密室からの脱出
和葉の登場から三分後、あっさり片がついてしまった。
和葉の異能「斬撃」が強力だったのも一因だったが、なにより三人がその場で無抵抗だったのが大きいだろう。
むしろ和葉が持ってきていたロープに自分から喜んで縛られに行った感すらあるんだが。
親衛隊の騒動(?)を抑えた和葉は、そのまま俺を縛っていたロープを日本刀で断った。
「ありがとう和葉さん」
「いいえ~それよりもぉ……」
そう言って彼らの方に振り返ると、
「よくも私の翔くんに手を出してくれたわねぇ。今すぐに解散させてもいいのよぉ?」
「「「それだけは勘弁をっ!!!」」」
あ、解散させるということは一応親衛隊の存在は認めてたらしい。
「じゃあ二度と私の翔くんに近づかないこと、いい?」
「イエス!和葉様ッ!!」
「「すいませんでしたあ!!」」
さっきから妙に『私の』を強調するのは気のせいですかね?
潔い返事とともに主犯三名とその他一人は脱兎の如く倉庫から出て行った。
「で」
「は?」
「翔くんはどうしてここにいたの?」
「え?いや、だからあいつらに」
「私はぁ、授業に出てねって言ったわよねぇ?」
じりじりとにじみ寄ってくる和葉から、異様な怖さを感じる。
え?なんで怒ってるの?てかむっちゃコワイ。
「こんな倉庫のような密室で!ロープに縛られた状態なんて!私の役目なのにぃ!」
「………は?」
なに言ってるんだろう。
「もう!次からそうされたかったら必ず私を呼ぶのよ?わかったぁ?」
「いや、されたくてここに来たんじゃないからっ!というかあいつらに連れてこられただけだからっ!」
なんというか壮絶な勘違いをされていた。てか、怒るポイントはそこなのかよ。
この状況のままだと再び縛られる予感しかしなかったので、すぐさま倉庫を飛び出した。
「俺、次の授業あるから!」
「もぉ翔くぅん!」
そんな悲痛に近い叫び声が倉庫から響いてきた。




