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主人公の登場


「うぃーす……」


「お疲れ様です。序列第四位、如月沙綾到着しました」


 俺が雑に挨拶する一方で、如月はフルネームを名乗るというご丁寧な登場をした。


「おお、待ってたぞ。早く席についてくれ」


 そんな俺たちを迎えたのは少し真面目な顔をした大輝だった。


 そして。


「やぁ。久しぶりだね黒崎くん」


 もう一人俺に挨拶してきたのは仁だった。


「お疲れ様です。ほんとに久しぶりですね」


 軽い会釈をして用意された俺の席へと座った。


「あっれー?見ない顔が一人いるねーえ。君はだーれだい?」


 座ってすぐに反対側に座る一人の男から声をかけられた。


 組んだ足を机の上にのせて、俺の方をじっと見てくる。


 なんだこいつ。やけに上から目線というか、イラっとくるな……。というかいけ好かないイケメンというだけで俺の好感度はマイナスだった。


「もしかして俺に聞いてます?」


「そーとも。君は初めて見るメンツだからねーえ」


 なんだろうか、しゃべり方がおかしいだけでこんなにも殴りたくなるのは気のせいだろうか。


「お前は初めてだっけか。あの人が生徒会長だぞ」


 俺が机の下で拳を握りしめていると、隣に座っていた大輝が耳打ちしてくる。


 あんな奴が生徒会長だと……?チャラすぎないか。この学園の治安はやばいんじゃないのか。


「ってか、生徒会もこの会議に来てるんなら和葉さんはどうしていないんだよ?」


「副会長は表の仕事だからな。今頃は決闘祭のあれこれを指揮してるだろ」


 わざわざ『表の仕事』なんて言い方をするということは、会長の方が裏の仕事を担当しているという意味なんだろうか。


「まあ、あの人のサポートはもう一人いるから大丈夫だ」


 ん?会長のサポート?どういう意味だ、と大輝に聞こうとした時、会長の後ろに立っていた女子生徒が動いた。


 どこからか大きくて丈夫そうなハリセンを持ち出すと、生徒会長の頭を思いっきり殴りつける。そしてこう続けた。


「いつも言っていますが、あまり下級生に変な関わりを持たないでください。あなたは人格が糞みたいに腐っていますので、下からへつらって接しないと下級生が怯えてしまいます。わかりましたか?」


「いって……、いやだからねー。僕なりに頑張って……いたいいたい!」


 会長が最後まで言い終わらないうちに、二度目三度目と追撃を行っていく。


 そして会長が完全に机に突っ伏して動かなくなったのをみて、その女子生徒は俺の方を見た。


「申し訳ありません黒崎さん。この頭のおかしい屑はコミュニケーション力が絶望的に足りていませんので、ご不快な思いをさせたかもしれません。どうかご容赦を」


「あ、いや別に俺は……」


 丁寧な口調ではあるが、さっきから言っていることが酷い。人格批判も甚だしいが、なんとなく生徒会長がかわいそうだと思ってしまった。


「遅くなりましたが自己紹介を。この豚は生徒会長・太陽ヶ丘軽(たいようがおかけい)。異能は『聖騎士(ザ・フォース)』です。そんな屑を支える従順な私は張本春香(はりもとはるか)と申します。生徒会監査として豚のしつけをしています。異能はご覧になりました通り、『張扇(ハリセン)』です」


 ずいぶんあれな説明をもらってしまった。


「ご、ご苦労……春香ちゃん。げふっ」


 生徒会長が口を開くたびハリセンで叩かれるのはお決まりなんだろうか。誰も突っ込まないのは通常のことで、違和感を感じているのは俺だけなんだろうか。


 変な人たちと関係を持ってしまったことを少しだけ後悔していると、仁が声を出してその場を仕切り始めた。


「今回の会議は決闘祭において不穏な動きがあったという報告から始まっている。皆も知っている通り、断罪派(ギルティーズ)幽霊の心臓(ゴースト・ハート)のやつらが動いているらしい。大会で奴らが暴れないためにもそれを未然に阻止するのが我々の仕事でもある。その対策を指示したい」


「「「はい!」」」


 やはり六魔の連中は序列一位である仁さんに敬意を払っているのか、そろって返事をする。


 一方で一般生徒である俺と生徒会の二人はただ黙って話を聞いているだけである。


 どうやら生徒会と六魔はつながりはあっても、横の関係みたいだな。


 俺が生徒会長を見ていると、その視線に気づいたのか生徒会長が俺の方を向いてウインクしてきた。と、同時に後ろにいる張本さんにハリセンで叩かれている。


 そして今度は恨めしそうな視線を送ってきた。まるで俺のせいで怒られたとでも言いたげな表情である。


 なんで俺が悪いんだよ……。ただ見てただけじゃんか。


 それはそうと、仁の話は佳境に入り、それぞれの具体的な行動が言い渡される。


 生徒会は学園内を見回り、不審人物がいないかを調査するとのこと。まあこれは自然なことだから奴らに気づかれることはないだろう。


 六魔たちは決闘祭に参加するので見回りとかはしなくてもいいが、奴らとの戦闘に入る可能性が高いため常に警戒しておくこと。


 そして俺は、絶対に一人でいないこと。だそうだ。


 俺だけなんか変じゃないか?どういう意味なんだろうか、誰かと一緒に行動しろということなのはわかるが、どうしてそうするのかがわからない。


 まあそこまで心配するな、ってことなんだろうか。どうせ大輝や和葉さん、決闘中なら如月といることになるんだしな。



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