進んでいく日々
ポメロの名前を借りていていいのかとエスクードに尋ねればそれは貴女次第ですと言われた。
望実が贈り人としてオランジュを王に据えたいのなら名乗った方がいいし、そうでないのならこのまま王妃としていた方がいいというアドバイスに望実はまだ迷っている。ただ、あの部屋にいる人にだけはなるべく早めに話した方がいいとは思っているが。
オランジュに相談したときはオランジュはひとまず祭りが終わるまでは皆にも隠しておいた方がいいと言われた。
すっかりあちらこちらトレジャーハンターみたいに色んなものを見つけ当てた日々が嵐のようですっかり忘れていたが四年に一度の国の祭事があるのだ。各国からゲストもくるしのんびりしている暇はない。
贈り人だと知られると面倒だもねと言えばオランジュは心配そうな顔で色んな意味で物理的に危ないからですと望実の手をぎゅっと握った。物理的にいうとやはり何も言わずにさらわれたり言うことを聞けと脅されたりするのだろうかと望実が眉間に皺を寄せて考えているとペッシュがそっと寄ってくる。
ペッシュから言われた言葉に望実が顔をあげてミリアを見れば困ったようにミリヤも頷く。
それはないといったらオランジュに必死な顔で護衛も沢山つけますが魔道具や、隠れる技を持っている人もいるので気を付けてくださいねと念を押された。
贈り人だとわかるとまず伴侶にと各国が動くと言うのはエスクードにも言われた事だがむしろ子供の方が重要とはと望実は唸る。
今の望実の立場もそうだが、王になる相手の後ろ楯になると言うのは本人以上に権力を持つことになる。血の繋がった子供なら影響力は更に強くなるだろう。ということで夜這いや襲われる可能性があると言われたのだ。どっかの誰かのせいで嫌になるほど自分の無力は知っているのでそれに関しては気を付けようと思っている。
「明日はようやくオランジュ様が待っていたピクニックですね」
「そう、昨日議会で各村への保証も可決されたし祭事の準備以外は少しゆっくりできそうでほっとしているところ」
「特に反対派からの抗議もなくすんなり終わったようですね」
「そうね」
すんなりと言うかエスクードが病を治す方法を妃殿下と大司祭が見つけた。協力する地域から聖女を送ると言ったからだ。協力しなければ見捨てますと脅したようなものだ。
ペッシュにはこれからあちらこちら行ってもらうことになるので申し訳ないのだがオランジュと結託して望実が行く事になるぐらいなら喜んでいくと言われてしまった。
二人が仲がいいのは嬉しいのだが、そういう仲の良さになってほしいわけではなかったので複雑な気分だ。
「とりあえず明日の準備をしないとね」
「そうですね。気合いをいれて準備しましょう」




