事件の後日談
事件の報告を兼ねた任務があるとのことで、大輝は一足先に会議室から出て行った。
一方俺は席を立ち上がろうとした和葉を引き留めて、未だ会議室に居座っていた。
なお、会議室は六魔の権限から生徒会の権限での使用に移っている。だって本人がいないもん。
「俺さ、あの事件のことで気になることがあるんだ」
「なぁに翔くん」
「知っていたらでいいんだけどさ……」
要領を得ない俺の口ぶりに業を煮やしたのか、和葉は少し強めの口調になった。
「言いたいことはっきり言いなさい!翔くん!」
「は、はい……」
結局なんと言っていいのかわからず、変な建前はやめにして、素直な疑問をぶつけてみた。
「えっと、篠垣のことなんだけどさ……。あいつは今どうなってるのか、って……」
「なぁんだ。そんなこと?」
和葉は笑って答えてくれる。
いや、そんなことか?だってあれだけの事件を起こしたんだぞ?普通に考えれば今まで通りの生活を送れるはずがないだろ。
大輝の話によると、篠垣はどこかへ連れて行かれたらしいし。
この異能学園において罪を犯したものはどうなるのか、俺はただ知りたかった。
「事故や事件関連は六魔の専売なのよねー。でも、生徒会も無関係なわけじゃないのよ。一応聞いてるけどぉ」
知りたい?と片目を瞑って和葉は問いかけてくる。まるで俺を試すかのように。
「どうしてもだ。聞かせてくれ、和葉さん」
すると和葉は軽く咳払いしてから言った。
「んーとね?言ってしまえば簡単なんだけど、厳重な処罰はくだったらしいのよ。あとは異能者更生センターに入れられたとか」
異能者更生センターぁ?なんだそれ?
顔にはてなマークを浮かべている俺の表情を察したのか、和葉はその疑問に続けた。
「知らなくて当然よ。普通は聞かないもの。まあ文字通り犯罪者や規則を破った人たちが入れられる施設ね。私たちには関係ないと思ってね」
「ふぅーん……」
「どおぅ?好奇心は満たされた?」
「まあたぶん?」
「それじゃあお礼はデートで返してねぇ♡」
「やっぱりそれかよ!!?」
ただの興味本位で聞いただけなのに、お代は高額だった。絶対利子つけてるだろ。
「それじゃあ私は仕事があるからもう行くわねぇ。あ、ちゃんと授業は出るのよ?」
「わかってるよ。ありがとう和ねぇ」
「はぁぁん……♡」
なにやら後ろで嫌な気配を感じたが、心のつっかえが取れたことで気分よく訓練場へと駆けだした。
いえ、和葉さんから逃げるためではなく、ね?




