第13話「あの星その国、素敵な文化」
〈ここは笑ヶ丘学園……国内でも有数の……〉
――ガシャン!……ガララ……
〈有数の……〉
「どうするつもりなの……茜……」
〈エリート校……〉
「黒百合……説明をさせろ……」
〈エリート……〉
「タツナミくん……もしかして、まずいのです……」
〈エリート……?〉
「そうだなマルル……」
〈違うかも……〉
「まずいな……」
〈しれません……〉
「これは……」
『部長がキレそうだ!!』
〈ね……〉
…………
……
…
「説明?……何をどう……説明するのかしら?この状況を……」
もうダメだ……バカの爆薬で全てが台無しだ……
切り札も……何もない……もう……
「!!」
物理的に屈服させるしかない!!
「茜?……アナタまさかこの状況で……暴れるつもりかしら?」
許さないわ……そんな事をすれば……
「黒百合、いや…………姫子!……話を聞け!!」
話しかけ……自然と詰め寄るしかない……
この崩壊した雰囲気を崩すには……それしか……
「茜……申し訳ないのだけれど……これ以上近づかないでほしいわ……」
許さない…………でもそれ以上に……
近寄らないで……茜……
「生徒会室を半壊させたことは謝罪しよう……バカにもキツく言い聞かせる……!」
こいつの弱点を突き……弱みにつけ込むしかない……
しかし……しかし……!あまりにもそれは……
危険な賭けだ!!
「本当に近づかないで頂戴!本当に……本当に……!!」
……これ以上は!……ダメ!!
…………
……
…
「マルル……部長が暴れだしそうだ……どうしようか……」
イッキはまだ、この状況を理解していなのですか……?
さっきは変なテンションで、理解が遅れたのですが……
「タツナミくんのせいなのです……全部……」
お部屋がボロボロなのです……
――クシャ
「?……なにか踏んだのです……??」
これは……なにかの説明書?
「スキャン…………なのです……」
まさか……
――ブゥン
〈20個入り特大爆竹!!本製品はデンジャラスとDXが融合した夢の商品です!〉
「…………」
〈必ず1個ずつでの使用をお願いします。まぁ……複数同時で使用する――〉
「……――」
〈そんなバカはいないと思いますけどね(笑)用量用法を守って使用しましょう!〉
「 」
…………
「タツナミくん……爆竹は、同時に何個……点火したのです……」
まさか……
「ん?急にどうしたんだマルル?爆竹?」
そりゃ派手演出のために……
「残りの18個……全部だぜ!!」
テスト用で2個使用したからな!!
「…………」
イッキはバカなのですか……?
取り扱い説明書も、きっと読んでいないのです……
でも分かるのですよ……読まなくても……
「そんな事をしたら!!大爆発なのです!!!」
――ドドン!
《開ッ!戦ッ!!》
「許せ!黒百合!!」
《突撃!超福音 茜のフィジカルバースト!!》
「来ないでぇえええええ!!」
《絶叫!黒百合 姫子のソプラノバリア!!》
「加勢するぞ!マルル!!」
《馬鹿!龍波 一喜のナチュラルクラッシャー!!》
「絶対ダメなのです!……イッキ!!」
《混沌!モルマリル・マルルのキラーパス!!》
「一喜!なにか縛り上げる物を持ってこい!!」
解せぬ作戦だが……もうこれしかない!!
「部長!散乱していて何も見つけれません!!」
威力を出しすぎちゃった!!やばいよ……
部屋がめちゃくちゃだ!!やりすぎた!!
「もうヤメて頂戴!!これ以上暴れないで!!」
なんなのこの状況!!
この学園にあるまじき失態と……
光景は!!
――ワーワー!!キャーキャー!!
…………
「あわわ……あわわわわ……!」
戦争……戦争なのです……
「怪獣大戦争なのです!!?」
止めないと、まずいのです!!
「多次元ポシェットに何かないのです!?」
この状況を解決する……
便利アイテムは!!
――ガサゴソ!ゴソゴソ!!
「これは……」
飴なのです!美味しいけど今じゃないのです!!
――ガサゴソ!ゴソゴソ!!
「なにか……なにか……」
今度は……宇宙人のお面なのです!
なんで持ってきたのです!こんなの!!
――ガサゴソ!ゴソゴソ!!
「見つけるのです!何でも良いので――」
――ペラ
「ん?……これって……」
昨日の潜入で見つけた、ノート……?
「Killing・note……?」
あれ……?そういえば、このノート…………
名前がついてるのです……?この名前は……
クロユリ?……あとは読めないのです………
「イッキ!!これなんて読むのです!」
たぶんこれ……黒百合センパイの落とし物です!!
返すのです!!
「ん!?なんだマルル!今は忙しい!!」
加勢だ!加勢だぁ!!
「あ、あれは!?だ、ダメ!!!!」
ダメよ……それをバカに渡しては!!
「ヤメて!それを渡さないで!お願い!!」
「――!!」
なんだ……この黒百合の尋常じゃない慌てようは……
ものすごい焦りを感じる……よくわからんが……
「一喜!……マルルからそれを……」
あのブツは……
「受け取れ!!」
使える!!
「!!……了解です!部長!!」
華麗にマルルの元へ……
迅速に接近するぜ!!
「部長!受け取りました!!」
ん?黒い……ノート?
タイトルは……んん?
「黒百合姫子の花園観察??」
なんだこれ?夏休みの朝顔観察日記か?
――ダンッ!!
『返しなさい!!』
「うわぁ!!?」
黒百合会長、速!!?
もう近くに!!
《黒百合 姫子!100m……12秒フラット!!一喜並みの速さだ!!》
「一喜――」
無駄だ……黒百合……
「記録しろ――」
お前が陸上部に匹敵する速度でも……
「全てを――」
このバカの速度には……
「その脳みそに――」
追いつけん……
……――― !
『たたき込め!!!!』
――キラン!
「了解です!部長!!」
《一喜!行動開始ィ!!そして明かされる……真の能力!!》
――パララララララ!
《そう……龍波 一喜は……完全記憶能力者ではない……》
「――!」
何をしているの!?このバカは!!!
《超記憶能力者であり……その容量……30年分……》
そんな速度で読めるはずないわ!!
《そして……一喜の真の能力は……そこではない……》
速読の域を……!超えているわ!!!!
《"理解"を極限まで削ることにより……発動する……》
「返しなさい!!!!」
《ハイパー……》
――パシ!!
《スキャナー機能!!》
「インストール……」
《この間なんと!!》
「――完了」
《0.5秒!!!!!》
…………
間に合ったわ……タイトルからは予測は難しいはずよ……
「一喜……まずはどういった構成か、語れ……」
さて……どんな内容だ……
「了解です!」
な、何を言っているの?……茜は?
「1章から5章までの……」
え!?……な、なんで……!!?
「部長への……いえ……超福音 茜"様"への……」
ど、どういう事なの……!!!??
『愛のポエムです!!』
…………
「語れ……そのポエムとやらを……」
私への……愛のポエム……だと……?
「はい!前編フルボイス4K映像で……お送りします!!」
――――
――
―
〈黒百合 姫子 小学5年生〉
「男子!サボってないで掃除をして!!」
〈黒百合の性格は根本的に……〉
「あなた達も!女子トイレの掃除がまだよ!!」
〈この当時から……委員長気質なのだ〉
⦅なんだよあいつ、偉そうに!……命令するなよ!⦆
――ヒソヒソ……
⦅姫子ちゃんウザぁ〜……ちょっと勉強できて可愛いからって……ウザぁ〜……⦆
――ヒソヒソ……
「…………」
わかっているわ……私が皆に面倒くさい女だって思われているのは……
でもだからって……秩序を乱すのは……許さないわ……!
⦅おい……あいつちょっとイジメようぜ……!⦆
――ヒソヒソ
⦅それ良いな……!そうしようぜ!!⦆
――ヒソヒソ
…………
……
…
〈校舎裏〉
「黒百合……俺、前からお前の事が……好きだったんだ!!」
……!こここ、告白!?
どどど、どうしよう……
初めて告白されたわ!?
「あの……その……」
ダメ……!なんて答えれば良いか……
わからない!……どうしよう!!
「ププ……プププ……!」
?……なんで笑って……るの……?
「あはははは!引っかかった!!ひーひー!」
ひっか……かった……?
「誰がお前みたいなやつに告るかよ!!この真面目女!!」
ま!顔は可愛いけどな!!へっ!
「…………」
ひどい……
「あ?何だよ?急に黙ってよ?」
「…………」
男なんて……
「どうだ!嬉しいか!!」
「…………」
男なんて……
…………
大嫌い!!
…………
……
…
「…………」ポロポロ
嫌い……嫌い……
「…………」ポロポロ
男子なんて……
「嫌い!!」ボロボロ
――ドゲシ!
「――!?」
な、なに!?今の音!
「貴様……この超福音 茜様に対して……」
あ、あの子って……隣町の……笑ヶ丘小の……
「無礼極まりない態度を取るとは……」
超福音……
『万死に値する!!』
茜さん……
「なな!なんだよ!このデカ女!!ちょっと告白ドッキリ仕掛けただけだろ!!」
黒百合の反応が薄かったから、リアクションのデカい女でリベンジしたけど……
「痴れ者が!!貴様如きが、私と対等の関係になれると思っているのか!!」
――ドゲシ!ゲシ!
「うげぇええ!?」
めちゃくちゃ強ぇえええ!!?
男子に……勝っている……それも……
一方的に……圧倒的に……力強く……
「凛々しい……」
この出会いで私は……
茜に……対して………
恋が芽生えた…………
…………
……
…
〈黒百合 姫子 中学入学前〉
私は茜と同じ私立中学に通いたくて……
親に無理を言って入学を頼み込んだ。
そして追いかけるように猛勉強をしたわ。
私自身、元々勉強は出来る方だったけど……
それでも、茜の通う中学はどう考えても……
レベルが違ったわ
「笑ヶ丘学園……付属中学……」
この中学校は将来有望な人材を育成するために設立された……
所謂、エリート校……そんな中学校に私は、中途編入で入ったわ
「エスカレータ式だから一般入試は……地獄ね……」
そう……この中学は、小・中・高とエスカレータ式で入るのが常識……
でも、今年からその古い校風を取りやめると……
現・笑ヶ丘学園の学園長が……宣言したの
「でも……絶対に受かって見せる……!」
〈―結果発表―〉
「ギリギリ……合格……」
どう考えても……入試レベルが桁違いだわ……
「面接で好印象を与えれたのが、救いね……」
付属中学の校長先生が秩序を重んじる方で助かったわ……
でもこれで……
「茜様にお近づきになれる!!」
…………
……
…
〈登校当日〉
⦅あの娘……凄く……かわいいな……⦆ヒソヒソ
男子の視線……
⦅君、ちょっと声かけてみたまえ……⦆ヒソヒソ
下世話な会話……
⦅う、うむ……行ってくる……!⦆
打算的な態度……
「君?新入生かい?……笑ヶ丘中学へようこそ!」
先輩かしら……でも男子……
「どうだい?僕と一緒にお茶でも……如何かな?」
…………
「遠慮しておきます……」
な、!コイツ……学年32位の僕に対してこの態度……
すこし……解らせるか……
――ガシ!
「――!」
う、腕を……掴まれた!?
「は、離してください!大声を出しますよ!」
ふん!無駄さ……この中学は成績よりも家柄が物をいう……
そして僕は……エリート御曹司さ!
「まぁまぁ……そう言わずにさ……楽しもうよ……」
本当に可愛いな……この娘……
――スリスリ
「ヒィ…!」
腕を撫でられた……!
気持ちわるい……!!
「あっちの影でちょっとだけ――」
――ドゲシ!ドン!!
「うげぇええええ!?」
な、なんだ!?腹に丸太でも打ち込まれた様な……
この衝撃は!??
――カツン
「貴様……女子に対して何をしておる……」
あ……茜……様
「!!お、お前は!!超福音 茜!!」
――ドゲシ!!
「違ああぁあう!!私は……超福音……」
――カツン!!
『茜様だぁあああああ!!!』
ドドン!!
…………
「ひ、ひぇえええええ!に、にげろぉお!!暴君茜だ!!」
――バタバタ!ドタドタ!
――シ――ン――
…………
「腰抜けが!二度と顔を見せるな!!」
ふむ!スッキリした!
エリート共を成敗するのは愉快だ!
さて……
「怪我はないか?」
あ、茜様……
「どうした?固まって?」
茜様……
「そう言えば名は何という?」
…………
「黒百合……姫子……です」
「黒百合 姫子か……随分と可愛い名前だな……」
ふむ……制服の色合い的に……同学年か……
「そうか……私は超福音 茜だ……」
美しいわ…………茜様……
「これからよろしく頼むよ……」
なんて凛々しいの……
「姫子……」
…………!!!?
「キュ~バタン……!」
な!?き、急に倒れおった!!?
「大丈夫か!姫子!おい!……姫子……!」
ひめこ……
「しっかりしろ……ひ…め……こ…………」
…………
……
…
観察!監視!解読!解剖!
所作をすべて見逃さないわ!
〈ここからは……お見せ出来ないほどの……花園が……〉
黒百合 姫子の名にかけて……
〈黒百合ワールドが展開される……よってここからは……〉
茜様の全てを記録するわ!!
〈現実に戻りましょう……非常に残念ですが……現実に……〉
――――
――
―
「…………」
これは……なんと言って良いか………
反応に困るな……なぁ……姫子よ……
「黒百合 姫子は、おしたいしております。超福音 茜様を(棒読み)」
9割以上理解出来ないけど……
それでも、吐き出すぜ!!
「この気持ちは恋を超えた愛でございます。ですがこの気持ちは……(超絶棒読み)」
そろそろ終わりだ!!
「墓場まで持っていきます。(ハイスペックウルトラ棒読み)」
…………
「…………」
終わったわ……私の学園生活が……
「部長!以上です!!!」
ふぅ〜……長文を言葉に出すのは疲れるんだよな〜
「黒百合……いや……」
泣きたいわ……泣き崩れたいわ……
『姫子!!』
…………
「な、名前で呼ばないでぇ……/////」
キュンキュンしちゃう!!
「そうか……お前は、私が死ぬほど好きなのだな……」
ここまで好意を向けられるのは、気恥ずかしいが……
「それならば……サワゲ部を……」
だが、あまりにも利用価値が……
「認めろ!」
あり過ぎる!!
…………
「 」
冷静になりなさい……黒百合 姫子……
「…………」
たしかに弱みは握られたは……
「・・・・」
それも特大の……弱みを……
「――――」
でも……屈しないわ……だって私は……
「――――!」
茜が認める……冷静冷徹の……
「!!!」
鉄女よ!!
…………
「断固拒否よ……茜……」
な!?こいつ!この状況で拒否だと!!
「貴様!この状況をわかっておるのか!!」
弱みを握ったどころの騒ぎではない!!
どう考えてもコチラが…………有利だ!!
「理解しているわ……それでも、なお……」
…………
『断固拒否よ!!!』
――ドドン!!
弱みを握られるも決して揺るがない!
それがエリート束ねるトップの姿!!
想い人の凛々しい顔にも甘えずに……
――黒百合 姫子は立ちふさがる!!!
秩序と規則を徹底し……
愛と――平和を――――
守り抜く!!!!!
………………
つ……つ……つ……!
「ぐぬぬぬぬぬぬう……!!!!」
強すぎる!!どこに抵抗できる要素があるのだ!!
「バラせばいいわ……でも、もし一言でも噂が広まれば……」
なんだと言うのだ!言ってみろ!ぐぬぬぬ!!!!
…………
「今日の惨事を学園長に報告します……」
…………
「それは……」
「いいの?茜?……アナタが慕う人に――」
非常に……
「無様な惨状を一言一句……丁寧に――」
果てしなく……
…………
『報告するわ!!!!!』
まずい!!!!!
…………
「黒百合……冷静になれ……」
そして私も冷静になるんだ……
「凄く冷静よ……超福音さん……」
飲み込まれてはダメよ……姫子……
「こうしようではないか……『黒百合生徒会長』……」
非常に不服だが……この提案しかない……
「言いたいことは分かるは……『サワゲ部 部長』……」
…………
「部を認めろ……そんな一方的な事は言わん……その代わり……」
…………
「貴様の譲歩案を提示し……し……し…………してください!!!」
非常に不服だぁあああ!!!!
「…………」
学園に爆発物の持ち込み……
生徒会室を爆破……半壊……
そんな存在の部活動を………
認めるわけにはいかない……
でも……
「断固拒否とは言いました……しかし……」
認めなければ、こちらも"まずい"状況よ……
「あなた達3人は、明日……1日限定で……」
だから、この条件を飲ませることで……
「風紀委員に所属しなさい……」
成立する
…………
「な、なんだと!?」
貴様……何を言っているのか……
「それを持って……サワゲ部の設立を……」
理解しているのか!!!!
『受理します!!!!』
…………
「ダメだ……黒百合……それだけは飲めん……」
ん?どうしたんだ部長?どう考えても最高の条件じゃないか!!
「部長!飲みましょう!1日だけですよ!!それで全部解決です!!」
――ゴツン!
「貴様は黙っておれ…………黒百合……考え直せ……それだけはダメだ……」
わかっているわ……茜……でもこれ以上は譲歩できない……
「あの軍隊共の中で……1日たりとも……」
そう……筋肉風紀部隊……あの組織は……
『耐えられん!!!』
地獄よ……
ついにサワゲ部が……この学園に……命を灯す!!
しかしそれは……命を燃やす……条件付きだ!!!
我慢のときだ!耐えろ……!!耐え抜け……!!!
サワゲ部!!!!!!!
…………
……
…
――帰りますよ!部長!!
――離せ!一喜!!やめんか!!
――ワーワー!ギャーギャー!!
…………
「これで……体裁は、保てた……かしら……」
危なかったわ……私の生活が……
崩壊するところだった……
「あの〜……黒百合センパイ……」
――キュン♡
「な、なにかしら……///」
だ、ダメぇ!!初めて見た時からこの娘……
可愛すぎるわぁああ〜♡
「センパイは……お名前を呼ばれるのは……イヤなのです?」
…………
「…………」
深刻な悩みかしら……
うん、表情でわかるわ……
「いえ……ただ恥ずかしいだけよ」
何か抱えているようね……この子……
「アナタは名前を呼ぶのに、抵抗があるのかしら?」
そうじゃ……ないのです……名前は……
「私の故郷では……名前は……その……なのです……」
なるほど……宗教的な事情ね……
「このほし……この国では……名前はどうなのです……?」
名前……ね……
「日本でも名前を呼び合うのは……親しい仲が……一般的ね」
そうなのですね……この星でも……やっぱり……
「それでも呼び合う……そんな存在は……きっと……」
…………
「きっと素敵な……友だちだと……そう思うわ」
…………
「素敵な……お友達……」
友達……アカネも……
「ええ……きっとよ」
イッキも……
…………
「わかったのです……ヒメコ!!」
――きゅん♡
「――――!!!」
きゃ〜この子!今の説明を聞いて……
私の名前を呼んだ……!可愛すぎるわ!!!
「失礼するのです!!」
――ガチャリ!
「あぁ……かわいい……天使だわ……」
――――
――
―
〈メルメルポ星〉
「本当に良いのか?……マルル……」
不安だ!不安過ぎる!!
「パパ……大丈夫なのです!!」
この星の文化を……伝えるのです……
必ず!!
「マルル!!お前が今から向かう星は地球という星だ……」
安心させなければ……
「この星とは比べ物にならないくらいに……」
少しでも和らげるのだ……
「低文明だ!!そして決め台詞は……"侵略"だ!!」
娘の緊張を!!
…………
「そうなのです?」
地球を調べましたが……
そんなに低文明な感じは
しなかったですよ………?
でもパパが言うなら……
「そうなのですね!!」
…………
……
…
「ママ……そういえば今から向かう星は……この星と一緒で……」
…………
「名前は特別なのです……?」
名前の存在を解明するために……
地球を選んだのですが……
「名前?そうねぇ……」
不安なのです……
「地球の……ニホンという国を目指しなさい……」
この子に名前を理解させるには……きっといい国……
「ニホン?」
たしか……小さな島国だったはずなのです……
「そう……ニホン……その国はね……この星と近い感覚の……名前文化よ……」
…………
「でもね……きっとマルルが気に入る……」
…………
「素敵な国よ」ニコリ
――――
――
―
素敵な……国……素敵な……友達……
〈マルルは思う……〉
名前を呼び合うのは……素敵な事……
〈母星の秩序は理解の上で……〉
「おーい!早く来いよ!プリンなくなるぞ!!」
〈それでもなお……〉
「早く来んか!今なら5個は食べれる程に、むしゃくしゃ、している!!」
〈静かに……思う……〉
「急がんか!!」
アカネ……
「いくぞ〜!」
イッキ……
〈文化と理解を汲み取り……〉
「待つのですよ……!」
〈満面の笑みで……〉
「アカネ!」
〈晴れやかな気持ちで……〉
「イッキ!」
〈素敵な意味を込め……〉
「「帰るぞ!サワゲ部に……」」
〈大切な"名前"を――〉
「「マルル!」」
〈大切な"心"に――〉
「はいなのです!!」
《刻み込む》




