そんな電話は望んでいません②
「おい、どういうことだ?」
「いや、言った通りだけど」
「帰ってくるってことは、今まで学園の外にいたってことか?いや、学園の外に出ることは禁じられているだろ。いくら六魔と言えど……」
「あそっか、翔太は知らないのか。わるいわるい。序列一位は、序列一位だけは、特別に学園から出ることを許可されてんの。というかほぼ学園にいないんだよ」
「なんで出れるんだよ」
学園の外で異能使ったらとんでもないことになんだろ。そんなことを思って聞いたのに、大輝は別の理由を答えた。
「学園から脱走した序列0位追ってるんだよ。あ、てかこのことは秘密だからな!」
秘密なのにこんなにあっさり言っていいのか。
まあ万が一バレたとしても、怒られるのは俺じゃないからいっか。というか………
「序列0位いるってのは初めて聞いたな」
「だからトップシークレットっていったろ。いるいないじゃなくて、そもそも存在しないことになってんの」
もし会議で聞かれても知らないふりをしろよ、と大輝は焦って釘をさしてくる。
「まあそこはどうでもいいんだけどよ。その序列一位の人ってどんな人なんだ?学園最強なんだろ?お前より強いんだろ?」
「俺よりもはるかに強いぞ。翔太は瞬殺だろうな」
いちいちお前は一言余計だっての。
「どんな異能なんだ?」
そこではたと考える。
『電撃』を超える異能とはなんだろうか。やはり自然系の能力だろうか。それとも『具現化』みたいに規格外のぶっ飛んだ能力だろうか。
まあ少なくとも戦闘に適した能力なんだろうな。羨ましいぜ、まったく。
俺が異能についてあれこれと考えを巡らせていると、大輝は思っていないこと一言を言った。
「わからん」
「は?」
いや待て。わからんってなんだよわからん。同じ六魔に所属しているのに知らないことなんてあるのか?一回くらい闘ったことあるだろ。
「いやまじで。本人も研究者たちもわからないって言ってるんだよ」
本人すらもわからない?そんな能力あるのか?………もしかして。
まさか、と思いながら一つの考えが浮かんだ俺は大輝に確認する。
「な、なぁ、能力名はなんて言うんだ?」
「『未知』だよ」
本当にまさかだった。
本人すらもわからない異能『未知』。
ある意味規格外だが、そんな能力を持っている人物もヤバそうなんだが………。
「俺が前に見たときは天使がいたんだよなぁ。あの羽が生えたやつ」
なんだそれどこの神話だよ。
そんなことを思いながら、そこで睡魔に襲われた俺は電話をきってやった。




