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異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第3章 美食の街、クリスディア。

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41.あなた、日本人?


 私は隣にあったジルティアーナ様の私室に案内された。 

 今ここにいるのは私と、私の胸に抱いたルー。

 目の前には、ジルティアーナ様とリズ様。

 三人+一匹だけ。

 他の人たちは、先ほどの応接室に残されている。


 先ほど、ジルティアーナ様は確かに「日本」と言った。

 私が知っている日本であれば、それは異世界のことだ。

 

 なんで……ジルティアーナ様がその言葉を?


 そう思っていると、ジルティアーナ様が一冊の本を出した。

 そこには……日本語。

 内容は料理のレシピのようだが、志摩子が慣れ親しんだ日本語が書かれていた。


「あなた、日本人?」


 びくりと、思わず肩を揺らす。

 恐る恐る顔を上げると、そこにはやさしく微笑むジルティアーナ様がいた。


「わたしもね、日本人だったの」

「ティアナ様っ!」


 思わぬ告白に息を呑む。

 それと同時に、リズ様が制止するようにジルティアーナ様の名を呼んだ。


「大丈夫よ。レーヴェとステラが“問題ない”と言っていたでしょう」

「そうですが、ティアナ様が日本人だったなどと伝える必要は……っ」

「リズ」


 ジルティアーナ様が、まっすぐリズ様を見つめる。


「こちらが誠意をもって本音を話さなければ、前世の話なんてできないわ」


 リズ様は何か言いたげだったが、口をぎゅっと閉じ、一歩下がった。

 ジルティアーナ様が視線をふたたび私に向ける。

 その青い瞳を見て、私も覚悟を決めた。


「はい。私には前世の記憶……日本という国で生き、死んだ記憶があります」


 視線が絡まる。

 ジルティアーナ様は「そうですか」と静かに言い、リズ様が新たに淹れてくれたお茶を飲んだ。


「もしかして、前世の記憶を思い出したのは最近なのかしら」


 私は頷く。

 

「二か月ほど前に思い出しました」

「えっ!?」


 目を見開くジルティアーナ様。

 リズ様が控えめに聞いてきた。

 

「それは……お体は大丈夫なのですか?」


 お体? なぜ、そんな心配を……?

 

「はい、体は元気ですけど」


 とりあえず、質問に答えた。

 おふたりは顔を見合わせた。

 ジルティアーナ様が口を開いた。


「……ナディアさんは、死んだわけではないの?」

「死!?」


 どういうこと?

 私は現に生きていますけど!?

 混乱していると、説明をしてくれた。


 ジルティアーナ様たちは、私のような転生者は「元の体の持ち主が亡くなったあと、別の魂が入った」のだと考えていたらしい。


「じゃあ……ジルティアーナ様は?」


 沈黙。

 少し間を空けて、ジルティアーナ様が静かに答える。


「元のジルティアーナは……おそらく、亡くなっているわ」


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