第五幽霊
『幽霊の心臓』の三人はいつものアジトへと転移していた。
人を媒介としたG2の能力である『座標』でなぜアジトへと戻れたかというと、それは必然的にアジトに人がいたから。仲間がいたから。単純明快な理由である。
「あ、おかえりなさいッス」
椅子に座ってデバイスをいじっていた青年は、彼らが現れたのに気づいて頭からヘッドフォンを外した。
「やぁただいま」
と優しく返すG1に対して、
「おいG5、フードをかぶれといっているだろう」
とやや怒気を孕んだ声で言うG3。
「ええー?屋内だし別にいいんじゃないッスか?それに暑いんスよ」
若干へらへらした様子でG5はその怒りを受け流す。
「ところで『断罪派』との交渉はうまくいったんスか?」
「お陰様でね」
そりゃよかったッス、と一人手を叩いて盛り上がる。
「あ、そういえば」
「なんスか?」
「G2のことは何も言わなかったなぁー。入れ替わってるのもう知ってたのかなぁ?ねぇどう思うG2?」
G1は視線をG2へとおくる。その瞳は全てを見通すかのように、どこまでも真紅の色に染まっていた。
「私は………し、知らない」
その目から逃げるように、G2は伏し目で答えた。
「知らないことはないでしょ。元G2は、君のお兄さんは『断罪派』と頻繁に接触してたらしいし。顔見知りなはずなんだけどなぁ」
G2は‘兄’という言葉を聞いて、ガタガタと少し震え出す。
「兄さんは………兄さんは……」
何度も言いよどむ。その時、
「おい、そこまでにしとけG1。あまり干渉するな」
G3は二人の間にたって遮る。まるでG2をかばうかのように。それを見てG1は
「君がかばうなんて珍しいね。それとも罪悪感でもあるのかい?」
口元にはニヤリとした笑みを浮かべ、意味ありげな目でG3を見る。
「黙れ。俺たちは互いに干渉しないのがルールのはずだ。それだけの話だ」
そう言ってG3はフードを深くかぶると、自分の椅子にどっかりと座る。
それ以上会話はなかった。
というよりも空気がこれ以上の会話をさせないようにしているまでに思えた。
ただ。
ただ一人だけ。
G1だけが。
自分の既に描いた物語通りになっていることに、ニタニタと笑っていた。
人物関係が大変ややこしくなっています。
すみません。




