5.ごはんをあげたら、ポイントが増えました。
「はい、どうぞ」
『ルーの目』を手に入れたあと、私は『ルーのごはん』も10Pで交換してみた。
さっそく、その『ルーのごはん』をルーへ差し出す。
『ルーのごはん』は、見た目だけなら、まるで小さなあんぱんのようだった。
「ぷぅ!」
ルーが期待するように、ぶるんっとスライムボディを揺らす。
「……」
でも、これ……どうやって食べるのかしら?
ルーは『ルーの目』を手に入れ、ぷるんとした体――顔? には、小さな目がついた。
けれど――口はない。
もしかして、『口』もポイントと交換しなければならないの?
だって口がなかったら、何も食べられないじゃない!?
私が焦り始めた、そのとき――。
ルーの体から、にゅっと手のような触手が伸びてきた。
まるで小さな子どもが精いっぱい腕を伸ばして、「ごはん、ちょうだい!」とねだっているように見える。
「ここに置けばいいのね?」
私は、その触手の先へ、そっと『ルーのごはん』を置いた。
すると、触手はごはんをつかんで持ち上げ――。
ぽいっ。
そのまま、スライムボディの中へ放り込んだ。
しゅわ~!
炭酸水が弾けるような、しゅわしゅわと心地よい音が響く。
ルーの半透明な体の中で、『ルーのごはん』が溶けるように消えていった。
「……食べた?」
いや。
これは、食べたというより――。
「吸収?」
「ぷっぷぷー!」
ばいん、ばいん、ばいんっ!
明るい鳴き声を上げながら、ルーはこれでもかというほど体を弾ませる。
うん。
まるで「美味しーい!」と歓声を上げているようだった。
そのとき――。
テッテレー♪
聞き覚えのある明るい音が、ステータス画面から鳴り響いた。
画面へ目を向ける。
『おめでとう! はじめてペットにごはんをあげたね!』
そして――。
『はじめてボーナスで、100ポイントをプレゼントするよ!』
「ごはんをあげただけで、100ポイント!」
画面に『+100P』の文字が浮かび、所持ポイントが『260P』から『360P』へと変わった。
ごはんに使ったのは10ポイント。
それなのに、戻ってきたのは、その10倍の100ポイントだ。
「ごはん代より多く戻ってきた……!?」
「ぷぅ!」
私のツッコミに答えるように、ルーが楽しげな鳴き声を上げた。
◇◆◇
調子に乗った私は、そのあと『ルーのおやつ』も10Pで交換した。
こちらもルーに差し出すと、伸びてきた触手が器用につかみ、そのまま体の中へぽいっ。
しゅわ~。
「ぷっぷぅ~!」
ごはんのとき以上に嬉しそうに、ルーが大きく跳ねる。
「ふふっ。おやつの方が好きなのかしら?」
そんなことを考えていると――。
テッテレー♪
やっぱり鳴った。
『おめでとう! はじめてペットにおやつをあげたね!』
そして、また――。
『はじめてボーナスで、100ポイントをプレゼントするよ!』
「また100ポイント!?」
おやつと交換して350Pになっていた所持ポイントが、一気に450Pへと増える。
「10ポイント使ったのに、100ポイント戻ってくるなんて……」
思わず頬が緩む。
「これ、ものすごくお得じゃない?」
「ぷぅ!」
私の言葉に答えるように、ルーが元気いっぱいに跳ねた。




