↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第2章 怖い院長、やめてみます。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/45

23.やばい資料……?


「ナディア」


 呼ばれて顔を上げると、フレイヤが続けた。


「あなたも孤児院の子どもたちと、ジューススタンドをやってみない?」

「えっ!」


 予想外の提案だった。


「あなたがこのミキサーに魔力を込めて、子どもたちにジュースを売ってもらうの。孤児院運営の助けになると思うわ」


 フレイヤは一枚の紙を差し出してきた。

 私はよく分からないまま、その紙を受け取った。

 そこに書いてあったのは、ジューススタンドの収支報告書だった。


「こんなに儲かるの!?」


 私はそこに書いてある数字に目を奪われた。

 売上はさることながら、注目すべきは利益!

 材料や人件費を差し引いても、利益率が異様に高かった。

 

 最初は、「子どもたちを働かせることで人件費を抑えているのか?」なんて失礼なことを思っていたが、収支報告書にはちゃんと「子どもたちへの報酬」という項目もあり、それは決して少ない数字ではなかった。

 それでもなお、この利益。

 ——すごすぎる!


 そして、はっとする。


「ねぇ、フレイヤはなんでこの収支報告書を持ってるの? これって、大切な資料なんじゃ……?」


 普通の平民が経営している店なら、貴族の特権で簡単にこの資料を手に入れられるだろう。

 だが、先ほどフレイヤは言った。

 

 このジューススタンドには領主であるジルティアーナ様が関わっているって。

 領主まで関わっているお店の収支報告書を、簡単に入手できるとは思えなかった。


「これ、まさか……やばい資料……?」

「ごふっ!」


 私が恐ろしい疑問を漏らすと、フレイヤはお茶を吹き出した。

 ごほごほとむせながら、叫ぶように言った。


「そんな訳ないでしょ! 領主様の大切な資料を、私が勝手に持ち出せる訳がないじゃないっ」


 まあ、それもそうか。

 じゃあ、なんで?


 その疑問に応えるように、口元をハンカチで拭いたフレイヤが続けた。


「ジルティアーナ様があなたに見せるようにって写しを下さったのよ」

「なんで、領主様が私に?」

「あなたが私に頼んだでしょ。『孤児院の子どもたちと、みんなでクッキーを食べたいから、なるべくたくさん買ってきて』って」

「うん」


 確かに頼んだ。


「私じゃ、前回渡したくらいの小さな箱しか買えないから、ジルティアーナ様に相談したのよ」

「ジルティアーナ様に相談!? フレイヤ、領主様とお知り合いなの?」


 しかも、そんな頼みごとができる間柄なんて、すごくない? 

 と、思ったところで、アカデミー時代のことを思い出した。

 

 ——下級貴族で、アカデミーではあまり目立たなかったフレイヤ。

 だが、いつの間にか上級貴族であり、宰相のご令嬢であるヴィオレッタ様と親しくしていたし、ヴィオレッタ様が卒業したと思ったら、上級貴族になったミランダ様とも親しくなり、さらには王子様までフレイヤに声をかけてきて、驚いたことも思い出した。

 そう思うと——。


「……フレイヤって昔っからそうだったわね」


 うん。王子様に比べたら、領主様に頼みごとができることくらい、普通に思えてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。