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第十四話


 私は今、3年前共に世界を旅した少年とその少年のクラスメイト?の少女と一緒に出掛けている。

 少女の名前は、結城梓。今回私と同じくこの世界に勇者として召喚された人物である。

 そして少年の方の名前は、八神光と言って私の世界を救ってくれた救世主だ。



 久しぶりに見る彼の成長した姿は、私の心臓を痛いくらいに高鳴らせた。



 ……背が伸びてなんだか大人っぽくなったな。



 彼は、チキュウのニッポンという国から私達の世界に聖剣の勇者として召喚された。

 召喚された当初の彼への私の印象は、いいものではなかった。

 なんていうか、彼は男のくせによく弱音を吐いたり、優柔不断だったのだ。

 当時の私は、彼の弱気な態度に腹を立て、よく怒っていたのを覚えている。

 だけど、彼と旅を続けていくうちに私は、次第に彼の優しさや心の強さを知り惹かれていった。

 結局、私は、思いを告げることなく彼が自分の世界へ帰って行ってしまうのを見送った。

 彼が、いなくなってしまってからの最初の三ヶ月くらいの私の状態は、酷いもので思い出したくない。

 そうして月日が経ちようやっと失恋の痛みから立ち直ったのも束の間、なんと今度は私が異世界に勇者として召喚されてしまった。

 召喚された異世界で私は、彼から引き継いだ聖剣を頼りに戦いを重ねやがて、『光輝の剣』という二つ名で呼ばれるようになる。この頃には、勇者が大分いたについてきた気がしていて多くの戦場に積極的に赴くようになっていた。

 思えばつい先日の戦いは、そんな自分の思い上がりに罰が下ったのだろう。

 私達は、魔人の最高位である十魔将シン•ヴァンガード率いる奇襲部隊に襲われ、あわや全滅しかけた。

 なんとか同じ勇者である、ユウとリサそしてアズサを逃がそうと死を覚悟したその時にヒカルは、現れた。

 成長していたけど私は、すぐにヒカルだと分かった。

 自然と涙が溢れて気付いたら、彼に抱きついていた。

 ヒカルは、そんな私を優しく受け止めてくれそして私から、聖剣を受け取ると敵と戦い、打ち倒した。

 




 私はその時の事を思い出しながら、自分とアズサ2人に挟まれ気まずそうにしているヒカルを見つめた。

 今のヒカルからは、あの時の苛烈な様子は、一切感じられない。



 普段は、弱虫なのにああいう時は、とても頼もしい。

 ……ずるいなぁ。

 


 ぼおっとヒカルの横顔を眺めていたら視線に気づかれてしまった。



「なに?」


 どこか助けを求めるよう彼の表情に、なんだか嗜虐心が湧いていつい私は、意地悪な事を言ってしまう。


「いや、ヒカルは私が知らない間に随分女たらしになってしまったんだなと思って」


「な、何言ってるんだっ。こ、これは、そんなんじゃ……」


 真っ赤な顔で反論してくるヒカルが、なんだかおかしくて頬が緩むのを感じた。

 隣にいるアズサは、そんなヒカルを見て少し不愉快そうにした。

 アズサは、きっとヒカルに好意を抱いている。



 負けられないな。

 


 私は、更にヒカルの腕をきつく抱きしめした。

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