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クラスの陽キャが僕と罰ゲームで一ヶ月付き合うことに。別れる前提で全力で恋人を楽しんだら、彼女が別れたがらない。  作者: 水海雫
第一章 理想の恋人ライフ

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漢な角田は黙らない!

リビングにはとんでもない空気が蔓延していた。それは背筋が凍るほど冷たい気配とともに角田の背筋をぞくぞくと襲う。


「な、なに言ってるの辻井さん?」


角田がやっとのことで出した声はそんな情けないものだった。しかし、その声には穂乃果も望も反応しない。


「じょ、冗談はやめようよ?ね?」


望に問いかけるも一切返事はない。


「角田は少し黙ってて」


「え?い、いや……」


穂乃果の言葉にそれはできないと言おうとするとさらに言葉を遮るように望が言う。


「うん。角田は黙ってて」


「え……はい……」


二人の物も言わさぬ迫力に角田はただ言われたとおりにするしかなかった。それから二人は見つめあい少ししてから穂乃果が口を開く。


「……なんとなくそんな気がしたけど……本気なの?」


穂乃果の問いに望は静かにだが、力強く頷く。


「さっきの会話聞いた……だからこそ負けられないし穂乃果には正直に真正面から戦いたいの」


望の言葉に少し驚いた風に目を開き穂乃果は面白そうに笑う。


「……聞いたのに遠慮しないんだ?」


「うん……しちゃいけないと思ったよ」


望の目は確かにまっすぐに穂乃果を打ち抜く。


「そう……でも、私は幸せにならなくちゃいけないの」


「うん。知ってる。だけど負けないから」


※ただ妹ができるだけです。


こうして穂乃果は望の宣戦布告を受け取った。


それが女同士の戦いの始まり……のはずだった。


「あのさ!!」


その時、角田は大きな声を上げる。


「え?な、なに?」


先ほどまで二人の迫力に押し負けて静かにしていたのに急に立ち上がりしゃべり出すので穂乃果は驚いた。


「佐藤さん。ごめんなさい!!」


それは見事なまで深く頭を下げた謝罪だった。


「え……な、なにが?そ、それに佐藤さんって……」


完全に穂乃果は意表を突かれていた。まったく謝られる見覚えなどないはず。そして、望も同じく混乱していた。


(え?どうしたの!?)


こんなことは予定にないし望が角田に言ったのは話を合わせてくれと言うことだったはず。


だが、二人の疑問は簡単にそしてある意味当初の予定通りになる結末に進む。


「実は……佐藤さんが罰ゲームで告白してきたって知ってて利用してたんだ!」


「「え……え!?」」


穂乃果と望の声が重なる。別々の理由で二人は予想もしない展開に驚いていた。


(し、知ってた!?始めから!?)


穂乃果は純粋にその事実に驚き。


(な、なんでこのタイミングで!?)


望は予定にない角田の行動に驚いていた。そうしてそれぞれ驚愕していた。しかし、角田は止まらない。


「この機会でなくちゃ恋人との生活なんて味わえないと思ってその……楽しんでたんだ!」


思いの丈を吐いていく角田。その勢いは止まらない。


「それで……その……色々佐藤さんに言ったりネックレスあげたりしたけどあれは……」


「あ、あれは?」


角田の言葉に非常に嫌な予感が脳裏に浮かんだ穂乃果の言葉は震えていた。


「全部、恋人としてではなくて友達として仲良くなりたくて言ってた言葉なんだ!」


角田の声は佐藤家に響き渡る。それは確かに穂乃果の耳にも届いていた。


「そ、それはほんと?」


穂乃果の問いに角田は静かに頷く。それを見て穂乃果は壊れた人形のように小さく笑いだす。


「ふ、ふふ……天罰ね……ふふふ」


「ほ、穂乃果しっかりして!?」


しばらくの間、穂乃果はぶつぶつと謎の呪文のようなものを吐き続けるのだった。


___________________


「……つまり、今日望が話したがってたことはそのことだったってわけね……」


「うん……ごめん」


「ごめん」


何とか正常に戻った穂乃果に今までの経緯を話した結果、案の定へこむ。


「……いいの。元々は私たちが悪いんだしね……」


「そ、それはそうだけど僕も紛らわしいことばっかり言ってたから」


「「うん。それはそう」」


「うっ、ごめんなさい」


角田の自首に二人はそろってダメ出しをする。そして落ち込む角田を見て二人は顔を合わせて可笑しそうに笑う。


「あーwwほんと私たち何してたんだろーね?」


「ねー可笑しいww」


「??」


二人の何かが通じ合った瞬間だったが角田には全く理解できずただただ困惑していた。


「ねえ、角田はなんで急に自分から勘違いを告白してくれたの?」


「そうだね。予定ではそんなことなかったでしょ?」


「え?だって辻井さんが真摯に佐藤さんに向き合ってから僕も真摯でいようと思って……それに私に話合わせてって言ったからさ」


「え?いや、それはただ黙ってて見届けてほしかったからでそういう意味では……ふふふ」


望は耐えられず笑い出す。


「ふふふ、ここでも勘違いなんてほんと……角田ね」


「ほんと、それww」


「……それって褒めてるの?」


「「褒めてない」」


穂乃果と望は満面の笑みでの否定だった。


「え?それはどっち?」


「さあね?たまには角田が困りなさい」


「そうそう、たまには角田が困るのはいいことだよ」


「え、えー……」


二人は楽しそうにそう言って二人で笑っていた。そんな二人に角田は何もできずただ、戸惑っていたのだった。


こうしてくしくも勘違いから妙なところで漢覚醒の角田によって勘違いが解けるといったことになったのだが……


(……これからは真正面から堂々勝負だよ。穂乃果)


小さな勘違い(お母さんが亡くなったと勘違い)を望に残したままステージは次に続くのだった。


_________________


次回!!


僕、婚約者できました!


え………まじ?
















読んでいただき、ありがとうございます。

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