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ミステリーな反省文


和葉から逃げ出すことに成功した俺はそのまま訓練場へと向かっていた。


指導講師にバレないように、足音を消してひっそりと中に入っていく。

やがて奥の方で対人戦闘を行っている生徒がちらほらと見えた。


うげ……対人戦闘かよ。俺の嫌いな授業の一つだ。


今更だが、俺の異能『具現化オーバーキル』は威力はバカみたいにあるが、その分使いにくすぎるのだ。

なにせ一歩間違えれば大量殺戮兵器など簡単に生み出せてしまう。それこそ所有者の気分次第で世界の破壊なんてできてしまうだろう。


いや俺はやらないよ?てか、今の状態の俺じゃできないからね。


「オルガに半分異能をとられたままなんだよな」


無意識のうちに口から漏れた一言は認めたくなかった現実だった。

が一方で、今の自分に、半分しか異能を使えない自分に何が出来るのかということを知りたいという好奇心も湧いてくる。


どこまで制限がかかっているのか分からない状態で、間近に迫る双方決闘祭で闘うことなんて出来るのか。どう考えても相方に迷惑をかけてしまうだろう。


てか相方って如月で決まってんのか?あいつも今の俺と本当に組みたいのか?また今度会った時に聞いてみるか。勝手にエントリーまではされてないと思うし。


一度考え始めれば終わることのない思考の波に飲まれてしまう。


俺は気持ちを切り替えるつもりで両手で頬を叩いて活を入れたところで、ふと視線を感じて顔を上げると、


「あれ、翔太じゃん。しばらくぶりだね」


なんとも予測していなかった先客がいた。


「え、あ、桜羅か?いやなんでお前がここに」


異能『予知ハーサーガ』を有する夢島桜羅は情報科所属のはずだ。


ここは戦闘科専門の訓練場なんだぞ。俺が言うのもなんだが、コイツ絶対にサボってんだろ。


「ちょっと用事があったんだけどね。まあ忙しいみたいだからまた今度にしようかな」


「誰かに会いに来たんなら取り次ぐぞ?」


「まあ、別に………」


珍しいな桜羅が濁すなんて。いいにくいことだったのか?


「じゃあ僕はもう行くよ。また一緒にお昼食べようね」


おう、と俺が言い終わらないうちに桜羅は走って出て行ってしまった。


なぜだかわからないが、いつもとは少し違う桜羅の様子にひどく違和感を覚えた。


「おいっ!そこで何をしてる!」


「やべっ………」


講師に見つかってしまった俺は、後に反省文を書かされましたとさ。ぐすん。









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