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ダンジョン配信者のカメラマンの成り上がり〜事故で実力がバレた俺は『影の最強』と言われてバズってるんだが?!〜  作者: 水葉わいん/わいん。


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第47話 決勝戦1





『ついにやって参りました、探索者バトルアリーナ決勝戦ですッ! では、選手達の入場ですッ!』


「――じゃあ……行こっか」


「そうだな」


 俺たちは、闘技場へ続く道を歩き始めた。


 トンネルのような長い通路を歩いた先には――


「おお……」


 何千人、何万人ものの観客がこちらを注目していた。


 流石は決勝――今までとは観客数がまるでが違う。


 すると、俺たちの反対側には3人の男女がいた。

『影の集団』だ。


 そのうちの1人――七海と目があった。


「っ……」


 彼女は、俺の目をじっと見つめると――ニコリと微笑する。


 まるで、来てくれたことを喜んでいるようだ。


『では! 選手が規定の位置につきましたのでフィールドルーレットを開始いたしますッ!』


 すると、実況の声と共に闘技場の真上に設置されたスクリーンにルーレットが表示される。


 そのルーレットは回り始めた。


 選択肢は12個。

 どれが来てもいいように、昨日のうちにシュミレーションはした。


 ルーレットは徐々に減速していき、その針が指したのは――


「なっ……?!」


『城』……それが、ルーレットが指したフィールドだった。


 それは別名『どんでん返しのフィールド』。


 ランダムに攻守が振り分けられ、片方は城の王座の間から……もう片方は城の入り口からスタートする。


 攻撃三倍の法則……という言葉がある通り、城において攻める方は圧倒的に不利だ。


 何せ、この城には落とし穴などの守るためのギミックがあるからだ。


 今までこの城というフィールドは何回ものどんでん返しを生み出してきた。


 時にはS級探索者が入っているパーティをA級探索者だけのパーティが撃破することもあったという。


『なんと、フィールドには城が選ばれたようです! さあ一体、どちらが攻め側になるのか……そして、どちらがこの戦いに勝利するのか! ……では、試合を開始しますッ!』


 次の瞬間、闘技場には立派な西洋風の城が生み出された。


 それはまるで……魔王城のようだ。


 ――カンカンカンッ!


 同時に、ゴングの音が試合の開始を告げた。


「うお……!?」


 すると、俺たちは淡い光に包まれていく。


 恐らく、これによって規定の位置に転移させるのだろう。


 俺たちを包んでいた光が晴れると――


「ッ……?!」


 俺たちは、巨大な城の目の前に立っていた。


 不幸にも……攻め側になってしまったようだ。


「まあ、なんとなく察しはついてたけどさ……」


 多分だけど……操作したんだろうな。


 俺はふと花火の方を見ると――彼女は笑っていた。


「ふふっ、いいじゃん! ……これくらいの方が燃えるじゃん」


「そうだな!」


 俺は一旦、辺りを見渡す。


 目の前には幅10m、底が見えないほどの水が張りめぐらされた深さの掘があった。


「〈転移門ゲート〉」


 俺は、向かい側と目の前の空間を魔法で繋げる。


 俺にとってはこの程度の堀、無いに等しかった。


「手慣れてるね、蓮君! ……もしかして、お城に侵入した経験あった?」


「あるわけないだろ……! ほら、とっとと行くぞ」


 俺たちは軽口を叩き合いながら、転移門を通って堀の向こうへ転移した。


 しかし、その時、俺は気づいてしまった。


「……あれ? 転移系の魔法を使えば簡単に城、攻略できるんじゃね?」


 というか、これで城のてっぺんまで転移すれば良くないか……?


 少し詠唱に時間はかかるが、長距離転移の魔法も俺は使えるのだ。


「花火……準備はいいか? ――あの城のバルコニーに転移するぞ」


「勿論ッ!」


 花火は、巨大なハンマーを右手で担ぐと、左手で俺の手を掴む。


 よっしゃ、それじゃあ――


「〈長距離転移(ロングワープ)〉ッ!」


 城の最上階――王座の間のバルコニーめがけて俺は両手を突き出すと、そう唱えた。


 すると、俺たちの体は淡い光に包まれていき――俺たちはバルコニーに転移した。


「たのもーッ!」


 俺たちは、そんな掛け声と共にバルコニーのガラスをぶち破って突撃する。


 中には1人の男――御影が王座に座っていた。


「――ははっ! まさか、本当にバルコニーに転移してくるなんてなァ! ……やっぱりお前ら、面白え奴らだなァ!」


 御影は、面白そうに高らかに笑う。


 そんな御影を見て、花火は眉をひそめた。


「へえ……! てっきり、私たちが転移した瞬間に奇襲してくるかと思ってた……この前みたいにね」


「はぁ? ……んなことするわけねえだろ! そんなん面白くねえじゃねえか!」


 御影は玉座の上でふんぞり返ると――


「そんじゃあ――鈴原、七海! 準備はいいな?」


「勿論よ!」


「当然……」


 すると、玉座の後ろから見覚えのある2人の少女が現れた。


 鈴原は大きな杖を、七海は巨大な鎌を構えて。


 どうやら、元からここで勝負を決めるつもりだったようだ。


「じゃあ……行くぜ?」


 彼は肩を回しながら立ち上がり、剣を抜いた。


 刹那、剣呑とした空気が場を支配する。


 そうして、数秒が経った時――


 赤い閃光が視界の端に映った。


 ――カキンッ!


 次の瞬間、甲高い金属音と共に花火と御影が現れた


 花火のハンマーと御影の剣がぶつかり合い、火花が散る。


「――速さで私に勝てるとでも……?!」


「チッ……全力で走ったのに対応されるとか、バケモンだろ、こいつ……!」


 彼らは目にも止まらぬ速さで戦い続ける。


 どうやら……御影は花火に任せるしかないようだ。


 俺は……残りの2人をどうにかしないとな。


 俺が剣を構えて、2人に向かおうとすると――


「へえ、もしかしてあんた1人で私たち2人の相手をしようってわけ?」


 強気そうな女――鈴原が笑みを浮かべながらこちらに杖を構えてきた。


「まあ、俺1人でも十分そうだからな」


 すると、今度は七海が眉をひそめる。


「……そう。……なら、本当にそうか確かめてみる――〈影縫い〉」


 彼女がそう唱えると同時に、一本のナイフが俺の足元に飛んできた。


 俺はそれを剣で弾き返す。


〈影縫い〉は相手の影にナイフを刺すことで動けなくする魔法だ。


 つまり――ナイフが影に刺さらないように警戒すれば問題ない。


「ふぅん……流石に対策はしているのね――なら、これはどう?」


 すると、鈴原は杖を構えて何かを詠唱し始めた。


「花火! 頼むッ!」


「――〈重力波(グラビティ・ショック)〉ッ!」


 俺の合図と同時に、通りすがりに花火が唱えた魔法が俺の背中に衝突。

 そして、体は吹き飛んでいく。


 行き先は当然――魔法を唱えようとしている鈴原の元だ。


「……させない」


 すると、俺の前に七海が立ちはだかった。


 ――ガキンッ!


 そんな金属音と共に俺の剣と七海の持つ鎌はぶつかり合った。


「強いっ……」


 しかしながら、とんでもない推進力と共に放たれた俺の一撃だ。


 正面から受け止めた七海は苦悶の表情を浮かべる。


 俺がこの隙にもう一撃、食らわせようと剣を振り上げた時――


「――〈雷華ライトニング・ブルーム〉」


 刹那、七海の目の前に黄色い蕾が生まれた。

 例えや比喩ではなく、本当に、大人1人分くらいの大きさの蕾が生まれたのだ。


 くそっ……鈴原の魔法が間に合ったのか!


 俺は一旦、攻撃を中断した。


「――花よ、咲きなさいッ!」


 次の瞬間、鈴原の言葉に応じて蕾は花開く。

 同時に花の中心から金色のビームが俺に向かって飛んできた。


「――〈転移門(ゲート)〉ッ!」


 俺は目の前に〈転移門(ゲート)〉を設置。


 すると、中にビームは吸い込まれていった。


 転移先は――勿論、鈴原の目の前だ。


「――きゃあっ?!」


 魔法使いである鈴原は咄嗟にビームを回避できずに、その身に受けた。


 すると、彼女の胸についているブローチから光が消えていく。


 よし……これでまずは1人目。


 勝ち目は……十二分にあるッ!


 俺がそう確信したその時――


「――よくもスズちゃんを……ッ!」


 そんな声と共に、背後から鋭い殺気が襲いかかってきた。


 次の瞬間、俺の体は吹き飛んだ。


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