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異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第3章 美食の街、クリスディア。

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48/50

48.紙おむつを譲ってください。


「たわし? 武器じゃないならどうやって使うの?」

「掃除や洗濯に便利ですが、このたわしは持ち手が付いてるので、靴を洗ったりするのに便利ですよ!」


 ミランダ様の質問に、ジルティアーナ様がすらすらと答えた。

 だが相変わらず、ミランダ様はあまり興味がなさそうだ。


 ……まあ、普通の貴族は掃除や洗濯なんてしないしね。


「じゃあ、これはどうですかね?」


 私は新たにポケットティッシュとウェットティッシュを取り出した。


「何これ?」

「これはっ!」


 首を傾げるミランダ様。

 それとは対照的に、嬉しそうなジルティアーナ様。


「これっ! 開けてもいい?」

「どうぞ、どうぞ。たくさん持ってきましたので」


 私は他の皆さんにもポケットティッシュとウェットティッシュを配った。

 ジルティアーナ様は慣れた様子でポケットティッシュを開け、一枚取り出した。


「おー! ちゃんとティッシュだわ」


 ジルティアーナ様の顔の前でふわりと揺れる一枚のティッシュ。

 リコ以外の皆さんが、目を丸くした。


「これは……紙?」

「紙!? 透けるほど薄くて、すごくやわらかいですね」


 それぞれから、驚きの声が上がる。


「きゃっ!」


 声を上げたのは、ステラさんだった。

 私が見ていることに気づくと、少し恥ずかしそうに続けた。


「すみません、冷たくて驚いてしまいました」


 それにクスリと笑うジルティアーナ様。


「確かにウェットティッシュって、濡れてて冷たいからびっくりするわよね」

「ウェットティッシュ?」

「さっきのもティッシュと言ってましたが……両方ともティッシュなのですか?」


 ジルティアーナ様の言葉に、フレイヤとヴィオレッタ様が首を傾げた。

 私は、ティッシュとウェットティッシュを一枚ずつ取り出すと、その二枚を並べた。


「水分を含んでいるかどうかと、使い道が少し違うんです」


 私の説明に、ジルティアーナ様が肯定するように頷き、持っていたティッシュをぴらりと揺らした。


「この普通のティッシュは、鼻をかんだり、口元などの軽い汚れを拭くときに使うのよ」


 私はウェットティッシュを見せて、引き継ぐように続けた。


「こちらのウェットティッシュは、水分を含んでいるので、ベタついた汚れを拭くのに便利です。孤児院では子どもたちの手や口を拭いたり、おむつ替えのときに使っています」

「……おむつ?」


 私の説明に、再びフレイヤが首を傾げる。

 ……あ、そうだった。


「おむつっていうのは、この世界でいう“むつき”のことよ」


 そう言いながら、私はマジックバッグからおむつを一パック取り出した。


「紙おむつ!?」


 声を上げたのはもちろん、ジルティアーナ様だ。

 他の方々は、不思議そうにおむつのパックを見ている。


「それが、むつき?」

「使うのは中身ですよ。一パックに30枚入っています」


 私はパックを開け、中からおむつを取り出して見せる。

 皆様がおむつを興味深そうに観察する中——。


「ナディアさん!」

「はいっ!」


 大きめな声で、ジルティアーナ様に突然呼ばれ、反射的に返事をする。

 すると、私の手をがしっと両手で手を掴まれた。


「お願いします! この紙おむつ、何パックか譲ってください!」  

 

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