第70話 親睦
そしてgdgdなのは婚活だけではなかった。
「ふむ。チキン二票、ダブルスープ1が三票、ダブルスープ2が三票……」
「綺麗に割れましたな」
大旦那様、まだ「プラシドの栄光」をどんなラーメンにするか迷っていらっしゃる様子。プロスペロさんと一緒に顎髭を揉み揉みしている。
「いやプラシド様、麺とトッピングの選定はこれからですが……」
「ううむ、まずはスープだけでも皆の意見を聞きたかったのだがな」
「具材との組み合わせで支持する味も変わりますからな」
再起動したペドロさんが、しれっと厨房から麺や具材を運んでくる。
「うおっ、なんだその肉!」
「すげェでけェ!」
「そうそう、これこれ! やっぱチャーシュがなきゃ始まんねェぜ!」
プリニオとポンシオは、ワゴンの上の肉塊に目が釘付け。チャーシュー原理主義のパキトが自分の功績のように胸を張る。
「パスタまでこんなに種類があるのか……」
「食うっ、さっきから汁ばっか飲まされてたからな! こんなもん、いくら食っても止まんねぇぜ!」
盛り盛りの麺に期待を寄せるセベリノさんとサバスさん。
「違うんだよなァ、やっぱこの野菜なんだよ。背脂とニンニクマシマシでこう、カッ込む瞬間がさぁ」
「だからそれクッせぇんだよ!」
大旦那様たちについてきた、昼バイトのティトさんとトニョさん。彼らはG郎系と反G郎系でずっと争ってる。
「皆の者、替え玉は自由だ。存分に味わうがいい」
「むおッ! な、なんだこれはァァ!!」
ズゾッ! ズゾゾッ!
ポルフィリオ氏が開眼した。目新しい料理を食べると、みんな少なからずテンションが上がるもんだが、血管が何本かダメになるような勢いは、夜バイトのティモテオ級だ。
「おお、お前もこの美味さがわかるか! ほれ、どうだ。こっちのほうれん草も試してみなさい」
「新作の味玉もだ!」
大旦那様とプロスペロさんに囲まれて、ポルフィリオ氏がわんこそば状態で次々にトッピングを吸い込んでいく。すごいな。あの人、食が細いイメージだったんだけど。
「なにあれ。すんごい勢いね」
「まあ、この美味さだ。気持ちはわかるがな」
静寂の翼の二人の冷静なツッコミ。
「それにしても、この骨で取ったスープってのはいいわねぇ。具材が少なくてもいい味が出るし、お肌にもいいんでしょ?」
「あとは燃料の問題か……」
「ああ、豚は短時間だとダメだけど、鶏ガラなら一時間くらいでいいダシが取れるぜ。コクはねぇけどな」
「マジか! よっしゃ、レッサーコカトリスをバチクソ狩ってやるぜ!」
「そうだ。豚と鶏でスープが取れるなら、ウサギや鹿はどうかしら?」
「うまくいけばチビ共が喜びそうだな!」
エルマノスの皆さんと二番弟子ぺぺ氏が意気投合している。というか、ぺぺ氏も孤児院出身のようだ。彼らの関心は、ラーメンを通り越して孤児院の食生活改善に向かっている。
「……なあ、ロドリゴ。お前がやりたかったのは、こういうことなのか?」
「いやぁ……とりあえず、お集まりいただいた皆さんの親睦は深まったようですし……」
そして肝心の試食の方も、結局ラーメンの好みは人それぞれということで落ち着いた。
「ウサギ、鹿。なるほど、トビアスに相談だ」
そんな会場でただ一人、ペピトだけが黙々とビジネスアイデアを手帳にまとめていた。今日の合コンの真の勝者は、彼かもしれん。
「というわけで、ワシとポルフィリオは交代で研究所に詰めることとなった」
月曜日。事務室に出勤すると、ポルフィリオ氏の代わりにプロスペロさんが復帰していた。
「そりゃ、決裁なんかは滞りがちでしたし、ありがたいんですけどぉ」
「なんだピオ。ワシが戻ると不満か」
「いや、ポルフィリオさんだけチャーシュメン食い放題とか、ズルくないっスか?」
「バカもん、あっちはあっちで煩雑な事務作業が山積みだ! くだらん事を言う暇があれば、黙って手を動かせ!」
「ヒェッ」
番頭代理のポルフィリオ体制もピリピリしていたが、本来の番頭プロスペロさんも厳しい人だ。そして結局、欠員状態は継続したまま。ピオ氏はブツブツ言いながら書類に向かった。
オチまで書けなかった!
なんか中途半端なところで終わってごめんなさい!
また明日!




