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ダンジョン配信者のカメラマンの成り上がり〜事故で実力がバレた俺は『影の最強』と言われてバズってるんだが?!〜  作者: 水葉わいん/わいん。


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第29話 ヒバナVSスピードスター




「おーい、花火ー? 起きてるかー?」


 俺は、彼女の部屋の扉をノックしながらそう言う。


 今日は――俺たちの初戦がある日だ。



 今は午前10時。

 俺たちの初戦が始まるのは14時だ。


 流石にそろそろ起こした方がいいと思って花火の部屋を訪ねたのだ。


「うーん……蓮君……? もうちょっと寝させてよ……」


 扉ごしに眠そうな花火の声が聞こえてくる。


 いやいや……そうは言っても、もう朝の10時だぞ?


 そういえば、いつも花火はお昼過ぎに起きるんだっけ……?

 ダメ人間すぎるだろ……。


「そうは言っても、もう10時だぞ? ……いいのか? 今度、屋台とか一緒に周ってやんないぞ」


 すると、扉の向こうからドタバタと音が聞こえた。


「――5分だけ待って! ……すぐに支度するから!」


「りょ、了解……」


 そんなに屋台を周りたかったのか……?

 大食いな奴だな……。


 そうして待つこと約5分。

 普段着に身を包んだ花火が現れた。



 ――――――――――――――――――――



『探索者バトアリ、お次の試合は――ヒバナVSスピードスターですッ! それでは、選手の入場ですッ!』


 すると、俺たちはスタッフらしき人に、闘技場に行くように案内される。


「よし……じゃあ、蓮君、行こうか!」


「ああ」


 闘技場に入場すると、大量の観客が目に入った。


 こうして見てみると、圧巻だな……。


 ざっと、1万人は超えているだろう。


 俺たちは規定の位置につくと、相手パーティ――スピードスターに視線を移す。


 早川が所属するパーティであるスピードスターは、その名の通り、速さを武器としている。


 構成は、魔法使い2人に、剣士2人、斥候というタンクがいない少し偏ったものになっている。

 しかし、タンクがいないからこそ、速い動きで敵を圧倒できるらしい。


 ……俺たち?


 魔法剣士2人……以上だ。


『それでは、フィールドルーレットを開始しますッ!』


 その言葉を合図に、闘技場の真上に設置されたスクリーンに映し出されたルーレットが回り始める。


 そうして決まったのは――


『森ですッ! 森が選ばれましたッ!』


 次の瞬間、闘技場は鬱蒼とした森に変化していく。


「森かぁ……」


「森だと何かダメなの?」


 首を傾げて質問する花火に、俺は頷いた。


「森で一番厄介なのは見通しの悪さだろうな……正直、潜伏とかされると結構、めんどくさいんだよ……」


 相手は斥候がいるため、斥候が持っているであろう〈敵感知〉や〈索敵〉のギフトで俺たちの位置を探すことができる。


 しかし……俺たちには、そういうのがない。


 強いていうなら、空間魔法の一つである〈空間認識〉だが……。


 あれは、範囲内の全ての物体の位置や形がわかってしまうのだ。


 あまりにも得られる情報量が多すぎて、使える場面が限定されている。


「グランセリアみたいに、全部吹き飛ばすか……?」


 いや……俺たちにあんな魔法は使えない。


 くそっ……どうしたもんか。


『では、これから――ヒバナVSスピードスターの試合を開始します!!!』


「蓮君――私にいい案があるよ」


「おお、マジか?!」


 花火はこくりと頷くと


「それはね……サーチアンドデストロイ!」


 満面の笑みでそう言ってみせた。


 うん、期待した俺が馬鹿だった。


『レディィィ……ファイッ!』


 俺たちがいい案を思いつくまでもなく、試合は始まるのであった。












「よし……《《あの人》》に頼んだ通りにフィールドは森になったな」


 そんな中、早川はほくそ笑んでいた。





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