第2話「バカは馬鹿でも入れます!!」
「キーンコーンカーンコーン」
ようみんな!さっきぶりだな!
高らかに宣言した俺の彼女作るぜ咆哮はどうだった!?
気合いが違うだろ!そうだろ!!
それもそのはずだ!
俺の幼少期から中学生までの全てを詰め込んだ、究極完全無欠のスーパーウルトラハイリミックスお嬢様を求めに……この学園に来たんだからなぁ!!
そういえば……
……なんかよく調べてないんだけど俺の中学の時の友達が……
「おい一喜……お前が行こうとしてる高校……なんかお嬢様とかが、わんさかいるみたいだぞ?」
って言ってたからここを選んだんだ!!
確かにあいつの言う通り……
…………
右を見れば、スラリと背の高い、胸ぺったんこだけど「うふふ」って笑ってる品のありそんな女子…………
…………
左を見れば、これまた清楚そうな、眼鏡をかけた子がベンチで優雅に本を読んでいる、胸ぺったんこの女子……
これは……期待できる!!
よしよし!そんな期待を胸いっぱいに詰めて……
今から教室に入るぞぉお!!
――キーンコーンカーンコーン
お!予鈴のチャイムが鳴ったな!早めに来たと思ったが、意外と時間がかかったな!
…………
ん?開幕に聞こえたチャイムはなんだって?
あ~……あれか? あれは俺のセルフチャイムだ!
気合いを入れるために、予鈴の予鈴、所謂……
予予鈴チャイムで自分を鼓舞してたんだ!!!
そんな事はどうでもいい!俺は今から自分の教室に入るからな!
もっと気合いを込めて向かわねばならんのだ!!
「ここが俺の教室……第一村だな!!」
この!龍波 一喜!!
登場シーンを輝かしくさせ、そして爆発的に記憶に残すための挨拶をしっかりとしないとな!!
よーし、行くぞー……
――ガララッ!
「龍波 一喜が参りました!みんな!よ~ろ~し~く~!!……ん~」
ここで腰をグッと引いて……
「ね♡」
両手でハートを作る!!
……ふ。完璧だ……!
………………
………………
……ガヤガヤ……ヒソヒソ……「なんかヤバいやつが入ってきたぞ……」
「?」
あっれぇ~?おっかしぃなぁ~??完璧な挨拶だぞぉ~?
俺の鉄板挨拶で小学校と中学校の入学初日で、大うけしたんだけどなぁ~?
……あ~……わかったぞ……!そういう事だな……
もうみんな高校生だ……だからみんな……
………………
恥ずかしいんだな!!
そうなんだろ!そうなんだ!!
でも、それじゃダメだぞ~ノンノンノン♡
挨拶は人間が社会でやっていく為の処世術の大事なひとつだ!
俺はそう言ったものは大事にするからな!!
…ガララッ…スッ
「よしよし、まずは一回リセットだ!教室から出て気を取り直そう!」
それにさっき「ヤバイ奴がきた」って聞こえたからな!
俺の凄さに気づいてるやつも、いるには、いるんだ!
「では改めまして~……」
――ガララッ!!バンッ!!
「一喜が参りましたよ!みんなぁ~……」
腰に手を当てぇ~……決め顔でぇ~……
「夜! 露! 死! 苦!」
…………
「ね♡」
可愛くぽ~ず♡
…………………………シーン
「…………」
……………………………
何だろうね、最近の若者は……いかんよそんなんじゃ
人が挨拶をしてるんだから挨拶を返さないと
そんな基本の事も出来ないのかね、ちみたちは
トコトコ
お!やっと反応したのか!誰か近づいてくるぞ!
「あー……おはよう……一喜くん?……だっけ?」
やっと挨拶しに来た奴がいるぜ!こいつ良いやつだ!きっとそうだな!!
「おう!おはよう!龍波 一喜だ!よろしくな!」
ふんふんふん!……なんか見た目からして、いかにも勉強できそうな奴って感じだな! こいつの印象は!
「そのー……なんだね。……すこし言いにくいのだが……君みたいな……そのー……」
なんだ~なんだ~えらい濁すなこいつ?
良いんだぞ!言いたい事は、はっきりと言う!
これは今の時代ではもっとも大事なことだ!
サイレントマジョリティには、なるなよ!!
「なんだね……その、あまり頭がよくなさそうな人は……1年5組か6組の……」
ん?こいつ今なんか失礼な事、言わなかったか?
「普通科じゃないだろうか?」
………………
「?」
普通科?いや俺はここの教室に来いって言われたしな~……
「いや?ここで合ってるぞ?ここSクラスだろ?」
――ザワ!!!
お?なんだ?なんだ?急にざわつき始めたぞ?
――ピッ!
説明しよう!!!
なぜ今この教室の生徒たちが、ざわつき始めたのかを!!
この学園……私立『笑ヶ丘 学園』は、このエリアの学区内で唯一の……
………………
超エリート進学校なのである!!!
そしてこの学園の特徴として!
1組から4組までが進学クラス、以下5組、6組は普通科となっている。
そして……
その中でも入試試験上位20名のみが入れる教室が、この……
1年『Sクラス』である!!!
Sクラスではその優秀な成績を収めた者たちが日々切磋琢磨を行い、将来、政治家や医系技官など、国を支えるエリートを育てる場なのである!!
そんなエリート共の中に、なぜ……
一喜の様な「バカ」が入れたかと言うと!!!
「?よくわからんが、試験の後に面接で俺、学費免除するから来いって言われたぞ?」
そう!勉強が出来るのである!!!
だが!勉強と言ってもこいつの、していることは……
ただの情報のアウトプットを行っているだけである!!
つまりこいつは……
超記憶力抜群の「高性能情報吐き出し機」……ただ、それだけなのだ!!
現にこの男、前話で過去の失恋ストーリを詳細に語っていたが……
小学生の頃までなら、まだわかる……だがこいつは……幼稚園児の頃の記憶まで詳細に語っていたのが……
その証拠だ!!!!
だがこいつ!情報は吐き出せるが人の考えを読むのが究極に下手だ!!
なのでこいつは入試試験で……
………………
…………
……
問題:「この時の作者の心情を40字以内で述べよ」
「昨日食べたガリレオ君の味が忘れられず、締め切りに追われて絶望している。」
という……わけのわからない回答をしているのだ!!
これには採点をしていた教師も……
「なんだ……この回答は……独自の理論による……新たな回答だ……!」
と、騙されているのである!!
もちろん、その項目の点数は0だが!!
だがこいつはその抜群の記憶力の良さを活かし、この上位20名のSクラスの中で、なんと……
3位の座についたのである!!そしてこの『3位』が肝である!!
この学園は試験成績上位3名までの生徒に対し、3年間の……
学費免除がある!!
好待遇に聞こえるかもしれないが、この『笑ヶ丘 学園』の今年の入試では……
………………
出願者数1500名!
1組から6組+Sクラスで20席ずつ!
その7クラス合計140名の中でSクラス上位3名の合格率はなんと……
0.2%である!!
倍率で言えば……
驚異の『500倍』である!!!!!!
………………
…………
……
こ、こいつが……上位3名の中の一人だと!?
あ、あり得ない、どう見たってバカにしか見えない……だがしかし、こいつの口からはっきりと……『学費免除』と言う言葉を聞いた!!
こいつが例えバカだとしても、こんな大真面目な顔で嘘を吐くとは思えない……ほ、本当……なんだろう……!!
人は見た目では判断できないとは、正にこういう事だな……!!
「そうなんだね!いやー疑って悪かったよ……ようこそSクラスへ!」
こいつは使える……僕の人生を輝かしく進める為の手ごまとして友好関係を結んでおこう……
「僕の名前は黒色 堅固……よろしく……一喜くん!」
手ごまに……するんだ!!
「おう!よろしくな!ケンゴ!」
さっそく友達が出来たぜ!俺の高校生活の華々しいスタートは最高にきれたな!!!!
………………
「キーンコーンカーンコーン」
――キーンコーンカーンコーン
…………
………
……
笑ヶ丘学園に突如として舞い降りたダーク ホース!!
この学園はどうなってしまうのか!!一喜はそんなエリート学校でどう生き抜くのか!?
それよりも展開がおそい!!もっと早くしろ!!!
そう思うだろ!そうだろ!!!
ごめんねみんなぁぁああああ!!!!
次回予告!!!
「一喜の入った高校は、まさかの超エリート進学校であった!!
一喜はこの後、新入生を集めた定番行事……
体育館での生徒会長挨拶などを行う!!
そしてその後の部活紹介で、一喜は出会うのである……
理想の……そう理想の……
『清楚』だけが抜け落ちた!超ハイスペックお嬢様に出会うのである!!
一喜!やったぞ!ついに会えるぞ『清楚』抜きお嬢様に!!!」
次回!サワゲ部!! 第3話「あ、清楚、温めますか?」
お楽しみに!!!




