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ダンジョン配信者のカメラマンの成り上がり〜事故で実力がバレた俺は『影の最強』と言われてバズってるんだが?!〜  作者: 水葉わいん/わいん。


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第31話 ははっ、オレをお呼びか?




 ――ガキン


 そんな金属音が鼓膜を揺らす。


 あっぶねえ……殺気に気づいて急いで振り返っておいてよかった。


 俺が立ち去ろうと、背中を見せた瞬間、木の上から1人の男が現れ、俺に襲いかかってきたのだ。


 後少しでも反応が遅れていたら……俺は脱落になっていただろう。


「チッ……この攻撃を受け止めるとか、とんだ化け物じゃねえか……」


 1人の青年が、俺と剣をぶつけ合いながら憎たらしげにそう言う。


 まさか、早川か……?

 そう思ったが、違かった。

 どうやら、スピードスターのリーダーの男らしい。


「エナの仇……絶対に取ってやる……!」


 そう言いながら、何度も剣を振り下ろしてくる青年。


 エナ……ああ、さっきの魔法使いか。


 恐らく、彼とエナのどちらかが狙われたら、どちらかを囮にして不意打ちしようという作戦だったのだろう。


「あれ……?」


 俺は彼の剣を受け止めながら、一つの事実に気づく。


 ――ここに早川がいないってことは……早川は、花火と接敵してるんじゃ……!


 ま、不味い不味いっ!

 花火、カメラマンって嘘つかれたことに凄い怒っているみたいだったし、早川はただじゃ済まないだろう。


「ちょっと、君! 俺を相手する前に、早川を助けにいった方が絶対にいいと思うぞ!」


「はあ? 何言ってんだ、お前……オレに怖気づいたのか?! あァん?」


 青年は怒りで顔を染めると、何度も何度も剣を振るってくる。


 ち、違う違う! マジで心配してるんだって……!

 あれでも、一応はクラスメイトだ。


 尊厳を失って、廃人になってる姿なんて見たくない!


「ああもう……! こうなったら、とっとと倒して花火の方に向かうか」


「は? 何を――」


「〈断裂〉!」


 次の瞬間、時空が歪んだ。


 同時に、青年の胸についていたブローチから光が消えた。


「今からでも……間に合うといいけど……!」


 俺は花火の方へ駆けていくのであった。



 ――――――――――――――――――


【花火視点】



「終わったら、屋台だからねー!」


 そう告げて、私は左方面に走っていく。


 ……さてと、これぐらい離れれば蓮君にはバレないよね?


「――出てきたら? 隠れてコソコソしてるそこの人」


 私は草むらを見つめながら、そう言う。


 私だって、何年も探索者をしているのだ。

 人やモンスターの気配には、常人の何倍も敏感だった。


「……っと、バレてしまったら仕方ありませんね……」


 がさごそと草むらが揺れると――黒いローブに身を包んだ男性が現れた。


 彼は短剣を持ち、身軽そうな服装をしていることから、斥候なのだろう。


 ん……斥候?

 ということは、1人だけ……?


「まあいいや……」


 あの早川って男以外に、興味はない。

 私は、一瞬で彼に肉薄し、首めがけて剣を振る。


「よし……っ」


 神速で放たれた私の剣は彼の首に直撃し、私はほくそ笑む。


 これで、とりあえず1人目――


「ッ?!」


 刹那、男の体が爆発した。


「もしかして……デコイ?!」


 男の体からは、モクモクと白煙が湧き出る。

 煙幕か……!


 これでは、周りが一切見えない。


 恐らく、彼らは〈索敵〉のギフトで私の位置を一方的に特定し、奇襲を仕掛けてくるつもりなのだろう。


 なら――


「ふぅ……」


 私は目を瞑り、意識を研ぎ澄ます。


 微かな音でも、気配でも見逃さない……ッ!


 来たッ!


 真上から微かな服の擦れる音や気配が感じ取った私は、真上に剣を突き立てた。


 すると、案の定、真上から奇襲してきた男の胸に剣が突き刺さる。


「どう……して」


 彼はそう言い残すと、地面に倒れ込み、胸につけたブローチの光を失った。


「経験の差、かな」


 私だって、伊達に長いこと探索者やっていない。

 これくらい、お手のものだ。


「さぁ、まだまだ居るんでしょ? コソコソするのはやめて、姿を現したら?」


「――〈炎雨フレイムレイン〉ッ!!!」


 すると、返ってきたのは返事ではなく、魔法の詠唱だった。


炎雨フレイムレイン〉……火の矢を上空から降らせる範囲魔法ね。


「なんだか、めんどくさくなってきちゃった……〈重力波(グラビティ・ショック)〉」 


 私は手を上に掲げながら、そう唱えると、強力な衝撃波が全方向に放たれる。

 これによって、煙幕は全て吹き飛び、見渡しが良くなった。


「……やはり……化け物ですね」


 すると、現れたのは唖然とする1人の女性だった。


「また、早川じゃない誰か……? 流石に焦らされすぎてイライラしてきたんだけど……」


 もしかして、蓮君が行った方向に居るのだろうか?

 ……だとしたら、少し困る。


 すると、女性はこちらに向かって魔法を使おうと、両手を突き出してきた。


「ふ、〈炎槍フレイムランス〉っ!」


「――〈ミニブラックホール〉」


 飛んできた炎の槍は、私に当たる寸前で、漆黒の小さな球体に飲み込まれる。


 全てを飲み込んでしまいそうな程の黒い球体は、辺りの草木や地面を飲み込みながら、女性に近づいていき――


「くッ……」


 それは女性の体に触れると、ブローチから光を奪った。


 よし……これで、2人目。


「さあてと……早川って奴はどこに居るのかなぁ」


 私は、ゆっくりと森の奥へと足を進めていくと――


「――ははっ、オレをお呼びか?」


 木の影から、金髪の男が現れた。


 間違いない――彼が、早川だ。


「ん……?」


 しかし、彼の見た目には少し違和感があった。


 前見た時、彼は金髪黒目だったはずなのに――


 どうして、彼の目は《《真っ赤》》になっているのだろうか。


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