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異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第3章 美食の街、クリスディア。

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39.領主様のもうひとつの顔。


「ジルティアーナ様……もしかして、ルーちゃんの言葉が分かるんですか?」


 私が聞いていいのか迷っていた質問を、すぱっとフレイヤが口にした。


「えっ!?」


 驚きの声を上げたのは、私……ではなくジルティアーナ様。


「私たちには、ルーさんが『ぷぷー』と鳴いているようにしか聞こえておりません」


 リズ様が、静かにジルティアーナ様に伝えた。

 ……私はリズ様のルーの鳴きまねが上手すぎることに驚いた。


「ぷぷー」——『じるたーな、るーがいってることわかるのー?』


 ルーが体を傾け、ジルティアーナ様に尋ねる。

 それに焦ったのは、私だ。


「ルー! ジルターナじゃなくて、ジルティアーナ様よ! あと、呼び捨てもだめ!」

「ぷー」——『えー』


 ルーを抱きしめながら注意していると、ジルティアーナ様がルーに笑いかけた。


「ジルティアーナは長くて呼びにくいわよね。よかったら“ティアナ”って呼んでね」


 まさかのスライムが、上級貴族の領主様を愛称で呼ぶなんて恐れ多い!

 けどルーは、私の思いなんて察することはなく、


「ぷぷぅ!」——『てぃあな、わかったー』


 と、のんきに答えた。

 

 いや、さすがにまずくない?

 

 困っていると……。


「ティアナ様とナディア、いいなぁ。私もルーちゃんと話してみたい」

「ふふ、確かにお話ができたら楽しいでしょうね」


 フレイヤのぼやきにヴィオレッタ様が笑った。


 ……って、なんであんたまで“ティアナ”って呼んでるのよ!


「ティアナ様、ちゃんと説明して差し上げないと、ナディア様とリコ様が困ってらっしゃいますよ?」


 ステラさんがそう声をかけると、ジルティアーナ様が私たちを見た。


「ごめんなさいね。色々驚かせて」

「いえ……」


 よく分からんけど、そう答える以外どうしようもなかった。

 するとヴィオレッタ様が、補足するように教えてくれた。


「私たちも普段は“ティアナ様”って呼ぶことが多いのよ」


 そして続ける。

 

「ティアナ様はね、平民の方たちから遠慮のない意見を聞くために、領主であることを隠して活動されることが多いの。そういうときは“ジルティアーナ様の専属・ティアナ”として過ごされているのよ」


 ……はぁ!? そんなこと可能なの?


 驚きいてジルティアーナ様を見ると、彼女は「えへへ」と頭を掻きながら笑った。

 ……たしかにその姿は、領主どころか上級貴族の御令嬢には見えなかった。


「領主様に本音って話しにくいでしょ?」


 それはそうかもしれないけど……。

 思わず、リコと顔を見合わせる。


 クリスディアの領主——ジルティアーナ様は、かなり変わった方のようだった。


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