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ダンジョン配信者のカメラマンの成り上がり〜事故で実力がバレた俺は『影の最強』と言われてバズってるんだが?!〜  作者: 水葉わいん/わいん。


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第22話 ランキング1位



「ふう……これで危機は去ったか?」


 俺は額の汗を拭いながら、そう呟く。


 少女はまるでモンスターのように光の粉になって消えた。


 ――つまり、モンスターと似たナニカだったのだろう。


「花火、大丈夫か?」


「うん! 全然余裕だよ?」


 花火はぶんぶんと腕を振り回してみせた。

 よし、花火が無事なら良かった。


 これにて一件落着――


 あれ? でも何かを忘れているような……?


「そうだ……! 最初に俺を閉じ込めてきた奴……!」


 声からして、この少女と最初に俺を閉じ込めてきたやつは別人物。


 つまり、他にも敵がいるということだ。


 俺は急いでトラップ部屋から出て、周囲を見渡すと……


「誰もいない……か」


 そこには人っ子ひとりいなかった。


 どうやら、俺たちが少女と戦っている間に逃げられたらしい。


 今から追っても、声しかわからない上に、ここまで時間が経っているので捕まえるのは難しそうだ。


「――蓮君ッ!」


 すると、背後から花火の声が聞こえた。


「どうしたッ?」


 俺は急いで、花火の元に駆け寄ると、花火はじっとスマホを見つめていた。


 スマホがどうかしたのだろうか?


 すると、花火は苦虫を潰したような顔で――


「れ、蓮君ッ……私たち、ランキングで抜かされてる……!」


 そう言って、スマホを見せてきた。


【探索者ポイントランキング】

 1位 影の集団   1609万ポイント

 2位 グランセリア 1590万ポイント

 3位 ヒバナ    1585万ポイント



 影の集団が……1位?

 まさかッ――?!


「これが狙いだったのか……?!」


 ランキングで抜かすために、俺たちの妨害をしてきたというのか。


 なんという卑劣な行為だろうか。


「ど、どうしたらいいんだ……?」


 運営に報告する?

 いや、証拠が無さすぎる。


 少女は光の粉となって消えてしまったし、最初にトラップ部屋に閉じ込めようとしてきた女の声は小さすぎて配信には乗ってない。


「蓮君! とりあえず、モンスター討伐に行こう! まだ時間はある……まだまだ巻き返せるかもしれないよ?」


「そ、そうだな!」


 俺は時計を見ると、ポイントの集計が終わる20時までにはあと、2時間あった。


 死ぬ気で頑張れば……追い抜かせるかもしれない。


 そんな淡い希望を抱いて、俺たちは再び探索を再開するのであった。




 ――――――――――――――――



「他のチームによる妨害ですか?」


 完全個室のレストランの中で……唯は眉をひそませ、そう言う。


 あの後、結局俺たちはランキング1位に戻ることができなかった。


 なんとか、2位にはなれたものの、わずか5万ポイント差で負けてしまったのだ。


 1位は当然――


「影の集団……あれのせいですか」


「多分」


 ランキング1位パーティ……影の集団。


 なんともダサい名前だが、その実力は中々のものだった。


 あの程度の時間稼ぎで俺たちを追い抜かせる力量……SSS級モンスター並に強いナニカを操る謎の技術……。


「あーもうっ! 思い出しただけでムカついてきた……!」


 花火は明らかに苛立った様子で、頬を膨らませる。


 それには俺も同感だ。


 公正であるはずの大会で、相手を妨害するという卑怯な手を使ってきたことを……俺は今後、忘れることはないだろう。


「折角、約10億円する武器と防具が手に入りそうだったのに……」


「そ、そっち?!」


「当たり前でしょ? そんな凄い装備があれば、もっと私たち、強くなれるじゃん!」


 ま、まあ……そうなんだけどさ。


 俺が苦笑いしていると、唯が何か閃いたかのように口を開く。


「――それなら、私があげましょうか?」


「へ?」


「私……といっても、クロノテクノ社ですけどね。蓮さんにはこの前、救ってもらった恩もあるのでそれくらいの装備であれば提供しますよ?」


 すると、恐る恐る花火が口を出す。


「ゆ、唯ちゃん……私の分の装備も提供してくれたり……?」


「いいですよ? 私は花火さんとは違って器の大きい女なので!」


 そう言うと、唯はその大きな胸をポンと叩いた。


「な、なんか嬉しいけど、ムカつく……? でも、ありがとうね」


「まあ、花火さんに良い武器や防具を提供することは蓮さんの安全にも繋がりますからね……」


 唯は、くすりと笑いながら、そう言う。


「俺からもありがとう、唯……装備を提供してもらえるなんて願ってもないことだよ」


 正直、今の俺たちの装備はお世辞にも、S級探索者相当とは言えなかった。


 お金はある。

 しかし……SS級やSSS級に通用するような武器・防具はいくらお金があっても中々手に入らないのだ。


 だから、今の俺たちは、A級探索者がつける装備と同じような性能のものをつけていた。


「それで、本題に入ってもいいですか?」


 唯は、真剣な表情に戻ると、そう言った。


 そういえば、このレストランには、唯が呼び出したんだっけ?

 つまり、何か要件があるはず……。


「さっきの話題と少し似ているのですが……影の集団についてお話があるんです」


「影の集団について……?」


「はい……実は、少し前にロックゴーレムの赤い石についての調査結果が出たんです」


「おおっ! それで、どうだったんだ?!」


「クロノテクノ社の調査によると――あの石は魔物を強化したり、武器を強化したりする作用があるそうです」


「それは……予測通りってことだよな?」


「はい! そして、もう一つ――影の集団のメンバーの武器に、赤い石と似たようなものが使われている、とのことです」


「ッ――?!」


 つまり、その結果が意味するのは――


 あのロックゴーレムを改造した者と、影の集団には何か関係性がある……ということに他ならなかった。






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