071⚫️イミテーション・ゴールド
銃を突きつけると、乗客は素直に金品を差し出してくる。
ドンゴロスの袋に次々と投げ入れる。
大入りだ!
やったぞ!復讐の一発目として幸先がいい!
意気揚々とオレたちの島に帰ってきた!
上陸してパーティーが始まる。
あれ?水平線から、ドクロの旗をあげた黒い大きな船が来るぞ?
見る見る近づいてくる。同業者か?
「おお、お疲れさん!あんたらもうまくやったんだな!」
ドレークと名乗る海賊船長が話しかけてくる。
「そっちも海賊か?」オレは恐る恐る尋ねた。
「そうだよ!まだ、2週間だがな。いやあ、講習はきつかったよなあ!」
「講習?」
「そうだよ!あんたら先輩だろ?流石だな!もう免許講習のことなんか、記憶の彼方ってことなんだな!」
よくわからん。ボスも怪訝そうな顔をしている。
「おお、いい稼ぎじゃないか。評価もあがるぞ!歩合制部分の給料も増えるな!うちも頑張んないとな。青いボートを見つけなくっちゃ!」
ちょっと、ちょっと待て!青いボートっていっぱいいるのかあ?
「あたりまえやん。あっ、先輩たちには常識だから、もう意識しなくても仕事できるのかあ。」
ドレーク船長とその乗組員たちも、自分たちの袋を取り出した。
中にはオレたちより少ないが、獲物がたっぷりと入っている。
「イミテーションとはいえ、このオモチャ、よくできてるよなあ。この金貨なんて、ぱっと見るとホンモノだよなあ。」
イミテーション?オモチャ?うぇ?なんだとお?!
ドレークたちは島で休息を取ると、海に戻っていった。
金貨を割ってみる。ピンチベックかあ!
宝石は?これもニセモノなのかあ!
海賊という観光業だと!
講習を受けて免許を取る、観光客は目印の青いボートに乗って
海賊の襲撃を待つのか。
用意されていた’貴重品’を次々と渡す、って筋書きなのかあ。
うわっ!頭の上に飛行体!
ロープを伝ってヤバそうなのが、次々と降りてくる!!
「無免許はイカンな。どこの企業のモンだ?非公認で営業するのが、ちょくちょくいるからな。ま、罰金と強制送還ね。」
トホホ……。またかあ。
船は没収、手ぶらでまた振り出しに戻るのか。
ボス、そんなにがっくりしないでくれよ。
オレ、何だか泣きそうになりますよお。




