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異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第1章 異世界ポイ活、始めます。

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4/45

4.100ポイントで、目を買いました。


「……470ポイント」


 一気に増えた数字を呆然と眺める。


「ぷぅ!」


 ルーがステータス画面の前で跳ねた。

 まるで「ここを見て」と言っているようだ。

 促されるまま画面へ視線を向けると、そこには新たな文字が表示されていた。


『ポイントは、ペットに使うこともできるよ!』


「えっ、相棒ってペットだったの!?」

「ぷっぷぅ!」


 ルーは、ばいんばいんと大きく跳ねる。

 全身で「使って!」と訴えかけられているような気がした。


「何に使えるのか、まだよく分からないけれど……まあ、見てみるだけならいいわよね」


 表示の下に現れた『YES/NO』のうち、『YES』を選ぶ。

 画面が切り替わった。


 たわしなどの下に、ルーに使えるらしい新たな項目が追加されていた。

 

『ルーのごはん/10P』

『ルーのおやつ/10P』


 そのあたりは、分かる。


 ルーには、ごはんやおやつが必要なのだろう。

 けれど、それ以上に私の目を引いたのは――。


「『ルーの目』!?」


 思わず、画面を二度見する。


 目って何!?

 怖いんだけど!


 目がなくても、ルーは周囲の様子を感じ取れているらしい。

 先ほども、ステータス画面の表示を教えるように跳ねていた。

 けれど、わざわざ『目』が交換用のアイテムとして並んでいるということは――。


「もしかして、ちゃんと見えてないの?」


 急に心配になり、私はルーを見つめた。

 けれど、目も口もないルーは、ただぷるりと体を揺らすだけ。

 何を考えているのか、まったく分からない。


「うーん……」


 もう一度、画面へ視線を戻す。


『ルーの目/100P』


 100ポイント。決して安くはないが、今なら余裕で使える。


「ぷぅ?」


 私を見上げるように、ルーが小さく鳴いた。


「うっ……!」


 ルーと出会ってから、まだ数分。

 一時間どころか、十分も経っていないかもしれない。

 それなのに、私はもう、この小さなスライムにすっかり愛着を抱いてしまっていた。


「そんなふうに鳴かれたら、放っておけないじゃない……」

「ぷぅ?」

「もう、悩んでも仕方ないわ!」


 私は勢いよく『ルーの目』を選択した。

 すると、画面の中央に確認表示が現れる。


『100Pを使って「ルーの目」と交換しますか?』


『YES/NO』


「もちろん、YES!」


 迷いを振り切るように、『YES』を押す。


 その瞬間――。

 画面上部の保有ポイントが変化した。


 【470P】


 から――。


 【370P】


「ああっ、ごっそり減った……!」


 分かってはいた。

 でも、一度に100Pも使ったのは初めてだ。

 実際に減った数字を見ると、衝撃を受ける。

 けれど、そんな私の気持ちをよそに――。


「ぷぅ!?」


 ルーの体が、ピカッと眩しく輝いた。


「わっ!」


 思わず腕で目元を覆う。

 

 数秒後。

 光が弱まったのを感じて、そっと目を開けると――。


「…………!」


 そこには、先ほどまでとは少し違うルーがいた。

 つるんとして何もなかった顔らしき部分に、小さな瞳が二つついている。

 黒くて、まん丸で。

 きらきらとこちらを見つめる、つぶらな瞳。


「目がついた……!」

「ぷっぷぷ~!」


 ルーは嬉しそうに、ばいんばいんと何度も跳ねた。


「見える? ちゃんと見えてるの?」

「ぷぅ!」


 返事をするように鳴いたかと思うと、ルーはその勢いのまま私の胸へ飛び込んできた。


「わっ!」


 慌てて両腕で受け止める。

 ひんやりと柔らかな体が、胸元に甘えるように寄ってくる。


「もう、危ないじゃない」

「ぷぷ~」


 そう言いながらも、口元が緩んでしまう。

 さっきまで表情なんてまったく分からなかったのに。

 今は、新しくついた瞳が嬉しそうに私を見つめている。


「ふふっ。そんなに嬉しいの?」

「ぷぅ!」


 何を言っているのかは、まだ分からない。

 けれど、その小さな瞳で私をじっと見上げる姿を見ていると――。


『ありがとう! よく見えるよ!』


 そう言ってくれているような気がした。


「……ルーの目、交換して正解だったみたいね」

「ぷっぷぅ!」


 私の腕の中で、ルーが嬉しそうに大きく弾んだ。


 

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― 新着の感想 ―
ルーちゃん可愛いです。 100p減った事に「ごっそり減った」と数字を気にしてる感じが主婦でしかなくて笑ってしまいました(笑)
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