第十五話
私は、言いようのない不可解な気分を感じている。
その原因は、分かっている今現在私の隣にいる八神光というクラスメイトの男の子だ。
私達は、2ヶ月ほど前に日本からここ異世界マクシアに私は、勇者、八神君は、ただの巻き込まれた一般人として召喚された。
先日私は、同じように勇者として召喚されたクラスメイトで親友の2人橘君とリサの窮地を救う為に魔人族と戦った。
でも、まるで歯が立たななくて殺されそうになった時、ただの一般人であったはずの八神君が圧倒的な力で私達の窮地を救ってくれた。
実は、彼異世界召喚は今回が初めてでなく以前にも召喚されたことがあり、その時の仲間であったステラさんが偶然マクシアに召喚されており彼女がこの世界に勇者として召喚されているのを知り、以前の世界で使っていた聖剣という武器を彼女から返してもらいその力で私達を助けてくれたということらしい。
あまりにもざっくりした説明で、私には、事態がよくわからなかったけど彼が実はとても凄い人で私達を救ってくれたのは理解した。
なんとかちゃんとお礼を言いたかったけど、この間私は一方的に彼を責めてしまった気まずさから、中々彼に話しを出来ないでいた。
橘君やリサにアドバイスをもらったりしてようやく決心がついて、八神君と話しをしようと思った矢先にタイミング悪くステラさんも彼に用事が、あったらしい。
私は、なんだかこのままだと八神君がステラさんに取られてしまう気がして彼らについて行くことにした。
そして気付いたら私は、八神の腕を強く抱きしめていてのだ。
は、恥ずかしい。
胸が凄いドキドキしているのを感じる。
八神君を見ると困ったような表情
をしていた。
ステラさんは、そんな彼をからかうような言葉をかけ、彼は、満更でもなさそうに顔を赤くさせた。
で、でれでれしてる!
「むう」
私は、なんだか気に入らない気分になってしまう。
このままじゃいけないととりあえず、話しかけてみた。
「八神君とステラさんは、今日何を買いにいく予定なの?」
「そ、そう言えば僕も聞いてなかったな。ステラ何を買うつもりなの?」
ステラって呼び捨てなんだ。別にいいけど。二人は、前からの知り合いなんだし。
私と彼の問いかけにステラさんは、ふむと手をその形のいい顎において答えた。
「私の武器をヒカルに返してしまったからな。今日は、新しい武器を買いに行く予定だ。」
「あ、そうだよな。なんかごめん。」
罰が悪そうに八神君が頭をかきながら謝る。
「なに、ヒカルが気にすることないよ。もともと聖剣は、私じゃ使いこなせないんだ。本来の使い手であるヒカルが持つのが自然なことだ。」
「って言いわれてもな。余計な手間をかけさせたの僕なんだしさ。まぁ、今日はとことん付き合うよ。」
「ふふ。相変わらずヒカルは、真面目だな。よろしく頼むよ。」
ステラさんは、目を細め微笑を浮かべ八神君の言葉にうなづいた。
「わ、私もステラさんには、この間お世話になったから今日は、お買い物手伝いますねっ!」
ほっておくと2人は、特別な空気を作ってしまうので私は、必死に自分の存在をアピールした。
なんなんだろうなこの気持ち。
私は、自分がどうしたいの今だよく分からず心の中でため息をついた。




