第12話「"我ら"サワゲ部ここに始動!」
〈ここはメルメルポ星〉
「ま、待ってほしいのです……!」
〈地球からは億光年離れた……平和な星〉
「ついてくんなよ!このノロマが!!」
〈平和な星だが……優しさに溢れているわけではない〉
「ノルンくん……!待ってなのです……!」
〈この星には神聖な秩序がある〉
「ま、また名前で呼びやがったな!!」
ゲシンッ!
「ご、ごめんなさいなのです……!」
〈この星では……名前は親から授かるものではない。名前とは……〉
「家族でもないのに呼ぶなってあれほど言っただろ!!」
〈この星の守護神『メルルノワール』から与えられるものだ〉
「で、でも……ノル……ナルモリルくんと……」
〈神からの授かるものであり……〉
「お友だちに……なりたいのです……」
〈そして名前の共有とは……〉
「う、うるせぇえ!あっち行け!!この……」
〈あなたと…………………………〉
『ブぅうううスぅうううう!!』
…………
……
…
「びえぇえええん!びえぇえええん!!」
お友達になりたいだけなのです……!
名前を呼んでいるだけなのです……!
ドタバタ!ドタバン!!
「どどど、どうしたんだ!マルル!?」
うちの娘が泣いている!?どう考えても……
世界の終わりだ!!!
「ノルンく……ナルモリルくんにブスって言われたのです……!びえぇえええん!!」
ブスってなんなのです〜……お友だちになりたいのです……!!
「な……なんだと……」
うちの娘が……
「あのクソガキ……」
ブス……だと……
…………
「殺す!!」
――パシン!
「あなた〜物騒ですわよ〜……子供のケンカです。落ち着きましょう?」
本当にこの人は……被害妄想が激しいわ……
「ハニー!しかしだ!!娘がブスと言われたのだぞ!ハニーの美貌をギュッと受け継いだ、娘がだぞ!!」
ありえない!!ナルモリルの倅はどんな教育を受けているのだ!
親の顔を知っているから…………突撃したい!!
「パパ……ママ……ブスってなんです……?お友だちにはなりませんって意味です……?」
あらぁ……この子もしかして……
また名前で呼んだのかしら……
「マルル!ブスとは本当は貶す意味で用いる言葉だが……パパが今日から美しいって意味に変えるぞ!!だからマルルは可愛くて美しいのだ!!」
――パシン!
「あなた~?その嘘を教えてマルルにどんな特があるのかしら?」ニコッ
…………
ふむ……ハニーはたまに怖い笑顔を見せるが……それでもなお、美しい。
「ニヤニヤ」
この人……人が怒っているのにニヤけているわ……
後で本気で怒りましょう。
「あなた……きっとこの子……また名前で呼んだのだわ……」
ん……そうか……なるほど……
「マルル……少し真剣な話をしようか……」
まだ小さいが……流石にこう連日名前を呼ぼうとするのは、まずいな……
「パパ?……怖い話じゃないのです……?」
怒られるのはイヤなのです……
「なに、怒ったりはしないさ…………マルル、この星ではな……」
プルプルプル……
「名前で呼び合うのは、家族以外ではあまりしないのだよ……」
プルプル
「だからナルモリルくんも……きっと困ったはずだ……」
プル……プル……
「僕たちの星では神からの授かりものとして、その名を心に刻み込むのだ……」
…………
「心と心の繋がりの証として……名前が存在する…………つまり名前とは……」
名前……
「君のことを知りたいです………………いや……」
知りたい……?
{―ピピピ……―}
「愛してます……」
あい……
「そう言う…………意味なのだよ……」
して……ます……?
{―ピピピ……!―}
なな……ななな……
{―ピピピピピピ!!―}
「な――――――――!!」
…………
……
…
「なのぉおおおおお!?」
――ガバッ!!
…………
――ピピピピピピピピピッ!
「…………?」
――ピピピッ!オキロ!朝ダ!遅刻ダ!オキロ!
…………?
「ちこく……?何時……なの……です……?」
メルメルポ教育センターに遅れるのです……
――今ナンジ?ソウネ〜13時〜!!
「13時?……もう遅刻なのです……教育長に怒られるのです……」
――教育長?何ヲ言ッテル!ココハ……
「?」
…………
――地球ダ!!
…………
「あわ……あわわ……」
怒られるのです……
「あわわわわわわわわ……!!」
教育長よりも怖い……
――地球ダ!地球ダ!!ウ~ン~……
…………
「アカネにぃいいいいいいい!!!」
――地球ダァアアアアアアア!!
…………
……
…
イライライラ!
「マルルのやつ……遅刻するとは……!」
許さん!!
「らいらい……ら~い……(イライラ……しな~い)」
部長めちゃくちゃ怒ってるなぁ……
「ららら……ららら~い……(イライラ……よくな~い)」
マルル可愛そうだし……
「らららい……らら~い……(イライラ……やめよ~う)」
助けるかなぁ……
「まぁまぁ部長……落ち着きましょう?そんなに怒ると美人が台無しですよ?」
褒めて鎮める……完璧な作戦だ!
マルル!これで安心しろ!
――ゴンッ!!
「貴様は黙っておれ!それとだ…………平気でそんな事を口走るな!!」
こいつはなぜ平然とそんなセリフを吐けるのだ!?
「痛いですよ〜部長〜……」
部長は、なんでこうすぐ手を出すかなぁ……
「ストレス発散のために生贄になれ!」
なるほど……部長のストレスを軽減できるなら……
まぁいいか〜……
――カチャリ……
「遅れてごめんなさいなのです……」
アカネ……きっと凄く怒ってるのです……
「おう!マルル!寝坊とは許せないな!部長の代わりに俺が怒るぞ!」
部長の手がマルルに行く前に俺が怒る!
完璧だ!!
「ご、ごめんなさいなのです!タツナミくん……部長!!」
ぅう……泣いちゃダメなのです……
今回は私が悪いのです……
「ごべ……ごべん……ごべんなざいなのでず……」ウルウル
我慢するのです……!
「う、うむ……遅刻は良くないが……反省しているのであれば……許そう……」
泣かれると困るな……怒るに怒れん……
「良かったなマルル!部長が許してくれるってよ!俺のおかげだな!!」
きっと、『らいらい作戦』のおかげだな!効果テキメンだ!!
「?……一喜、お前は何もしていないぞ?」
あれぇ〜?そうなんですか部長……??
「らら~?らららい……??」
…………
……
…
「落ち着いたか?落ち着いたのであれば……向かうぞ……戦地へ……」
深夜まで練習をさせてしまったからな……寝坊をしても仕方あるまい……
「行くぜぇ……部長!俺は準備万端です!!」
練習の成果を……解き放つ!!
「私は少しだけ不安なのです……でも…………頑張るのです……!」
これ以上、迷惑は……かけれないのです……!
「よし……では……」
…………
『出陣!!』
― ― ― ― ― ―
「無い……無いわ……」
昨日、生徒会室に忘れた"アレ"が……
「無い……!」
もし……誰かに見られでもしたら……
私の生徒会長としてのイメージが……
崩壊する!!
「どこに行ったの!早く見つけなきゃ!!」
今日は『サワゲ部』が、また部活申請をするって言ってた……
でも、午前中に来るって茜が言っていたはずなんだけど………
「まだ来ていない……」
それなら今のうちに探さな――――
――ガチャリ!
「失礼するぞ!黒百合!!遅れたが…………」
ま、まずい……!
「部活申請を…………」
まだ見つけれていないわ……!
「宣誓しに来た!!」
…………
「あ、茜……申し訳ないのだけれど……今、少し立て込んでいて……また後日でも……いいかしら?」
先にアレを見つけないと、非常にまずい……
「?……ダメだ!遅れたとはいえ……今日中に通してもらう!!」
こいつ……なにか焦っている?
理由はわからんが……
好機とみた!
「どうした?それとも何か?話を聞くのも憚れるほど……貴様には余裕がないのか?ええ?」
煽りまくり……冷静さを欠かせる……
「笑ヶ丘学園の生徒会長ともあろう、お方が……いち生徒の声も聞けんとは……」
今しかない……この好機……
「これはこれは……」
存分に……絞りつくし……
…………
「……情けない」
使わしてもらおう!!
…………
「言いたい放題言ってくれるわね……いいわ……迎え撃とうじゃない……」
煽られているのはわかっているわ……それでも……
「あなたの……」
それでも私のプライドが……
…………
「駄言を……!」
許さないわ!!
…………
「お〜怖い怖い……かわいいお顔が台無しだぞ〜……えぇ?……黒百合……」
…………
『姫子!!』
ここでやつの名を投下!!鉄おんなは、なぜか私に名前を言われるのを嫌う!!
「わ、私の名前を……軽々しく……」
効いてる効いてる……
「呼ばないで!!////」
赤面するほど効いておる!!!
愉快だ!!!
「いくぞ!2人共!宣誓開始!配置につけ!!」
「了解です!部長!!」
「は、はいなのです……!!」
――ババッ!
「サワゲ部、方針3か条!宣誓!!」
まずは部長の宣誓合図……!そして部長の次は……
俺だ!!
「ひとつ!サワゲ部は……この学園を笑顔で溢れる日常にする為に……一直線に……」
ここでグッと溜めて……
『騒ぎまくる!!!』
大声宣言!!
次!マルルだ!うまくやれよ……!
「ふ、ふたつ……!サワゲ部は……生徒の悩みを解決するために……貰った笑顔を……」
いいぞ!マルル!その調子だ!
『お返しするのです……!』
完璧だマルル!最高だ!!
次は部長だな……!やっちゃてください!!
「みっつ!!!サワゲ部は……生徒の模範となるべく……秩序を守り……規律を重んじる……そんな存在に……」
決まるぜ……部長の宣言が……
「絶対に……」
震えるほどの……魂の言霊が!!
『ならぁああああああああああああん!!!!』
「騒ぎ騒がせエリート共を……」
――ドッ……
…………
『『真の幸福』へと導く!!!!』
――ドドッ……
そしてここからだ……!
俺は左側で手を振り上げ……
「"我ら"サワゲ部……」
――ドドドッ……!
マルルが右側で手を上げる……
「今……」
部長は真ん中で手を上げ……そして
「ここに……」
――ドドドドッ……!!
三人声を合わせ……!!
…………………………
『『始ぃぃいいい動ぉおおおおおおおおおおお!!』』「シ…シドウ、ナノデス///」
ドドン!!!!
…………
「………………」
「「「…………」」」
…………
「いくぜ……」(※高音を克服した重点音ボイス)
…………
はい。ポチッとな。
――パパッ……パパン!!……
――バチンッ!…………シュゥゥゥーッ……
………………
――――!!!!
ドカカカカカカン!!
ガシャーン!ゴト!!ゴトン!!!
バッ……チィイイイイインンンンン!!!!!!
「「「「………………」」」」
もくもく……
もくもく……
もくもく……
…………
「…………」
決まったぜ……
「…………」
俺のデンジャラスDXぶち上げ丸……
「…………」
特大爆竹が!!!!
――ガラガラン……
――カラン……
「部長……決まりましたね……」
みんな声も出ないほど圧倒されている……
…………
「一喜……お前はまさか……爆竹を買ってきたのか……」
まさかこいつが……
「はいそうです!部長!!」
こんなに……こんなに……
…………
バカだったとはぁあああああ!!??
「…………」
やってくれたわね……サワゲ部……
「あなた達の言い分はわかりました……」
おぉお!やったぜ!会長に届いたぜ!俺たちの想いが!!
「部長!やりましたね!!」
終わった……バカのせいで全部……
「凄い演出でしたのです!部長!これでイケるのですね!」
そしてマルルもテンパリすぎて状況を理解しておらん……
「サワゲ部は……」
会長がついに認めてくれるぜ!サワゲ部を!!
「本日限りで……」
頑張ったカイがあるのです……!良かったのです……!!
「「わ~い!わ~い!!」なのです~!」
…………
『廃部とします!!!!!!』
…………
「「えぇええええええええ!!!??」なのです!?」
終わった……全てが……この部屋のように……
「すべてが終わってしまった……バカのせいで……」
――ガラガラ……ガシャン……!
――カラン……カンカン……カン……
――カラン……
サワゲ部結成大失敗!それどころか…………
廃部宣言を食らってしまったぞぉおおお!?
どうするのだ……どうなってしまうのだ……
これは……もしかして……サワゲ部…………
打ち切りかぁああああああ!!!!????
…………
……
…
次回予告!
「宣言失敗大失態!サワゲ部これにて終了です!!
な~んて事はなく…………この状況を茜は………
物理で乗り切る!そう茜と言えば……暴力だ!!
もうどうにでもなってしまえの……精神なのだ!
だがしかし!そんな滅茶苦茶な状況で光が指す!
黒百合のヒメゴトが、宇宙人とバカによって……
不条理に……暴かれてしまうのだぁああああ!!
行け!一喜!お前がサワゲ部をこの窮地から……
救ってみせろぉおおおおおおおおおおおおお!!
そしてサワゲ部……なんと……次回で……ついに……
第1章!完結だぁあああああああああぁあ!!!
絶対に……見逃すなぁあああああああああ!!!」
次回! サワゲ部!!第13話「あの星その国、素敵な文化」
次回は拡大1時間スペシャルだぁ!!……お楽しみに!




