冴えない友人に活躍の場を
「……早かったな」
「……はぁ。……はぁ、六魔専用のルートがあるもんで」
「んで、今の状況なんだが……」
「まあ、見ればだいたいわかるよ」
さいでっか。
今、俺たちの周りには四、五人ほどの断罪派の奴らがいる。言い換えれば、囲まれているということだ。
大輝は俺たちと合流してすぐに見つかってしまった。コイツ、どんだけ運が悪いんだよ。
ちなみに明日香はというと、途中であったクラスメイトに女子に託した。まあ、たぶん大丈夫だと思うんだが。
でも去り際に『生きて帰ったら結婚しましょう、お兄様♡』とか言うのは止めてほしい。クラスメイトがドン引きしてたから。顔引きつってたから。もう、あの子とは会話できないな……。
「喋ってんじゃねぇぞクソ野郎どもぉ!」
とチンピラその一。
「くそぉ……、女だけだと思ってたのによぉ」
とチンピラその二。
「早く潰して、次捜すぞ!」
とチンピラその三。
「殺されたくなかったら、おとなしくしてろよ!」とチンピラ以下略。
なんかもうモブ感満載ですね。どんだけ戦いたいんだよお前ら。
「じゃあ大輝頼むわ」
「お前なぁ……。まあ最近暴れてなかったし、ちょうどいいかなぁ?」
と大輝は少し呆れながらも手を振り回し始めた。
コイツの電気が電導するといけないので、俺は軽く距離をとる。すると、
「俺の異能『爆破』をくらえぇ!!」
そう言ってチンピラその一は右手を伸ばしながら走ってくる。
おそらく奴がさっきの爆発を引き起こした張本人だろう。能力自体はかなり強力なはずだ。
だが、そのわかりやすい戦い方に俺は苦笑してしまう。そう、どう見ても戦い慣れしていないのだ。
ある程度場数を踏んでいる奴ならば、あんな無策に突っ込んでいかないだろう。相手の手がわからないうちは多少警戒するはずなんだが……。
右手を伸ばしながら近づいたと言うことは、おそらく右手が能力の発動場所だろう。そして触れたものを爆破する、って感じか……。
そんな風に観察していると、
「『過剰放電』!!」
大輝の叫び声と共に、辺りは一瞬にして白い光で埋め尽くされる。やがて、
「「「あ’あ’あ’あ’あ’あ’!!!」」」
数人の声にならない叫び声が聞こえてきて、彼らは床にばったりと倒れた。
「ふぅ」
大輝は手で額を拭うと、一呼吸した。
やっぱり強ーよ。六魔は伊達じゃないな。




