↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ポイ活、始めました〜婚約破棄された悪役令嬢ですが、私だけ「ポイント」が貯まるようなので毎日お得に暮らします〜  作者: よつ葉あき
第2章 怖い院長、やめてみます。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/45

21.変わった、ナディア。


「……ミキサー?」


 日本でジュースを作る時に使っていた、ミキサーそっくりなものがそこにあった。


「えー! ミキサーのことも知ってたの?」

 

 フレイヤは、私がミキサーまで知っていたことに残念そうな顔をしたが、ミキサーを撫でながら得意げに続けた。


「これはね、ミランダ様たちが作ったのよ」

「ミランダ様って……」


 その名前には聞き覚えがあった。

 

「私たちの同級生でフェラール商会に嫁がれた、あのミランダ様?」

「うん」


 私はミランダ様とあまり親しくはなく、挨拶をする程度の間柄だった。

 ただ、在学中にミランダ様のお母様が上級貴族に嫁いだことで、ミランダ様自身も中級貴族から上級貴族になり、アカデミーでもずいぶん噂になったことをよく覚えている。


 そして——せっかく数少ない上級貴族になれたというのに、彼女はアカデミー卒業直後、中級貴族であるフェラール氏と婚姻し、あっさり上級貴族という立場を捨てた。


 そんな彼女を見て、志摩子の記憶を取り戻す前のナディアは……。


「せっかく上級貴族になれたのに、馬鹿な選択を……」と思いつつも、自分の意志を貫く姿をどこか眩しく思っていたのだ。


「……ナディア! 聞いてる?」

「うわぁ!」


 はっと我に返ると、目の前にフレイヤの顔があり、思わず大きな声を上げてしまった。


「もー! 大事な話、してたのに」

「ご、ごめん! もう一度教えてくれる?」


 謝る私に、フレイヤは目を丸くする。

 そして、首を傾げた。


「ナディア、なんか変わったね。前だったら……」


 そう言うと腕を組み、じろりと私を睨む。


「聞いてるわよっ! 近くで大きな声を出さないでちょうだいっ」

「……」

「なんて、言ってたのにっ!」


 それは、私のマネ?

 ……って、まずい。

 最近、孤児院の中では演技をやめ、素直に子どもたちと接してしまっているので、油断してた。


 どうする?

 今からでも、以前のナディアみたいにした方がいい?


 なんて考えていると……。


「よかった」


 その声に顔を上げると、フレイヤは嬉しそうに笑っていた。


「アカデミーを卒業して、いきなり孤児院を任されて……どうなるか心配してたけど」


 言葉が途切れた。

 フレイヤと目が合う。

 彼女は、やさしい笑顔で続けた。


「さっき私を孤児院長室に案内をしてくれた子どもと、ナディアが笑顔で話しているのを見てびっくりしたの。

 ……楽しく過ごせてるみたいで、安心したわ」


 その言葉と笑顔を見て、「この子は、本当にナディアのことを心配してくれてたんだ」と改めて実感した。


「それで、なんでミキサーなんて持ってきたの?」


 この世界には天職があり、スキルがある。

 スキルはとても便利なものだ。

 その反面、志摩子の世界と違い、対応するスキルを持っていないと出来ないことも多かった。

 

 特に驚いたのは、料理だ。

 志摩子の世界では、苦手な人こそいても、多くの人が普通に出来たことだ。

 普段ほとんど料理をしない人はいるが、小さい子どもでもなければ一度くらいは包丁を握ったり、火を使ったことがあるだろう。

  

 だが、この世界では——

 料理は、【調理】のスキルがないと出来ない。

 この孤児院では人数が多いため、孤児院のスタッフの中に【調理】スキルを持つ者がいて、調理場でごはんを作ってくれるが、各家庭ではそうではない。


 【調理】スキルを持つ料理人でもなければ基本的に料理が出来ないので、料理人を雇える貴族や富豪を除いて、一般家庭にキッチンは基本的にないのだ。


 だから——フレイヤが持ってきたこれが、日本にあったあのミキサーと同じものなのだとしたら、立派な調理家電だ。

 

 それをどうするつもりで持ってきたのだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。