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科学とオカルトの交差点(Gravity Ghost Gear開発史)  作者: 高戸 賢二


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Vollendungswerk(フォルエンドゥングスヴェルク)(1)

 後世の歴史家から「アステロイドベルト事変」、通称「沈黙の殲滅戦」と呼ばれた、錬金術研究所周辺で起きた紛争から半年余り。

 1万機の3Gを拿捕したエクセル・バイオと錬金術研究所。誰でも憑依し動かすことができるのが3Gの利点ではあるが、コックピットの役目を果たすSTARシステムが無ければ意味はない。手に入れた3Gに憑依できる者は、自力で幽体離脱できる者に限られていた。

 エクセル・バイオの主要メンバーは自力で幽体離脱ができるものの、基本的に抱えている研究や開発などが忙しく、3Gに憑依し別の仕事をしている暇などないのが実状である。

 結局、戦闘もなく暇を持て余している永遠の輝き団のメンバーが3Gに憑依して「GU改・計画」の建設の協力をしていたのだった。

「GU(Gravity Urbanization=人工重力都市化)計画」とは、ISCO主導で推し進められている「宇宙移住100年計画」の肝となる「G-City」の元となった計画である。

 G-Cityは直径100㎞の小惑星を10㎞厚の円盤状に輪切りにしたものを土壌とし、中心部のGBUシステムで重力を含む環境のすべてを調整している。上部の平面部は居住区と農業地区及び森林地帯で、下部は外周部に宇宙港を設置し、中央部には鉄鋼、電機、クローン肉などの各種工場施設が立ち並ぶ。100万人~1000万人規模の都市が複数集まって宇宙国家を形成するものである。

 一方のGU計画。こちらは1000㎞×1000㎞×500㎞厚さ20㎞の巨大な二等辺三角形の大地から構成される。上部が居住区、下部が工業区という構造はG-Cityと同じだが、大きさが巨大な分、人口は1億人が余裕をもって暮らせる設計となっていた。

 現在は巨大な大地を造成するための小惑星を、永遠の輝き団が憑依した3Gにて搔き集めているところである。


 3Gでの仕事を終えて休憩中のレイラが、佐藤洋子がプロデュースする錬金術研究所のオープンテラスのカフェを訪れていた。甘いものが好きではないレイラだが、非番になるとここに来てはスィーツを頬張っている。

「レイラちゃん、美味しい?」

「ん」

 レイラの正面の席に座った佐藤洋子が問いかけると、レイラは子供のように頷いた。

「へへへ、その新作スィーツはね、かの有名なお店のスィーツを私なりにアレンジしたものでね・・・」

 始まった。佐藤洋子はおしゃべりが大好きなので、レイラの軽いリアクション一つで10分以上もしゃべり続ける。世情に疎いレイラには洋子の説明はさっぱりわからないのだが、構わず楽しそうにしゃべる続ける洋子といると何故か心が落ち着いていくのだ。

 不意にレイラの目を誰かが後ろから両手で隠す。

「だ~れだ?」

「ふぇ???」

 声の主は佐藤洋子に問いかけているようだ。いや、普通は背後から目隠しした場合、目隠しした本人に問いかけるものじゃないのか?何故、レイラの目を隠す必要がある?だいたいESPの感知能力を持つレイラには、目隠しなど子供だましにもならないのだが。

 レイラはESPで背後の人物の魂を視るのだが・・・魂に色がない?誰だ?佐藤洋子のクローンであるホムンクルスに憑依しているようだが・・・

「あ、ゼーだ!!やっと来てくれたんだね!!」

 え?ゼー?ゼーナカディヤのことか?ゼー姉ちゃんがどうやって・・・?

「やっぱり洋子にはバレちまうんだな」

「ゼー、会いたかったよ」

「ただいま洋子」

「おかえり~」

 佐藤洋子は満面の笑みを浮かべた。



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