第5話「幼き記憶の団地妻」
「はっ……!」
…………
「……知らないかもしれない……蛍光灯……」
う~ん?どこだ、ここ……確か俺ぇ……体育館にいたよなぁ……
「ベッドの上?」
――シャッ!
「目が覚めたかい……」
んん?……わわ!……わわわ!?
「ぼうや……」
WAO!白衣の悪魔!!
それぐらいに思えるほど!暴力的なボディライン!!
「あなたは……天使ですか……それとも悪魔ですか?」
ふつくしい!!あぁ……これは……
「……多分人間だと思うが……君の好きにするといいさ」
けしからん!!
ふむふむ……観察、観察……
白衣を纏ったデビルウーマン……!
見た目は~見た目は~……
エロい! その一点に尽きる!!
この時期は、まだ少し肌寒いのに白衣の下は……なぜか薄着!!
なぜかな~?なぜかな~?なぜなんだろ~う??
「先生!……なんでそんなに風紀が台風の如く荒れ狂っているのですか!!」
気になる!めちゃくちゃ気になる!!
「ん?見た目の事かい?……ふ~ん……そうだね……」
なんなんだね~!!
「刺激が…………欲しいのさ」
………………
「………な、」
なんですとぉおおお!!!???
この悪魔……ただの悪魔じゃない――
魔王!!
「それよりも君……もう体調は大丈夫なのかい?」
「大丈夫過ぎて困ってます!!!」
むしろ、この調子じゃ何もできないまである!!!
「そうかい……なら……だいぶ時間は過ぎただろうが……部活動の見学でも行って来たらどうだい?」
えぇ~もっとみてた~い。欲張り三色ボディライン~
……はぁ~しかたないなぁ……最後にアレだけ聞いておこう……
「先生は何カップですか?」
たぶん聞いても大丈夫な人だ!
俺の経験則でこういう人は教えてくれる!!
「ん?バストサイズかい?」
はい!その通りです!予想的中!万馬券!!
………………
「Gだよ……」
………………
「……G」
………………
「ジーザス……」
………………
…………
……
「先生?そいえば俺、なんで保健室いるんですか?」
記憶が混濁しているが……デカイ何か!……が
頭を支配している……!
「ん?あぁ……君、サワゲ部の演説中に急に倒れて運び込まれたのさ……」
ん?サワゲブ?なんだそりゃ?
たまに読んでもらえるラジオネームみたいだな?
「なんですか?それ?」
んん~………サワゲ?さわげ?…………触毛??
「あぁそうか……君は途中でここに来たんだったね……」
????触る毛ってなんだ????
「説明も面倒だし……気になるなら行ってみると良いよ……そこに校内地図があるだろ?」
ん~どれどれ~?ふむふむ~?
「5階の部室棟エリア……その一番奥の広い部屋……それがサワゲ部だよ」
んん?触毛……サワゲ……さわげ……
「S・W・G?……あ!」
―ニコッ―
「あぁああああ!!!!先生!!!俺、今すぐ部活見学に行ってきまぁあああああす!!!」
バタンッ!! ドドドドドドド!!!
…………………………
……………………
「元気な子だねぇ……」
………………
…………
……
「うぉおおおおおおおおお!!!!!」
階段上って!!
「はぁあああああああああ!!!!!」
さらに階段上って!!!
「どりゃぁあああああああ!!!!!」
保健室1階から部室棟5階に到着!!
「トウ!」 スチャッ!
完璧な着地だ……多分幅跳びで世界目指せるぜ……今のは……!
………………
「部室と~う、部室と~う!」
ふんふん……この奥だな!
「将棋部に……囲碁部……」
ふんふんふん……将棋も囲碁も……興味なし!
「新聞部に……写真部……ここは……」
癒着してそうだな!
「○×クイズ部に……あ!」
あ、あれは……!
「昭和元年部……!!」
んんん~!ここも非常に気になるが……
「今はそれどころじゃない!!」
………………
…………
……
「ここか……オレーイッキーの秘密のお部屋は……」
さてどんな仕分けハット帽が俺を誘ってくれるのかな……
「いざ……参る!!」
ガララッ!
「選ばれし魔法使いが来ました!!」
―{最初はグ~}―
「パーティに加入させて……」
―{あっち行っちゃ嫌……}―
「くださ……」
―{うふ♡}―
「い……」
―{あなたの負けよ♡さぁこっちへ♡}―
「ぐぬぬ!また負けた!」ガンガンッガンッ!!
………………
「…………」
あ……あれは……
「何だこのインチキ玩具は!!」
じゃんけん『ママン』シリーズ……第三弾……
「幻の名機とは嘘かぁ!!」
だ……
……………………
『団地妻の香り』じゃないかぁああああああああ!!!!!!!
………………
…………
……
≪一喜 小学2年生≫
ある日のデパート
「一喜ぃ〜どこなのぉ〜?お母さん買い物終わったわよ〜」
「ジーーーー」
―{僕は……逢えて……}―
「一喜~?どこ行ったのぉ~?」
「ジーーーー」
―{もう行かないと……駄目なんだ}―
「あ、いたいた!……一喜〜帰るわよ〜」
?……この子……何見てるのかしら……
「ジーーーー」
―{忘れているだろうけど……}―
「一喜どうしたの?……ん?」
あ、もしかして……
「かあちゃん!俺これやりたい!」
ワクワク!
「はぁ~……またあんたは……メダルゲーム本当に好きよね……」
まぁ……これぐらいの年の子はみんな好きよね……
「どれぇ?一回だけよ?」
でも……無理に何でもダメって言うのは、あんまり良くないわね……
「かあちゃん!ありがとう!」
ワクワク!
「はいはい、一回だけよ~」
それに……この前のゲームは後ろで見てても、すこし面白かったしね……
今日は何かしら?
どれどれ……
「………………」
[じゃんけん『ママン』シリーズver.3『団地妻の香り』]
「………………」
[~幸子さんは僕の純情を弄びました~]
「………………」
「かあちゃん?」
「………………」
「かあ~ちゃん!」
「一喜……」
「?」
「帰るわよ」グィッ
「え!なんで!?俺これやりたい~!!手ぇ~引っ張らないでぇぇ!!」
ズルズルッ
「一喜、帰りにお菓子買ってあげるわ」
ズルズルッ
「やだやだやだ!お菓子いらないからコレやりたぁい!」
ズルズルッ
「一喜、あんたには、まだ『あれ』は早いわ」
ズルズルッ
「やだやだやだやだ!俺しりた~い!」
ズルズルッ
「………………」
ズルズルッ
「だんちづまの~……」
ズルズルッ
「………………」
ズルズルッ
「かおりぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
………………ズルッ…
…………ズルっ…
………ずるっ…
……ずる…
…ず…
…
「はぁ……はぁ……」
あれは……俺が小学生の頃にやり損ねた『ママン』じゃないか……!
な、なぜこの部屋にある……!!
「ガァーッ!また負けた!ぐぬぬ!」
あれは生産終了したはず……いや!……そもそもメーカーが倒産している!!
俺は『あれ』をやりたくて……やりたくて……
かーちゃんに連れて帰られた次の日も……
一人で通ったんだ!!
「何が団地妻だ!」
でも小学生だ……お小遣いなんて貰ったその日にすぐ消える……!(※個人の意見)
だから俺は見に行くだけで一回も出来なかった……
そしてある日突然、デパートのゲームコーナーから……
「珍妙にドットが動いてるだけではないか!!」
完全に姿を消したんだ……!!
「何故勝てん!だだのじゃんけんだぞ!?」
小学生の俺は悔しかったが、無いものは仕方がないと諦めた……が、しかし!
俺は中学生の頃の雪先生との1件の後、心の穴を埋めるために……
あの名機を探し求めたんだ……!
「勝てん!!……なぬ!?四手目だと!??」
どこか古いゲームセンターに設置されていないか調べた……そしたら
オークションサイトが検索にヒットして……その内容をみて……
「三すくみが崩壊している!!??」
驚愕した……………
………………
…………
……
「中古価格……1700万円……だと……!?」
なぜ……なぜこんな……価格に……!
「し、しかも【SOLD OUT】……している……」
調べまくった……ネットの海を泳ぎまくった……!
で、リサーチした結果が……
『老舗玩具メーカー『ワザワックス㈱』自主回収騒ぎにより破産』
「なんだ……と……」
……このメーカは長年子供に夢を与えるために日々研鑽を行っていたのだが……
ゲーム機自体はあまり売れなかったらしい……
その理由が……
『〔子供に不健全で不適切な遊び〕というクレームが、年々増えていたもよう。
去年のクレーム件数は月に300件以上と取材により判明』
だったそうだ……でも……
でも俺は……そうは思わなかった……だって……だって俺は……
「俺はあの……あの香りが知りたかった……ただ、それだけなんだ……」
それくらいに魅力的なんだよ……あれは……
その後、少し調べたら『謝罪会見動画』をみつけた……
………………
パシャ!パシャ!パシャ!
―「この度は……私どもの開発しました……
じゃんけん『ママン』シリーズが……
子供に悪影響があると知り…………
自主回収を行いたいと思います……
本当に申し訳ございませんでした……」
―[wwwwwwww]・[www]・[wwwwwwww]・[www]―
「ですが……この場をお借りしてお伝えしたいことがあります……」―
―[www]・[wwwwwwww]・[wwwwwwww]・[www]―
―「じゃんけん『ママン』シリーズは……『ママン』シリーズは……」
―[www]・[wwwwwwww]・[www]・[wwwwwwww]―
―「『ママン』は……」―
―[www]・[wwwwwwww]・[wwwwwwww]・[www]―
―「きっと何処かの子供が……夢中になっていたと……そう……」―
―[www]・[ww]・[wwwwww]・[wwwww]・「wwww」―
―「信じています……」―
―[www]・[そんなことないだろwww]・―[www]・[wwwww]―
―[wwwwwww]・[www]・[俺は救われたぞ……特に初代は神だ]―
―[www]・[wwwwww]・[僕の……青春が……]・[wwwwww]―
………………
俺はその動画を見て、自然と涙がでたよ……
あの社長は……子供たちに夢と希望と……愛を与えてくれたと……
そして、自主回収で回収できなかった台はある……
そう……あるのだが……だが……
この世に『2台』しか……ないらしい……
「はは……俺には、一生……団地妻の香りは……わからないってことか……」
カチッ……
この当時は中学生だ……残りの1台は検索しても見つからなかったが……
恐らく見つかったとしても買えない……そう思った……
カチッ……カチッ……
だから俺は……悔しさと悲しさで……自暴自棄になり……『謝罪会見動画』の……
カチッ……カチッ……
[www]だけしか打っていないコメントを……
カチッ……カチッ……
「…………」
カチッ……カチッ……
全部通報したよ……
「…………」
カチッ……カチッ……
カチッ……カチッ……
………………
…………
……
「はぁ……はぁ……」
だ……
「ぐぬぬ!『残り1台の幻の名機』と謳っていたので落札したが……」
バンッ!
「2400万をドブに捨てたようなもんだぁ!!!!!」
ガンッ!
「だ……だ……」
団地妻が……目の前に……俺の……目の前にある……
「ん?なんだ、貴様!」
「あ、あの……」
やりたい……やりたすぎる……!
「何をそんなに興奮しておるのだ!!」
「や……や、や…!」 ワナワナ……!
「返事をせんか!貴様ぁ!」
ワナワナワン……バッ!
「やらしてくださぁああああああああああ!!!!!!」
「私はそんな軽い女じゃあぁななああああああああああい!!!!!!!」
ゲシッ!!
一喜!サワゲ部、部長とついに接触!
しかしこいつ……団地妻に魅了され過ぎて……
現実の女がみれていなぁあああいい!!
……そして気になる……『ママン』初代は……
どの辺が神なだのだぁあああああああ!!!!!!!
………………
…………
……
……次回予告
「幸子さん……僕は幸子さんに逢えて……嬉しかったよ……でも……
……でも、もう行かないと……駄目なんだ……
……幸子さんは忘れているだろうけど……
……僕は………………僕達は……
……姉弟なんだから」
次回 サワゲ部!! 第6話「集めます……あなたの為に……」
……みてくれよな……。




