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最奥へ

俺は女神パクス様の言葉を胸に、レッドゲートの最深部へと急いでいた。


彼女が語った「贈り物」――女神達から一体どんなものが頂けるのかは不明だが、俺の安寧が叶うというモノ…俺はとにかく足を速めた。


ダンジョンの通路は広く、赤い岩肌が不気味に輝いている。周囲にはもう誰もいない。冒険者たちは既に撤退している。そのかわりに俺の前にはAランクからSSランクまで、様々な魔物が立ち塞がっている。


だが、俺が慌てることはない。神域で神々を屠った時に得た称号『死神』と共に手に入れた「死魔」の邪眼が、ここでは力を発揮する。神を殺して授かったこのスキルが、なぜ魔物にも有効なのか、当初は疑問だった。しかし今、その疑問は意味を失った。


Sランク以下の魔物は、私の視界に入った瞬間に消滅する。魔石も一緒に消えてしまうので、普段使いは難しい。冒険者にとって魔石は貴重な収入源だ。俺だってSランク以上の魔石なら例外だ。だが今は違う。「贈り物」を受け取ることだけが最優先事項だ。


俺はダンジョンを走り抜ける。レッドゲートの特徴は、発生時に複数の階層を一層に圧縮することだ。そのため、最深部への道は長く、苦労が伴う。最短で到達する方法はただ一つ――出現する魔物を消し去り、走り続けること。


超高レベルになった俺でも、何層分もの距離を邪眼を維持しながら走るのは重労働だ。魔力の消耗は激しい。結局、途中で俺は諦めた。邪眼を解除し、周囲に蠢く魔物を手早く一掃し、浄化魔法で場を清めた後、聖域を展開する。


アイテムボックスからブランケットを取り出し、目覚まし人形を15分設定にセットする。そして仮眠を取ることにした。少しでも体力と魔力を回復させなければ、最深部での戦いに支障が出る。


15分後――

顔面を猛烈な勢いで蹴り飛ばそうとするドワーフ型人形を、私は咄嗟に左手で防ぐ。


「寝てるんじゃない、この怠け者!」

人形はじいさんのような怒声で俺を叱る。


この人形は、異世界にいた時に本物のドワーフに作ってもらったものだ。確か……二つ目、いや三つ目だったか。もらった当初は、毎朝蹴られて大変だった。人形のくせにBランク相当の威力で蹴りを放つので、起きないと本当に痛い。


「はぁ……仕方ない。起きるか」

私は身支度を整え、立ち上がる。人形をアイテムボックスに入り入れ、最深部へ、再び歩き始めた。


その後、さらに一時間が過ぎた。

ようやく、最深部のダンジョンボスが待つ扉に到着した。扉は暗紅色で、不気味な紋様が刻まれている。ここから先には、贈り物がある――そして、それを守る強大な敵がいる…はずだ。


俺は深呼吸を一つする。邪眼を再び活性化させ、魔力を最後まで調整する。贈り物を受け取るため、もう一歩を踏み出す準備を整えた。


扉の前で、俺は少し考えた。パクス様が言っていた贈り物とは何だろう。女神たちからの直接の賜物は、異世界ですら稀だ。この地球では尚更。それを受け取る資格があるのか、自分自身に問いかけながら、扉に手を伸ばした。


こうして、レッドゲート最後の戦いが始まる――

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