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クラスの陽キャが僕と罰ゲームで一ヶ月付き合うことに。別れる前提で全力で恋人を楽しんだら、彼女が別れたがらない。  作者: 水海雫
第一章 理想の恋人ライフ

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最高な無自覚者

「なるほどね…へえーそうなんだー」


「は、はい。なので決して浮気とかそういうことではないんだよね?辻井さん」


「う、うん!そうそう!決して浮気なんかじゃないよ!」


角田と望は体をビクつかせながら必死に穂乃果に事情を説明する。それはもうビビりながら。


「……はあ」


すると彼女は大きくため息を吐き正座している僕と辻井さんを見下ろしながら仕方なさそうに口を開く。


「今度からはそういうことは私に連絡して……心配になる」


そう言うと穂乃果は背を向ける。


「ほ、穂乃果~~!!」


「ちょっと!?」


そんな穂乃果を見て望は感極まり彼女に抱き着く。友達だからこそ真剣に彼女が怒っているのも分かった。そして本気で心配していたことも分かった。それが望は嬉しくてたまらなかった。


(……いいな……)


角田はそんな二人を見て少しだけ感傷的になっていた。万年ボッチの角田にはこの光景は眩しすぎていた。


「角田も分かった?」


「え?ぼ、僕も?」


「当たり前でしょ?約束してたのに約束の場所に来なかったら心配するに決まってるでしょ?」


その穂乃果のまっすぐな目を見てさすがに角田も確信していた。彼女はただ本当に心配してくれている。


(そんなこと久しぶりだな……)


両親は基本的に僕には無関心で仕事のことばかりでそんな心配をされたのは本当に久しぶりだった。だからだろうか。


「うん……分かった」


自然と口元が微笑んでいた。


「うん。分かったならいい」


そう言って彼女は満足そうに胸を張る。


(彼女が本気で僕を好きならか……)


先ほどの辻井さんの言葉が頭を過る。

正直本当に分からない。だけど……


(少なくても彼女といるのは悪い気はしないな……)


だからきっと僕と彼女は………にはなれる。


「あのさ、穂乃果」


「うん?なに?」


彼女は抱き着いている辻井さんを引きはがしながらこちらを向く。


「将来(別れた後)はもっと仲良くなろうね?」


「「え?」」


その言葉に望と穂乃果は大いに反応して角田を凝視する。


「えっと……それは将来(結婚)に向けて頑張ろうってこと?」


「うん!将来(別れた後)向けてだね!」


「そ、そうかーふへへ」


穂乃果は角田の堂々の婚約発言に驚きながらも心底嬉しそうに笑う。それはもうだらしがない顔で。


(うんうん。この感じなら僕と彼女は別れた後も仲良くお友達になれるかな?)


※角田は純粋に友達として穂乃果と仲良くなりたいだけです。婚約云々は穂乃果の拡大解釈です。


そんないつも通りすれ違う二人だったがここで新たなるすれ違いが起こる。


(ふ、振られた………短い恋だったな……)


辻井望は一人静かに疑似的な失恋をしていた。だが、それも仕方ない。彼女からすれば先ほどの会話の後に将来もっと仲良くなりたい発言だ。つまり、もし穂乃果が角田を好きなら付き合いたいと言っているように彼女には聞こえた。


(でも……私は諦めたくない)


だが、彼女は簡単にあきらめきれなかった。故に穂乃果がにやにやしている隙をつき角田に近寄り耳打ちする。


「私も角田と仲良く(恋人)なりたい……」


それは彼女なりの宣戦布告だった。あなたを奪ってみせる。そういう合図だ。


そんな彼女からのまさに苛烈な発言を受けて角田はと言うと望にだけ見えるようにサムズアップをしていた。


(え……え------!!)


辻井望は混乱した。角田を混乱させる気でやった行為でまさかこちらが混乱することになるとは微塵も思わなかった。


(ど、どういうこと!?ま、まさか………角田は私にも好意があるの?)


※彼女は完全に混乱しています。


ど、どうしよう!?角田はハーレムを作る気なの!?


※再度言いますが彼女は混乱しています。


「あのさ、もしよかったら明日の休日にこの三人で改めて穂乃果のプレゼントを買いに行かない?辻井さんはよく穂乃果のこと知ってるし、穂乃果も相談してプレゼント選べるかなって思うんだけど」


「え!?」


混乱する望にさらに爆弾が落とされた。それはさらに彼女の混乱を深くさせる。


「うん!どうせだしそうしようかな」


穂乃果がそれもいいかなって言うように賛同する。


「え!?」


(う、嘘でしょ!?な、なんで穂乃果も賛成なの!?)


望からすればまったく意味が解らなかった。好きな人とせっかくのデートなのになんで他の女が参加することを快く許可するのかが。


しかし、それもまたすれ違いが起こさせた奇跡だった。


(ふふ、私は婚約者……ふふ)


穂乃果は浮かれていた。一時は罪悪感で押しつぶされそうだった彼女だがそれも彼からの熱い求愛発言で消されて完全に浮かれている。つまり他の女の同行を許したのは所謂正妻の余裕からだった。


_________________________


望が混乱する中で角田は浮かれていた。


(将来……いや、今は一人友達ができた………ふふ)


彼からすれば下記のような状態になっている。


穂乃果⇨将来お友達確定。

望⇨さきほど友達に自分もなりたいと言われた。


以上から角田の脳内では確定で二人の友達ができていることになった。それ故にこのお出かけは角田からすればただのお友達三人でのお出かけになっている。


(あー楽しみだなー!!)


角田栄吉 15歳。


無自覚からのすれ違いで彼は起こす。最高にとんだ状況を。


読んでいただき、ありがとうございます。

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