因縁のライバル(仮)
『幽霊の心臓』に遭遇した俺たちは、いつでも異能を出せるような体勢をとっていた。
「なぁ、おとなしく引けば今回は見逃してやるぞ。これから防衛隊も来るし、お前らに不利だと思うんだがな」
大輝は一歩も動かず、二人の方を睨み続けている。その手からはバチバチと威嚇するかのように、閃光が舞う。
そういえば、六魔と幽霊の心臓は長年対立していたんだっけ?確か、断罪派をめぐる考えの不一致とかで。
「そんな安い脅しで引き下がると思ってるの?バカねー。こっちはG1からの任務で来てるんだから、終わるまでは帰らないわよ」
「………ん」
「G2は移動してもいいけど、ちゃんともどってくるのよー?」
「………うん」
なぜか二人が言い争っているように見えた。小柄な方の少女は殆ど喋っていないのに、会話が成立しているのが不思議だ。
「よし、闘うってことでいいんだな?じゃあ慈悲は期待すんなよ?」
大輝は再び構えようとする。
先程使った分の電撃は体内で既に蓄積されているはずだから、大輝一人でなんとかなるのだろう。
「別に雨坂くんと戦いに来たわけじゃないわー。そっちの彼に用があるのよ」
えっ、俺?今俺の方を指さしたよな……?
「アンタのと………、違ったわ。任務で来たって言ったでしょ?」
おいおい、俺が任務の対象ってどういうことだ?
「翔太が闘いたいってんなら、止めねぇぞ」
そう言って大輝は俺の方をチラリと見てくる。
「そうだなぁ。ここらで実力ってもんを確かめておきたいからな……。やってやるよ」
少し格好つけて言い返してみると、
「ちなみに長身でよく喋るの方が『掌握』の異能で、小柄で無口な方が『座標』の異能だ。言っておくが、どっちも強いぞ?なめてかかると、怪我じゃ済まねぇ」
「………どっちも遠慮します」
かなり強めのストレートが返ってきた。
「やる気どこ行ったんだよ!?」
だって怖いんだもん……。
強い奴とはあんまり闘いたくないなぁ……。
よし、俺は大輝の補佐にまわるかな!
こうして俺たちの戦闘が始まるのだった。




