chapter64 召喚士と従魔師の違い
オレたちは朝食を食べ終え、ルークさんのもとへ向かった。
「ルークさん、おはようございます」
オレが声をかけると、ルークさんは振り返った。
「ああ、おはよう。ん? メンバーが増えたのか?」
どうやら上坂さんのことが気になったらしい。
「そうですね。召喚士の子なんですけど、前のパーティから追放されたみたいでして。
部屋の前で途方に暮れていたので助けたんです」
オレが説明すると、ルークさんは少し驚いたような顔をした。
「そうなのか。それにしても召喚士か……。追放したやつらは惜しいことをしたな」
オレたちは話をしながら目的地へ向かう。
「惜しいこと……ですか?」
オレが尋ねると、ルークさんは頷いた。
「ああ。召喚士は高等職業だから、戦力になるまで時間はかかる。だが、育てば非常に強力な存在になるんだ。
召喚士になるには、無属性魔法から派生する『契約魔法』を習得する必要がある。習得さえできれば、あらゆる魔物と契約できると言われている。精霊や悪魔、天使のような強力な存在とも契約可能らしい」
「そんなに凄いんですか?」
「ただし、従魔師とは仕組みが違う。
召喚士は契約が成立すれば、魔物の意思に関係なく従わせることができる。その代わり、意思の疎通は基本的に一方通行だ。召喚士から命令は出せるが、魔物の考えを直接知ることはできない」
なるほど。
「一方、従魔師は魔物と意思疎通を行いながら契約する。だから交渉次第で仲間になってくれることもあれば、問答無用で断られることもあるんだと」
「大変そうですね……」
「それだけじゃない。従魔師には適性もあるそうだ。自分と相性の良い魔物を探さないといけない」
ルークさんは苦笑しながら続けた。
「どちらにもリスクはあるが、一般的には召喚士の方が需要は高いと言われているな。
ただし召喚士にも危険はある。自分の力量を超える魔物と契約した場合、制御できずに暴走され、契約を破棄されることもあるそうだ」
「従魔師は大丈夫なんですか?」
「意思疎通ができる分、その辺りは多少マシらしい。ちゃんと従ってくれる魔物なら暴走の心配は少ないそうだ。
まあ、契約できても言うことを聞いてくれない魔物もいるらしいから、結局は相手を見極める必要があるんだけどな」
そんな話を聞きながら、オレたちは郊外へと移動したのだった。
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