密会
**
またしてもどこかの一室から誰かの話し声が聞こえてくる。
「頭領、来たようです」
「そりゃあみりゃわかる」
側に立っていた葉隠円香は、中央に置かれている黒塗りのソファに深く腰掛けている男に話しかけた。
金色と黒色で染められた髪の毛に、両耳には派手なピアス。服のあちこちには様々に変形したチェーンがとりつけられ、極めつけに、手袋をはめた指に大きな髑髏の指輪がはめられている。
さもそれ界隈の人間を思わせる格好ではあったが、服の原型が学生服であることから、彼もおそらく学園生の一人なのだろう。
「よお久しぶりだな、語り狂い」
男は依然目を閉じたままそう言った。
「その呼び方はやめてって言わなかったっけ?五十嵐くん」
喋りながら部屋に入ってきたのは、少年少女を含めた三人。全員とも黒い服装にフードを深く被っていた。
「まあ座れやクソ共」
会って数秒でクソ呼ばわりをされたにもかかわらず、三人は大して気にしたそぶりも見せず、一から五と描かれた五つの席に座った。
それを見た五十嵐は、
「んん?おい、二人足んねぇぞ」
「ああ、G4なら先週のショッピングモールの件でね」
「ああ……そりゃどうもウチのファミリーが世話になったみてえでよぉ!!」
机をガンと蹴り、怒りをあらわにした。
「そんなに怒らないでよ五十嵐くん。君のところに手を出したのは、雨坂くんなんだから」
「雨坂………六魔んとこか。ふざけやがって!!」
「ああそうだ、今日はその六魔について話があるんだった」
「なら早く言えよ!じゃなきゃお前らと話なんざしたくねぇんだよぉ!!」
ガン、と再び机を蹴る。
誰かの息を呑む音がした。だがすぐに、
「おい、早く始めろG1。俺も『断罪派』どもと同じ空間にいたくないんだ」
「んん?ケンカ売ってんなら買うぞG3ぃ!!」
一人腕を組んで黙っていたG3がイライラした口調で言うと、素早く五十嵐は噛み付いた。
「ちょっとちょっと!二人とも落ち着いてよ!」
「んん……」
G1は冷静に仲裁に入ろうとし、G2は頷いた。
そして。
「今日は提案があるんだってば!」
「「提案………?」」
五十嵐惺弥とその側に立っていた葉隠円香は同時に声を上げた。




