第六魔導生VS幽霊の心臓 ①
「相手の異能を見抜くのが闘いの醍醐味なのに、どーして教えちゃうのかしらー?雨坂くん」
キャハハと嗤いながら、背の高い方の少女が言った。
「情報は武器になるって知らないのかよ、篠垣さんよぉ」
カハハと大輝もそれに応戦する。
ふーむ。どうやらこの少女の名前は篠垣というらしい。ちぃ覚えた。いや、使うことないけどね。
この二人は闘うことはないが、さっきからずっと牽制を放ち続けている。なんか因縁がありそうだな。篠垣は大輝に任せるとしよう。強そうだし。
となると、もうひとりの少女は俺が相手するか。
そう思って周囲を見回しても、それらしい姿はなかった。気配を探ってみても、やはりいないようだった。
「あれ……?」
どこに消えた?というかいつの間に?
ちょうどその時、キョロキョロしていた俺に向かってキャハハという笑い声が飛んできた。
「G2は戦闘要員じゃないから、もう移動したんじゃないかしら?時間も終わったと思うしー」
ということは、『俺と大輝VS篠垣』ということか?結局俺はこの強そうな子と闘わなけりゃいけないのか……。
「それじゃー始めましょう。といっても闘うのはアタシじゃないけどね」
意味不明なことを言い始める篠垣に一つの影が忍び寄る。
「クソ女ぁぁぁ!!そこにいたかぁっ!!」
突然柱から大柄な男が現れ、水の剣を手に持って篠垣に斬りかかろうとする。
水の剣は男の異能だろうか。自然に流体が形を保ったままなんてことはあり得ないのでやはり異能だろう。
だというのに、篠垣は慌てるそぶりをいっさい見せずに、
「あら、さっきぶりねー。『断罪派』ちゃん」
ちょーどいいわぁ、と篠垣が指を鳴らした途端、男の様子が一変する。
「ウぐぅッ!?」
男は水の剣を落として、急に苦しみ始める。やがて剣を持っていたその手から体の中央へと向かって徐々に黒く染まっていった。
そして。
「はーい!かんりょーう。アタシの異能『掌握』、楽しんで逝ってね」
そんな篠垣の一言と共に、真っ黒に染まった大柄の男は俺たちの方を向いて、再び水の剣を構えた。
お、おい。何が起こったんだ?
「翔太。俺が闘うから、お前はサポートに回ってくれ」
「………おう」
俺はただ返事を返すことしか出来なかった。




