為だけに動けたらそれはきっと、自由で幸せになれる事をマグリットは知っている。


 それでも、それでもと頭の中で全てを否定する。

 それは今までもずっと、そうだった。


 国民達の事を少しも考えずに居れたなら、マグリットはきっと何度も何度も死ぬ事はなかった。


(どうして全てを見捨てられないのでしょうか。)

 どうしてと思いながらも、答えはとうの昔に出ている。



 この国が好きかどうかはわからない。

 それでもこの国には自分を愛してくれる両親がいる。兄がいる。


 そして貴族としての矜持がある。

 貴族として、民を犠牲になど出来ないのだ。




 ポケットからハンカチを取り出し涙を拭く。


 机の上の食べ終わった物を片付け、立ち上がる。



 そして大きく大きく深呼吸する。


(よし!

 学園が退屈しないように何か考えましょう!!)


 そもそもグタグタ考えるのはマグリットの性に合わない。


 フレデリックからは殺して欲しいと言った事に対して返事は無いが、協力者としてやって行こうかと、やっと決心がついた。



 退屈を紛らわすには、学園に居ながら出来る事なんて限られている。

 どうしようかと考えながら教室がある方に向かう。



(学園に居ながらとなると、研究なら続けられるかしら。

 以前は魔法学者になったし・・・・・・・・・)


 フッと手首にあるブレスレットに触れてみる。

(違う分野として、魔道具の研究もアリかもしれないわね。

 このブレスレットも興味をそそられるし。

 フレデリック殿下なら暇な時に質問くらい受け付けてくれそう。

 むしろそれを条件に協力しようかしら。

 ーーーーーどうせフレデリック殿下は殺してはくれないだろうし。)



 魔法学者と魔道具研究は似て非なる物で、学者としてなかなかに成功していたが魔道具の方はからっきしてある。



 そうと決まれば魔道具はどうやって作るのか、等の初歩的な所から勉強する為学園内にある図書館へと向かう。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。